5 / 42
図書館司書の女
女は変わる
しおりを挟む
彼女、杉立梨花《すぎたちりか》に声をかけたのは一年前か。結婚詐欺師の疑いがあると捜査をしていたが、証拠が出なかった。
彼女の図書館へ足を運び、彼女を見かけたときにこの女性が結婚詐欺をしているのか?相手は独身の30代、40代の経営者の男たちばかりであった。
結婚詐欺か、引っかかる男も馬鹿だと資料を読んでいたがこんなに美しい女性に言い寄られたら引っかかるなと実際に会って思ってしまった。
捜査云々の前に彼女と一度話をしたい。朗読も素敵だ。どうすれば近づけるのだろうか。今はバディの帆奈《はんな》がいるから不必要に近づけない。
「一見私から見れば普通の女性ですけどね。そんな彼女にお金貢ぐ男たちも馬鹿だわ」
帆奈は鼻で笑っていた。彼女は俺から離れて他の職員に声をかける。……帆奈は昨晩俺の上で激しく喘いでいた。数年前からバディを組む後輩であるが、鉄仮面と周りから言われ他の刑事からつまみものにされても強気でいるが、ベッドの上では猫のように甘える女だ。
杉立梨花も違う一面があるのだろうか。気になる。
俺は非番の時に図書館に行ってみた。自分から声をかけること、いわゆるナンパなんてプライベートではないことだ。とても緊張するがどう声をかけよう。
ふと本棚に貼ってあった星座を見る会のポスターに書いてあった
『天狼星』という文字。
梨花のところへ行くと、笑顔で対応してくれた。
「天狼星について調べたいのだが」
帆奈は普通の女だとか言ってたがそうじゃないぞ。あれは嫉妬だったのだろう。
梨花は立ちにこやかに星座関連の蔵書があるところに案内してくれた。
「星に興味があるんですか?」
と、質問された。俺が質問する前に……。
「え、ええ」
興味は全くない。
「私もですよ」
と微笑まれた。これは引き込まれる、彼女の微笑みは。
「もしよろしかったらプラネタリウム行きませんか?」
ナンパしたつもりだったが彼女の方が上手であった。本を数冊選んでもらい、天狼星について書いてあるページを教えてもらい、メモ帳にメモをしていると彼女がそのメモに電話番号とメアドを書いたのだ。
うわ、まじかよ。
彼女の図書館へ足を運び、彼女を見かけたときにこの女性が結婚詐欺をしているのか?相手は独身の30代、40代の経営者の男たちばかりであった。
結婚詐欺か、引っかかる男も馬鹿だと資料を読んでいたがこんなに美しい女性に言い寄られたら引っかかるなと実際に会って思ってしまった。
捜査云々の前に彼女と一度話をしたい。朗読も素敵だ。どうすれば近づけるのだろうか。今はバディの帆奈《はんな》がいるから不必要に近づけない。
「一見私から見れば普通の女性ですけどね。そんな彼女にお金貢ぐ男たちも馬鹿だわ」
帆奈は鼻で笑っていた。彼女は俺から離れて他の職員に声をかける。……帆奈は昨晩俺の上で激しく喘いでいた。数年前からバディを組む後輩であるが、鉄仮面と周りから言われ他の刑事からつまみものにされても強気でいるが、ベッドの上では猫のように甘える女だ。
杉立梨花も違う一面があるのだろうか。気になる。
俺は非番の時に図書館に行ってみた。自分から声をかけること、いわゆるナンパなんてプライベートではないことだ。とても緊張するがどう声をかけよう。
ふと本棚に貼ってあった星座を見る会のポスターに書いてあった
『天狼星』という文字。
梨花のところへ行くと、笑顔で対応してくれた。
「天狼星について調べたいのだが」
帆奈は普通の女だとか言ってたがそうじゃないぞ。あれは嫉妬だったのだろう。
梨花は立ちにこやかに星座関連の蔵書があるところに案内してくれた。
「星に興味があるんですか?」
と、質問された。俺が質問する前に……。
「え、ええ」
興味は全くない。
「私もですよ」
と微笑まれた。これは引き込まれる、彼女の微笑みは。
「もしよろしかったらプラネタリウム行きませんか?」
ナンパしたつもりだったが彼女の方が上手であった。本を数冊選んでもらい、天狼星について書いてあるページを教えてもらい、メモ帳にメモをしていると彼女がそのメモに電話番号とメアドを書いたのだ。
うわ、まじかよ。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる