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魔女と弟子
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青空の下一人の女性が歩いている。歩く度に彼女の足元にある枯れ葉が音を立て静かな森の中に響く。遠くから若い男の声が聞こえてくると、彼女は声が聞こえてくる方へと視線を向け柔らかい頬笑みを浮かべその声に返事を返す。
「…今日は早いのね?」
その問い掛けに男は満面の笑みを浮かべながら彼女の問い掛けに答えた。
「マリアさんに早く会いたかったっすから!」
「そう。…だけど、何も教えることなんてないわよ?」
「えっ?!そんなぁ。…今日もマリアさんに新しい魔法でも教わろうと思ってたんすけど、何も教えられないんてなんか残念っす。」
男の答えにマリアと呼ばれた女性は、早くに来てくれたのになんだか申し訳なさを感じたのか少し考える仕草をしてから男の目を真っ直ぐ見詰めながら提案をした。
「…じゃあ、これまで教えた魔法を私に披露するっていうのはどうかしら?」
「それいいっすね!ちゃんと覚えられてるか確認してもらうのに丁度良いですし!」
「決まりね。…それじゃあ、メアがどれだけ成長しているかおてなみ拝見といきましょうか。」
マリアのその言葉にメアと呼ばれた男は頷くと、静かに息を吐き全神経を集中させると手のひらに中くらいの火の玉を出しマリアに向けて投げ付ける。マリアは少し驚くが火の玉が自分に当たる直前に防御魔法で防ぎ少し余裕のある微笑みをメアに見せれば、メアはほんの少し口を尖らせ次の魔法を発動させる。
「……敵と対峙している時に拗ねるのはやめなさいと何度も言っているでしょう?」
メアの魔法が発動したと同時に、マリアは人差し指に水の玉を出すとにこりと笑いながらそう言うと人差し指を一度回転させてからその水の玉をメアに向かって投げ付け、メアはその玉から逃げるように避けながら先程発動させた魔法で木の根を操り水の玉を撃ち落としていく。
「…撃ち落とすのに夢中になっていると痛い目に遭うわよ?」
メアが水の玉を撃ち落とすのに集中しているのを見たマリアはそう言いながら、メアの頭上へと高く飛躍すると足を振り上げそのままメアの頭上へと落下していくがその言葉にメアが気付くと頭上から攻撃を仕掛けてくるマリアに少し驚くが、マリアが自分の頭を蹴り上げる前にその場を離れるがマリアは足を振り上げるのを止めメアが攻撃を仕掛けてくる前に、木の根を操りメアを追い詰めていきながら華麗に着地をする。
「……これは、お手上げっっす。」
木の根に追い込まれ身動きがとれなくなったメアは肩を落としながら悔しそうに呟く。メアのもとにゆっくり近付きながらマリアは肩を揺らしながら話す。
「これは、木の魔法よ?貴方の得意な火の魔法なら簡単に突破出来たでしょう?何故、お手上げしたの?」
「…う。火の魔法を使ったとしても水の魔法で弾かれたりしたんじゃ勝算がないと思ったんっす。」
「勝算がなかったら貴方はいつでも負けを認めるの?」
「それは、ないっす。」
「なら、諦めずに向かってこればいいだけの話よ。心のどこかでこの勝負は、戦いは負けを認めたほうが良いと思っているから弱気になるの。…いえ、勝ち負け関係なく負けを認めることが出来るのも偉いとは思うけれど、譲れない戦いにまで負けてしまっては貴方には何も残らない。」
「……そうっすよね。次回にその教訓を生かします!」
「…ふふ、そうね。次は私を負かしてみなさい。」
そう言って穏やかに笑う魔女は、にこやかに笑う若い弟子を見てもう教えることもないと思いながらも私が新しい魔法を教えるまで来そうだなと思ったのだった。
end
「…今日は早いのね?」
その問い掛けに男は満面の笑みを浮かべながら彼女の問い掛けに答えた。
「マリアさんに早く会いたかったっすから!」
「そう。…だけど、何も教えることなんてないわよ?」
「えっ?!そんなぁ。…今日もマリアさんに新しい魔法でも教わろうと思ってたんすけど、何も教えられないんてなんか残念っす。」
男の答えにマリアと呼ばれた女性は、早くに来てくれたのになんだか申し訳なさを感じたのか少し考える仕草をしてから男の目を真っ直ぐ見詰めながら提案をした。
「…じゃあ、これまで教えた魔法を私に披露するっていうのはどうかしら?」
「それいいっすね!ちゃんと覚えられてるか確認してもらうのに丁度良いですし!」
「決まりね。…それじゃあ、メアがどれだけ成長しているかおてなみ拝見といきましょうか。」
マリアのその言葉にメアと呼ばれた男は頷くと、静かに息を吐き全神経を集中させると手のひらに中くらいの火の玉を出しマリアに向けて投げ付ける。マリアは少し驚くが火の玉が自分に当たる直前に防御魔法で防ぎ少し余裕のある微笑みをメアに見せれば、メアはほんの少し口を尖らせ次の魔法を発動させる。
「……敵と対峙している時に拗ねるのはやめなさいと何度も言っているでしょう?」
メアの魔法が発動したと同時に、マリアは人差し指に水の玉を出すとにこりと笑いながらそう言うと人差し指を一度回転させてからその水の玉をメアに向かって投げ付け、メアはその玉から逃げるように避けながら先程発動させた魔法で木の根を操り水の玉を撃ち落としていく。
「…撃ち落とすのに夢中になっていると痛い目に遭うわよ?」
メアが水の玉を撃ち落とすのに集中しているのを見たマリアはそう言いながら、メアの頭上へと高く飛躍すると足を振り上げそのままメアの頭上へと落下していくがその言葉にメアが気付くと頭上から攻撃を仕掛けてくるマリアに少し驚くが、マリアが自分の頭を蹴り上げる前にその場を離れるがマリアは足を振り上げるのを止めメアが攻撃を仕掛けてくる前に、木の根を操りメアを追い詰めていきながら華麗に着地をする。
「……これは、お手上げっっす。」
木の根に追い込まれ身動きがとれなくなったメアは肩を落としながら悔しそうに呟く。メアのもとにゆっくり近付きながらマリアは肩を揺らしながら話す。
「これは、木の魔法よ?貴方の得意な火の魔法なら簡単に突破出来たでしょう?何故、お手上げしたの?」
「…う。火の魔法を使ったとしても水の魔法で弾かれたりしたんじゃ勝算がないと思ったんっす。」
「勝算がなかったら貴方はいつでも負けを認めるの?」
「それは、ないっす。」
「なら、諦めずに向かってこればいいだけの話よ。心のどこかでこの勝負は、戦いは負けを認めたほうが良いと思っているから弱気になるの。…いえ、勝ち負け関係なく負けを認めることが出来るのも偉いとは思うけれど、譲れない戦いにまで負けてしまっては貴方には何も残らない。」
「……そうっすよね。次回にその教訓を生かします!」
「…ふふ、そうね。次は私を負かしてみなさい。」
そう言って穏やかに笑う魔女は、にこやかに笑う若い弟子を見てもう教えることもないと思いながらも私が新しい魔法を教えるまで来そうだなと思ったのだった。
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