異世界で布教活動しませんか?

八ツ花千代

文字の大きさ
7 / 11

7話

しおりを挟む
 青々とした草原が道の両脇に広がっている。
 馬車が余裕ですれ違うことのできる幅の広い街道を、俺たちは馬車でのんびりと進んでいた。

 暖かな日差しは昼寝に最適なのだろうが、それどころではない。
 腹が減っているのだ!
 逃げるように町から脱出したので馬車には何も積んでいなかった。

 きゅるると誰かのお腹が鳴った。
「ミズキはん、お腹がすいたで~」
 馬車の荷台に寝転がりながらアラニスが愚痴を言う。
 荷物運搬用の馬車なので椅子がないかわりにかなり広い。
 布製のほろが日差しを遮っているので眩しさを感じることはない。
 快適なのだ、空腹じゃなければ……。

「奇遇だな俺もだよ」
 俺は荷台の壁に背を持たれさせ胡坐をかいて座っている。
 ラシアは俺の腕に絡まったままべったりと寄り添っていた。

「甲斐性なし~」
「反論できないなあ。地位も名誉も金もない。なぜこんな俺についてきたんだ?」
「ホンマやで~。ウチの目は曇っとったかもしれへんな~」
「おっ? 降りるのか? その気なら馬車を止めるぞ」
 たづなを握っているティルダが御者席から声をかける。
 馬車を操れるのはティルダとアラニスの二人だけなので、交代しながらここまで来た。

「姉ちゃんは意地悪やなぁ、冗談に決まっとるやろ」
 馬車が止まった。
「冗談やって言うたやろ、キツイでホンマ~」
「違う、前に馬車が止まっているんだ」
 俺たちは荷台の前へ移動し様子を見ると、馬車が傾いて止まっていた。
 前輪の車軸が折れたらしい。
 怪我をした人たちが路上に座っていた。

「ミズキ様、彼らの傷を治してもいいでしょうか。癒しの術が使えると知られてしまいますが……」
「エリノは放っておけないんだろ、面倒事になったら逃げればいいさ」
「はいっ!」
 エリノは馬車を降りると怪我人のもとへと走って行こうとする。
「エリノ待て。盗賊が怪我人に扮している可能性がある。私も一緒に行く」
 ティルダは背負っていたバックラーを腕に付けるとエリノと一緒に怪我人の様子を見に行った。

「ミズキはんは甘いで~、面倒事になるに決まっとるやろ」
「見過ごせばエリノが悲しむだろ、それは避けたい」
「なんや、怪我人が心配やのうでエリノのためかいな」
「あたりまえだろ、他人の怪我なんて俺には関係ないさ」
「よっしゃ。ミズキはんが偽善者やのうで安心やで。ほなウチが交渉してくるで」
「交渉?」
「あのエロ修道女は無料タダで治す言うやろ。ウチが治療費を貰うてくるさかい任せとき」
「あ~なるほど。弱みに付け込んで搾り取り過ぎないようにな」
「ウチ金は好きやけど鬼とちゃうで! 適正価格は商売のキホンや」
 アラニスも嬉しそうに怪我人の元へと歩いて向かった。

「ラシアも行く?」
 俺にべったりと張り付いたまま首を横に振る。
「そっか、なら二人で留守番だな」
 ラシアは満面の笑みで俺の腕をぎゅっと抱きしめた。
「騒動に巻き込んでゴメンな。ほとぼりが冷めたら家に送り届けるから」
 驚いた顔で俺を見ると、今までに見たことがない程、首を激しく横に振る。
「嫌なのか?」
 コクコクと頷いた。
 良い待遇でなかったのは見ればわかる。
 服はボロいし、体は痩せている。
 本人が戻りたくないと言うのなら問題ないだろう。
 誘拐とは、違うよな?

「ならラシアの気のすむまで一緒にいればいいさ」
 再び笑顔に戻ると俺の腕にぎゅっとしがみ付く。
「そう言えば、神への祈りで俺のことを王子とか富豪とか言ってなかった?」
 ラシアは耳まで赤くして俺の腕に顔を埋めている。
 どうやら聞かれていたとは思っていなかったようだ。

「ごめんな~、俺はお金を持ってないんだ。ラシアを腹いっぱいにすることもできない貧乏人だ」

 実を言うと俺は胃がキリキリと傷んでいた。
 空腹が理由じゃない、プレッシャーだ。
 貧乏人の俺に美しい女性が四人もついて来たんだ。
 ハーレムを喜ぶ余裕なんてないよ。
 どうやって彼女たちを養うか、そればかり考えていた。
 ティルダは肉体労働は任せろと言う。
 アラニスも金儲けは任せろと言う。
 その言葉に甘えていいのだろうか……。

