明日天気になあれ!

星海輝

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明日天気になあれ!

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朝目を覚ましたら頭がズキズキ痛むことに気付いた。
頭が痛いということは外は雨が降っているはずと思い、私はゆっくりと鉛のように重たい身体を起き上がらせ、そっとカーテンを開けると目の前にはまだ朝だというのに太陽を覆い隠す雨雲と真っ黒な空、そして、時々窓に吹き付けてくる風が雨粒を運んできては窓を濡らしていく。街を濡らしていく雨は一向に止む気配がない。私はひとつため息をすると、ベットから立ち上がり机の前に行き椅子を引いて座る。目の前にあるティッシュ箱から何枚かティッシュを乱雑に取りてるてる坊主を作る。

「うん!我ながら完璧っ!」

てるてる坊主を作り終えると私はドヤ顔をしながらそう独り言を呟いた。そして、窓際にてるてる坊主を吊るす。明日はいい天気になりますように、と願いながら。

「まあ、梅雨だから明日雨でも仕方ないけどね。」

私が肩を竦め苦笑混じりに小さく呟くと同時に、ほんの少しだけ雨の勢いが弱まったような気がした。私はまさかねと心の中で思いながらも明日晴れたら久し振りに好きな人のところに行こうと誓った。

end
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