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事故物件
第二話
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「虹雨ーっ!!!」
浴室のドアは案の定鍵がかかったように全く開かない、が原因は一目瞭然。ドアのすりガラス越しにさっきの女の一つが立っていたのだ。
「何もしないと思ったけどなぁ……すごい力だ……」
すりガラス越しで表情ははっきり見えないがなんとなく影で口元が笑っているように見える。虹雨は見慣れているせいか女の人に関しては怖くないが、真っ赤になった浴室はさすがに無理である。
「あいつ、これを知って僕を浴室に入れたなっ」
真っ裸な由貴の前に1人の男の人が立ち尽くしていた。彼も真っ裸だが全身赤い……血だらけで上半身しかみえない。背丈は180もないくらい、由貴とおなじくらいであろう。ちなみに後ろの女の人は160もないと推測した。
「この女の人とあなたはどういう関係ですか。それよしかなんでここにいるんですかっ! そっちが知りたい」
冷静さを保てない由貴。いくら叫んでも虹雨はやってこない。
「うぉーーーーおーーーー」
男の人は叫ぶ。浴室に反響する。
「うるさいっ!! 落ち着いてや、落ち着いてくれや!」
すると背後から
「ひゃーーーーーーーっ!!!!」
ドアを押さえている女の人だ。どこから出してるか分からないくらいの高音の叫び声。
「まじ、やめろやーーっ! 2人とも落ち着いてーーー」
2人とも叫びは止まらない。
「虹雨ーっ!! もう無理やっ……無理矢理!!!」
そのときだった。
「うるさいわボケっ!」
浴室の外から虹雨の声が聞こえた。
「聞こえとったんかい!!!」
由貴は外にいる虹雨にツッコミをする。外の女の人の影が消えたと同時に叫び声が止み、男の人はぐたんと倒れた。
「女は退治した。あとはそのおじいちゃんやな」
「おじいちゃん? てかお前僕をはめやがって」
「はめた? ちゃうやろ、お前が引き寄せたんやろ」
「おまえずっとこの家に住んどったら知っとるやろ……この幽霊!」
と勢いよく由貴が浴室のドアを開けると目の前にスマホを構えた虹雨が立っている。ちなみに部屋着に着替えていた。
慌てて由貴は大事なところを隠すが男の人は倒れて横たわっている。よく見ると「おじいちゃん」であったのだ。
「なんや、この浴室は……」
「任せとき、タオルで手を拭いて。はい、スマホ持ってくれや」
と虹雨は由貴にタオルを渡してスマホを持たせた。
「大丈夫、後で編集できるやろ」
「だから答えろって」
「……早急にせなかん」
虹雨は横たわった男の人の体に手をあてる。
「あああああっ」
か細い声で何かを言いたそうである。虹雨はいきをすうぅと吸い込み……
「ええ加減に静かにせぇ!!」
その声は浴室内に響き渡り、由貴は腰が抜けた。そして男の人は消えて一気に浴室は元通りになった。
浴室のドアは案の定鍵がかかったように全く開かない、が原因は一目瞭然。ドアのすりガラス越しにさっきの女の一つが立っていたのだ。
「何もしないと思ったけどなぁ……すごい力だ……」
すりガラス越しで表情ははっきり見えないがなんとなく影で口元が笑っているように見える。虹雨は見慣れているせいか女の人に関しては怖くないが、真っ赤になった浴室はさすがに無理である。
「あいつ、これを知って僕を浴室に入れたなっ」
真っ裸な由貴の前に1人の男の人が立ち尽くしていた。彼も真っ裸だが全身赤い……血だらけで上半身しかみえない。背丈は180もないくらい、由貴とおなじくらいであろう。ちなみに後ろの女の人は160もないと推測した。
「この女の人とあなたはどういう関係ですか。それよしかなんでここにいるんですかっ! そっちが知りたい」
冷静さを保てない由貴。いくら叫んでも虹雨はやってこない。
「うぉーーーーおーーーー」
男の人は叫ぶ。浴室に反響する。
「うるさいっ!! 落ち着いてや、落ち着いてくれや!」
すると背後から
「ひゃーーーーーーーっ!!!!」
ドアを押さえている女の人だ。どこから出してるか分からないくらいの高音の叫び声。
「まじ、やめろやーーっ! 2人とも落ち着いてーーー」
2人とも叫びは止まらない。
「虹雨ーっ!! もう無理やっ……無理矢理!!!」
そのときだった。
「うるさいわボケっ!」
浴室の外から虹雨の声が聞こえた。
「聞こえとったんかい!!!」
由貴は外にいる虹雨にツッコミをする。外の女の人の影が消えたと同時に叫び声が止み、男の人はぐたんと倒れた。
「女は退治した。あとはそのおじいちゃんやな」
「おじいちゃん? てかお前僕をはめやがって」
「はめた? ちゃうやろ、お前が引き寄せたんやろ」
「おまえずっとこの家に住んどったら知っとるやろ……この幽霊!」
と勢いよく由貴が浴室のドアを開けると目の前にスマホを構えた虹雨が立っている。ちなみに部屋着に着替えていた。
慌てて由貴は大事なところを隠すが男の人は倒れて横たわっている。よく見ると「おじいちゃん」であったのだ。
「なんや、この浴室は……」
「任せとき、タオルで手を拭いて。はい、スマホ持ってくれや」
と虹雨は由貴にタオルを渡してスマホを持たせた。
「大丈夫、後で編集できるやろ」
「だから答えろって」
「……早急にせなかん」
虹雨は横たわった男の人の体に手をあてる。
「あああああっ」
か細い声で何かを言いたそうである。虹雨はいきをすうぅと吸い込み……
「ええ加減に静かにせぇ!!」
その声は浴室内に響き渡り、由貴は腰が抜けた。そして男の人は消えて一気に浴室は元通りになった。
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