「・・・・」
 ラシアの可愛らしい唇が微かに動いている。
 何か言ったようだが小声なので聞こえない。
「聞こえないよ」
 ラシアは俺の腕を引き顔を近づけさせると、頬にキスをした。
「胸が、いっぱいだから、いい」
 俺まで顔が熱くなってしまった。

「なに人がおらんおもてイチャついとんねん!」
「べっ、別にイチャついてないぞ」
「アホぬかせ、顔が真っ赤や。泥棒猫、後でキッチリ話つけよな」
 ラシアが小さな舌を出した。
「ええ度胸や」
「それで、どうなった?」
「あ? 怪我の治療は済んだで。手持ちがない言うから今晩の宿と飯代で手をうったわ。そんでな、あっちの馬車はもう動けんからこちらに乗せてくれへんか言われたわ。それをミズキはんに了解取りに戻ったところでラブシーンや」
「いいんじゃないか、町まで乗せていこう」
「ほな、そう伝えてくるわ。……イチャつくの禁止な!」
 そう言うとアラニスは急いで話をつけに戻って行った。





「乗せていただき有難うございます」
「ええねん、お弁当を分けてもろたからな~運賃替わりや」
「ハハッ」
 男が苦笑いしている。
 彼らの持っていたサンドウィッチを分けてもらい空腹を紛らわすことができていた。
 俺の横ではラシアがゆっくり味わいながら食べている。

 壊れた馬車から四人がこちらへ移動してきた。
 二人ほど荷物番のために馬車へ残っている。
 町へ到着してから修理業者を手配することにしたのだ。

「私はモーリス・マルコス、こちらからカルビン、ドワイト、ウィリーです」
 紹介された男たちが軽く頭を下げる。
「あれ? 名前が……」
 こちらの世界では名字がないとエリノから聞いたが。
「他の宗派では馴染みが薄いかもしれませんね、アスコニエ教では誰かの徒弟になると師匠の名前を頂くのです。私たちはマルコス工房で働く職人なんですよ」
 確かに地球でも国が違えば名前の付け方も違うしな。

「工房ですか。どのような商品を作っているのですか?」
「芸術品ですね。私は絵画を専門にしております。この三人は彫刻専門です」
 話をしているモーリスは年長者でまとめ役なのだろう。
 しっかりした印象を受ける好青年だ。
 順番に若くなり、端に座るウィリーはかなり若く見える。
 美少年で短パンに靴下がよく似合っていた。
 ショタに分類されるだろうが、こちらの女性陣は彼に関心がないようだ。
 しかし、ウィリーはエリノの胸に興味津々のようで、先ほどから凝視している。
 その気持ちはよくわかる。
 思春期男子にはエリノの胸は毒だ。
 馬車が揺れるたびに胸も揺れウィリーの視線も上下していた。

「三人とも腕は確かで将来が楽しみですよ」
「へぇ~、作品を見てみたいですね」
「なら今晩は工房にお泊り下さい。助けて頂いたお礼もしたいですから」
「宿代を浮かす気やな、まあええやろ、飯はちゃんと出してな」
「ハハッわかっていますよ」
 こんな時はアラニスの強引さが頼りになるな。
 ちょっと恥ずかしいけど。





 美術品について雑談していると、いつの間にかマルコス工房に到着していた。
 予想してたより規模が大きくちょっとした町工場よのうだった。
 絵具や油のツンとした独特な匂いを苦手とする人がいるが、俺たちの中には拒絶反応をあらわにする者はいないようだ。

 馬車から降りると、まるで丸太のような太い腕をした強面こわおもての老人が声をかけてきた。
「おぅ、遅かったな」
「師匠、馬車の車軸が壊れて怪我をしていたところをこの方たちに助けて頂きました」
「ほぅほぅこれはこれは、弟子たちがたいへん世話になったようだ、ワシからも礼を言わせてくれ」
 老人は頭に巻いていた手ぬぐいを取ると、
「ワシはマルコスと言う、助けていただき感謝する」
「偶然通りかかっただけです」
「師匠、お礼にこのかたたちを今晩泊めても良いでしょうか」
「もちろんだとも。たいしたおもてなしはできませんが、今晩だけと言わずゆっくりしてください」
「お言葉に甘えさせていただきます」

 顔と体はゴツイが丁寧で紳士的な老人だ。
 マルコスが、
「ウィリー、お客人をおもてなししろ」と言うと、
「作品が見たいと言っていたから、案内してあげな」とモーリスが具体的な指示を出す。
「はいっ」
 ととっと小走りでエリノの前に行くと、
「ボク、ウィリーです、どうぞこちらへ」と案内してくれる。
 どうやら少年はエリノが気に入ったようだ。
 まあ、この中だと唯一の母性的な容姿だからな。



