君の好きな色

星海輝

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好きな色

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談話室の扉の隙間から光が漏れ、そして、中から話し声が聞こえる。

「…で?好きな色について話してたんだっけ?」

ドライが、確認する様に問い掛けると、隣に座っているアインが笑い過ぎて目元に溜っている涙を拭い乍ら頷いた。

「そうだよ!!好きな色について話てんのに話脱線し過ぎな!!!」

「そうですよ!自分達の好みのタイプ言ってそれでディスられてる場合じゃないんですよ!」

アインに続いて、ツヴァイがそう言うとドライはさっきの話の内容を思い出したのか吹き出して笑った。

「あっははは!!もう、さ、さっきの話は良いでしょ?も、もう、自分達の好きな色について話そう?」

ドライが、笑いを堪えながらそう言うと、アインとツヴァイはまた笑い出しそうになるのを堪えて自分達の好きな色を答えた。

「私は、桜色ですね。濃淡は、あまり気にはしないのですが、個人的にはほんの少し淡い色のが好きですね」

「桜色、か。良いな!オレもその色結構好きだぜ!…んと、オレは茶色かな?…なんか、ノインの事思い出す。まあ、変に落ち着くってのもあるけどよ」

「アインって本当ノインの事好きだよね?まあ、言ってるオレも人の事は言えないんだけどね。…オレの好きな色は黒だよ。恋人の事思い出すんだ。だからってわけじゃないけど、身に着けるものは黒系が多いかも…」

「皆思い入れのある色なんですね?…私は、単に桜が好きだという事も理由としては入っていますが、昔よく遊んでくれた近所ののお兄さんの目が綺麗な桜色をしていたんです。多分、そこから桜色を好きになったんだと思います」

「…あー、何?ホモ展開的な?それは、オレ望んでないわー」

「オレもー」

「…ち、違いますよ?!断じてそういう展開にはなっていません!」

「とか言って、ちょっと良い雰囲気になってあはんうふんな展開になったんじゃねぇの?」

「なってないですって!」

「ツヴァイ、顔真っ赤だけど大丈夫?嘘ついてない?」

「う、嘘なんてついてないです!」

赤くなってしまった顔を両手で隠すツヴァイを、ドライとアインは見ると何かあったんだなと思いながらもそれ以上は問い詰めずににこにこ笑っていた。

「……そういや、そろそろ花見しに行かねぇと桜散ってしまうな」

アインが、ちらりと窓の方を見てそう言うと、二人もそれに習う様に窓の方を見た。

「…もう散ってるけど、今日行けば間に合うかも!」

「そうですね。では、姫様に許可をもらってきましょうか」

「そうだね!折角だし皆で花見を楽しもう」

「んじゃ、姫さんに許可貰いに行くかー」

「「おー!!」」

そう言った後、三人はお姫様に花見をする為許可をもらいにお姫様の部屋に向かって行った。
 そして、花見は皆で楽しみ大いに盛り上がったのだった。

end
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