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亡国ハイリア帝国の幼き姫君2
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私は、あの頃幼過ぎて何が起きているのか分からなかったがただ一つ子供だった私にも分かる事があった。それは、故郷がなくなるということだ。だが、当時私は6歳だった為どうしてこの国に二度と足を踏み入れることが出来ないのか分からないでいた。だが、今なら分かる。あの時、私が母の様に慕っていたアイリス王女に嘘を吐かれた事も。そして、その嘘がただひたすらに優しかったものだと言うことも、今ならちゃんと理解出来る。理解は出来るが、もし赦せと言われたら私は赦すことは決して出来ないだろう。そんな嘘など私は聞きたくなかったのだから。いや、あんな嘘だからこそ信じてしまったのだろう。そして、その嘘が幼い私にとっては安心出来るものだった。それだけの事に違いはない。あの時の嘘は今でもちゃんと覚えている。
「私は、貴女の前から居なくなることはありません。ずっと一緒に居ましょう。」
今でも時折思い出すと安心する。あの柔らかな微笑みで言われると何も言い返せなくなる上に本当にそうなのだと信じ込まされてしまう。それが、嘘であったとしてもだ。だから、私は、その言葉を信じていた。そして、アイリス王女が亡くなったと聞いた時、私は嘘吐きと叫んだ事も覚えている。アイリス王女だって好きで嘘を吐いた訳では無い事は理解していたが、私はアイリス王女を嘘吐き呼ばわりし勝手に嫌った。何故、そんな嘘を吐かねばならないのか考える余裕もなかった。
今思えば、その時から私の心には余裕がなかった。故郷を失くした私にとって安息の地など何処にもなかった。ただ、私と共に着いてきた二人には私の全てを曝け出していたと思う。いくら護衛だと言えど、国を追われた私にとって話し相手になってくれた二人には今でも尚感謝している。あの二人が居なければ私は今この国に居ないだろう。戦で死んでいった彼等の事を敬いそしていつの日か平穏な日々がくるその日まで戦い続ける事を誓おう。
アイリス王女が眠る国、ネメシス王国へ行けるのなら平穏な日々がやっと来たと伝えたい。あの時の嘘を赦せる様になって。
end
「私は、貴女の前から居なくなることはありません。ずっと一緒に居ましょう。」
今でも時折思い出すと安心する。あの柔らかな微笑みで言われると何も言い返せなくなる上に本当にそうなのだと信じ込まされてしまう。それが、嘘であったとしてもだ。だから、私は、その言葉を信じていた。そして、アイリス王女が亡くなったと聞いた時、私は嘘吐きと叫んだ事も覚えている。アイリス王女だって好きで嘘を吐いた訳では無い事は理解していたが、私はアイリス王女を嘘吐き呼ばわりし勝手に嫌った。何故、そんな嘘を吐かねばならないのか考える余裕もなかった。
今思えば、その時から私の心には余裕がなかった。故郷を失くした私にとって安息の地など何処にもなかった。ただ、私と共に着いてきた二人には私の全てを曝け出していたと思う。いくら護衛だと言えど、国を追われた私にとって話し相手になってくれた二人には今でも尚感謝している。あの二人が居なければ私は今この国に居ないだろう。戦で死んでいった彼等の事を敬いそしていつの日か平穏な日々がくるその日まで戦い続ける事を誓おう。
アイリス王女が眠る国、ネメシス王国へ行けるのなら平穏な日々がやっと来たと伝えたい。あの時の嘘を赦せる様になって。
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