 工房の敷地はとても広かった。
 町の繁華街から離れているらしく、弟子たちはここで生活しているらしい。
 宿舎、食堂、厩舎など大きな建物がいくつも建っていた。
 俺たちは厩舎前に馬車を止め、馬を厩舎に入れる。
 ティルダは慣れているらしく手際よく干し草と水を馬にあげていた。



 馬の世話を終えたので工房の中を見学させてもらう。
 ウィリーの横にエリノ。
 俺の両サイドはティルダとラシアがいる。
 ラシアはずっと俺と手を繋いでいた。
 アラニスは最後尾を歩きながら美術品を舐めるように見ている。
 おおかたいくらで売れるか考えているのだろう。

 カンバスに筆を走らせる者、粘土をこねる者、大きな丸太を削る者など、一心不乱に作業をする弟子が大勢いる。
 地面には削り取った木の破片が散乱していた。

「このあたりがボクの作品です!」
 そこには見事な彫刻が並んでいた。
 人間の背丈ほどの巨大な物から、手のひらサイズの小さな物まで様々だ。

 翼を広げた鷲が獲物に襲い掛かる一瞬を切り取ったような彫刻からは躍動感が伝わってくる。
 隣には鮭をくわえる熊がこちらを睨んでいる。
 後ろ足で立つ馬からはいななきが聞こえてきそうだ。
 どの彫刻からも、熱気のような生命力を感じる。

「おぉ~これは凄い」
 感動すると言葉にならないな。
「ウィリー君は動物が好きなの?」とエリノが聞くと、
「はいっ! でも、実物を見た事ないんです。師匠や先輩から聞いた話から想像したんですよ」
 想像でコレを?
 信じられないクオリティだし、写真を見ながらでも俺には作れない。
 どの世界にも天才はいるんだな。

 他の弟子たちの作品も見せてもらったがウィリーが一番うまいと思う。
 まあ俺の勝手な評価だから専門家の意見は違うかもしれないけどね。

「大変だ、ウィリー来てくれ」
 弟子が遠くから叫んでいる。
「何でしょう? ちょっと行ってくるので作品を見ていてください」
 ウィリーは小走りで去って行った。

「それにしても凄いね」
「たいした腕やね~、これならいくらでも稼げるやろ」
「こちらの世界には美術品を楽しむ人は多いの?」
「金持ちの道楽やね。良い作品を買い、ライバルに見栄を張るんや。有名な作者の作品は、そりゃぁ高値で取引されるで」
「へぇ~。まあ俺には関係ない世界だな」
「なに言うとんの。ウチが世界一の金持ちにしたるさかい、今のウチに審美眼を鍛えとくんやで」
「審美眼ねぇ……。ウィリーの作品は凄いと思うよ、他の弟子には悪いけど、何と言うか力を感じる彫刻だね」
「ウチも同じ意見や。それにメガネをかけても彼の作品が輝いて見える」
「加護の力か……」



「お待たせしました」
 ウィリーが戻って来た。
「大丈夫だった? 用事があるなら俺たちの案内はもういいよ」
「うぅ~~~。大丈夫じゃないです、問題です~」
 美少年の困り顔は母性本能をくすぐるのだろうか。
「どうしたの?」と、心配そうにエリノがたずねる。
「もうすぐ彫刻コンクールが開催されるんですが、ボクが出品担当なんです」
「ウィリー君なら優勝できるんじゃないかしら?」
「それがですね、今回は動物のモチーフは禁止にすると通達が来たんです」
「あらそうなの?」
「ボク、動物以外はダメダメなんです」

 ウィリーは少し離れた場所にある人物像を指さす。
「あれ、どう思います?」
「もしかしてウィリー君の作品? そうね……普通かしら」
 優しいエリノは普通と言ったが、俺にはダメダメに見える。
 素人と比べればうまいが動物の像に宿るような生命力は感じられない。
 悪い意味で作り物感が伝わるのだ。

「なんや、動物のと比べるとへたやねぇ」
 アラニスにはオブラートに包むという優しさはないようだ。
「ハハッ、ですよね、知ってます」
「担当を代わってもらえばええやん」
「登録済の担当は変更できないんです」
「そら難儀やなぁ」
「今回は残念ってことで、次回頑張ればいいじゃないか」
「ミズキはん、コンクールの勝敗は売上に直結するんやで。パトロンを逃がしたら工房の運営が成り立たなくなるんや」
「なら頑張るしかないな」
「ふぇぇ~ん」
 ウィリーは泣き出してしまった。

 エリノは俺の横に来ると耳打ちしてくる。
「ミズキ様、ウィリー君に加護を授けては頂けませんか?」
 優しいエリノなら言い出すだろうと予想していた。
 しかし簡単には了承できない。
「今晩、家族会議を開きます」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

処理中です...