冬月シバの事件簿

麻木香豆

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鬼が見た景色

オニ

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「僕が鬼だってすぐバレると思ったけど……」
 という須藤。冬月はタバコの煙を吐き出した。
「たく、マスコミもさ。あれを「鬼」だって騒ぐからなあ」
と冬月が笑うと須藤も笑う。
「笑うところじゃねぇだろ。……須藤才二」

 二人目の被害者は同級生の夫でライターだった。一人目の女性が殺された際に、独自で調べていた。
 須藤を割り出し近づいていたが、須藤は口封じのために殺した。

「彼は殺すつもりではなかったが……たまたま同級生の夫だとわかったからねぇ。僕のことを助けてくれた子の……夫だった」

 その時に彼が死ぬ間際に書いたのが「才二」→「オニ」に見えたわけで。それで世間は大騒ぎしたのであった。


 四人目は須藤の母親。母親が殺されたら容疑者から外されると思ったのであろう。
「……1番の目的はお母さんを殺すことだったんでしょ」
 シバがそういうと須藤は黙った。
「ストレートにいじめられた同級生を殺せば良かったのに、何故、関係のない同級生の大切な人を殺してカモフラージュしたんだ。……三人目の子供なんてまだ小学生だったのに」
「あの子の親が僕をいじめたからだ。」
「だからといって何も知らない子供を殺して……最悪だな。本当に鬼だ。お前はあの遺体を見たのか?そしてその遺体を見たお前の同級生、つまり親たちの泣き叫ぶところを見たか?!」
 シバが怒りを表した。須藤は笑ってる。
「お前に洗脳された彼女は……どんな思いで殺めたんだろうか……あんな小さな子を……」
 シバは拳をぎゅっと握り震えている。殴りたいのであろう、しかし殴ってはいけない。と堪えていた。
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