冬月シバの事件簿

麻木香豆

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目を覚ましたら白

俺の過去

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刑事である俺はいろんなことに巻き込まれたもんだ。

夫婦喧嘩の仲裁に入ったら妻の方が俺に包丁を突き刺したことや

検問中に慌てた運転手が俺を轢いたり

それは可愛いもんだ。


爆弾に巻き込まれた時もあった。流石にその時は死ぬかと思った。


あと、目を覚ましたら謎の箱の中に閉じ込められていた時もあった。
土の中に箱ごと埋められていた。

その時は真っ暗でわからなかったが、携帯を持っていた。犯人はバカで、電波通るところに埋めてくれたおかげで助かった。いまだに閉所は苦手だ。

あとは目を覚ましたら袋に入ってて、ゴミ捨て場に捨てられていた。


ん? 今か?


全面、白の雪山だ。


犯人の跡をつけていたときに後ろから何かが……。


スーツだけで寒さで目を覚ましたが、圏外だ。最悪。

この雪山は何だ?

ん? なにか硬いものが。足元に何か落ちている。掘り出すと







ゴルフボール……


ここはゴルフ場だ!周りに数個、ボールが落ちている。雪で隠れていた看板の雪を払うとホール5と。


絶望した。


ゴルフ場のホールは基本9ホール。歩くと言っても時間がかかる。てかこんな雪の中ゴルフやるやついるのか?


誰か、助けてくれ。凍えてくる。



雪が降ってきた。




歩いても歩いても白。





息も白く、手は赤く、鼻は冷たく。





もうダメだ。



白い雪山なのに一瞬で暗くなった。





◆◆◆









「今日はなにを思い出しましたか」

「雪山で彷徨っている時のことを」


部屋の中は真っ白。
目が覚めたら白、順応するまでに時間かかった。
もう何年も前のことなのに鮮明に思い出すものだ。


この部屋には俺と美人な精神科医だけだ。数回口説いただけで俺とこないだホテルに行ってくれた。ドSな彼女は最高だった。


相変わらず俺はいろんな女を渡り歩く。


刑事も辞め、妻とも離婚し、仕事も全て辞めてフラフラと転々と女のところを渡り歩く俺を見て兄貴が精神科をすすめてくれた。


「もう少し前のことを思い出してみましょう、まだあなたがセックス依存症になった経緯が掴めないわ」

そんなこと言われてもなぁ。俺は笑って美人な精神科医にキスをしてベッドに押し倒した。



おわり










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