Cooking

星海輝

文字の大きさ
1 / 1

LETScooking

しおりを挟む
ある日の朝。家の中のどこからか、こんがりとベーコンの焼ける匂いが漂ってくるとリビングの隣の部屋から銀の髪は乱れ寝間着はジャージ。そして眠たそうな顔をした男性が出てくると、寝惚け眼をキッチンへと向け

「…おい、何してる?」

朝ご飯を作っている肩まである金髪に綺麗な青色の瞳、顔立ちは可愛らしく白のワンピースを着たまだ年端もいかない小さな少女に寝起きで機嫌の悪い声で問い掛けると

「イフリートに、美味しい朝ご飯食べてもらおうと思って、頑張って朝ご飯作ってるの!」

少女は、重たいフライパンを頑張って片手で持ちもう片方の手でフライ返しを持って、ベーコンをフライ返しを使って真っ白なお皿に移しながらイフリートと呼んだ男性の問い掛けに答えるが、イフリートは一瞬眉を顰めるも直ぐに勝手にしろと言いたげにそっぽを向き窓の手前に置いてあるソファーに座るとまだ柔らかい太陽の光を浴びて更に眠たくなってしまったのか目を瞑り口が少し半開きになり、そして、こくりこくりと船を漕ぎ始めた。少女は、そんなイフリートを見ても何も言わずただ愛おしそうに微笑むだけだ。それから、少女はベーコンをお皿に移し終えると籠の中に入っている卵を、二つ手に取り手慣れた手付きで卵を二つ同時に割るとフライパンの中へ落とし目玉焼きを作り始める。イフリートは、卵は半熟で食べるのが好きだということを少女は知っている為、半熟になるまで焼き続けると程良い柔らかさになってきたのでそろそろ良いだろうと思い先程ベーコンを乗せたお皿に目玉焼きを移し、トマトとレタスを空いたスペースに盛り付け終えると次に初めに作っておいたオニオンスープを温め直していく。

「ねぇ!イフ!イフのカップ届かないの!取ってくれない?」

温め直している間に、自分のカップとイフリートのカップを用意しておこうと思ったのだが、自分のカップは食器棚の左下の扉を開けると直ぐに取れるが、イフリートのカップは棚の右上にある扉を開けなくてはいけないのだ。小さな少女はいつも自分が使っている台を使って背伸びをしても届かない為イフリートにお願いをした。

「……ん?お前のカップで良い。もう一つあるだろ?」

イフリートは寝かけたところで話し掛けられたのでびくりと体を揺らしまた寝惚け眼を少女へ移すと、少女が自分のカップを持ち困った表情をしているのを見てそう答えると、少女は何か言いたそうにしたがやめて、温め直していたオニオンスープが少し沸騰しかけていたので慌てて火を消して、もう一つ自分のカップを取り出してからオニオンスープをカップへと注ぐ。注ぎ終えると、お盆を用意しベーコンや目玉焼きが乗ったお皿とオニオンスープが入っているカップをお盆の上に乗せ、お盆を持つとイフリートがいるソファーの前にある机まで運びそのまま机の上に置く。

「出来たよ」

優しく笑ってイフリートに言うと、イフリートは小さくお礼を言った後手を合わせ

「いただきます」

と、ちゃんと言ってからフォークを持ち目玉焼きから食べ始めていく。少女は、ちゃんとイフリートの口に合っているか不安なのかじっと彼の顔を見つめ続けていた。そんな少女の視線に気付き、彼は顔を上げ不思議そうに少女を見詰め小首を傾げると少女はほんの少し視線を下へ逸らし

「…ちゃんと、美味しく出来てるかな?調味料間違ったりしてないかな?」

不安そうに聞くと、イフリートは少し目をぱちくりと瞬きさせた後小さく笑って

「美味いよ。オニオンスープも、俺の好きな味だ」

少女を安心させる様な暖かい声で言うと、少女はほっとしたのか自分の分のオニオンスープを飲んで

「…良かった。少し、失敗したかと思ったから…」

ちゃんと自分の口でも美味しいことを確認するとそう言うと、イフリートは驚いたのかまた瞬きをすると

「なんてこった。お前、今日は美味いから良いが、不味く出来ても俺に出してたのか?」

少女の綺麗な瞳を見詰めて意地悪げに問い掛けると、ふるふると首を降ると少女はイフリートの真っ赤な赤色の目を見て

「そんな事しないよ!イフには、ちゃんと美味しいもの食べてもらいたいもの!だから、失敗したのは責任持って私が食べるよ!」

にこっと笑ってイフリートの問い掛けに答えた。イフリートは、その答えを聞くとほっとしまた少女が作ってくれた朝食を食べながら、いつか俺がこいつに飯でも作ってやろうと思うも料理を作る事が苦手な自分が料理を作ったらきっと不味いだろうからやっぱりやめだなと思った。少女は、気が早いが明日の朝食は何を作ってあげようかなと思いながらいつかイフリートと一緒に料理を作りたいなと思い、目の前に居る彼を見て愛おしそうに微笑んだ。それから、少女とイフリートは他愛のない話をしながら一日を過ごしたのだった。

end
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

処理中です...