婚約破棄されたら、隠しチートが覚醒しました。元婚約者? 今さら後悔しても遅いですよ♪」

ふわふわ

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第10話:魔物の脅威

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第10話:魔物の脅威

朝の空気がまだ冷たいうちに、村の警鐘が鳴り響いた。  
低い、重い音が辺境の森を震わせ、屋敷の窓ガラスを微かに震わせる。

ガヤルドが息を切らして屋敷に飛び込んできたのは、私が朝食の準備をしている最中だった。

「お嬢様! 魔物だ! 森からゴブリンの群れが二十匹以上、村に向かってきてる!」

セレナが悲鳴を上げ、マリエッタが顔を青ざめさせる。

私はすぐに立ち上がり、収納空間に意識を集中した。

「ガヤルドさん、状況は? 村人は避難させた?」

「ああ、子供と女どもは裏山の洞窟に避難させた。男どもは槍を持って広場に集まってるが……正直、勝てねえ。ゴブリンは武装してるし、数も多い」

私は頷き、すぐに屋敷の外へ出た。  
広場には二十人ほどの村の男たちが、粗末な槍や鎌を握って震えている。  
遠くの森から、ゴブリンの甲高い叫び声が聞こえてくる。

ガヤルドが私の隣に立ち、剣を抜いた。

「お嬢様は屋敷に戻ってろ。戦いは俺たちに任せろ」

私は首を振った。

「いいえ。私も戦います。私の力で、みんなを守るわ」

ガヤルドが驚いた顔をしたが、すぐに苦笑した。

「ふん……まあ、お前の“力”なら、なんとかなるかもしれねえな」

ゴブリンの群れが森から姿を現した。  
緑色の肌、鋭い牙、粗末な鉄の剣や弓を持った二十五匹。  
リーダーらしき大型のホブゴブリンが、先頭で唸っている。

村人たちが後ずさりする中、私は一歩前に出た。

「皆さん、私の後ろに下がって!」

収納空間から、まず大量の回復ポーションを取り出した。  
五十本の小瓶を地面に並べる。

「怪我をしたら、すぐにこれを飲んで!」

次に、現代知識で再現した武器──  
強力な火薬の代わりに、薬草と魔石を組み合わせた爆発物。  
小さな手榴弾のようなもの、十個。

そして、弓矢の代わりに、強力なクロスボウを五挺。  
矢は鉄製で、先端に毒を塗ったもの。

ガヤルドが目を丸くした。

「おい……こんな装備、どこから……!」

「説明は後よ! ガヤルドさん、このクロスボウを使って!」

ゴブリンが突進してきた。  
最初の一匹が弓を放ち、矢が私の近くに刺さる。

私は冷静に、手榴弾の信管を引いて投げた。  
ドカン!  
爆音とともに、ゴブリンの先頭五匹が吹き飛ばされる。  
緑の血が飛び散り、残りが混乱する。

村人たちが歓声を上げた。

「お嬢様、すげえ!」「一瞬で五匹!」

私はさらに手榴弾を投げ、ゴブリンの数を半分以下に減らした。  
ガヤルドがクロスボウで正確にリーダーを射抜き、残りのゴブリンが怯んで後退し始める。

しかし、そこに新たな脅威が現れた。  
森の奥から、巨大な影──  
オークだ。  
体長三メートル、棍棒を持った巨体。  
ゴブリンを従えていた親玉らしい。

ガヤルドが歯噛みした。

「くそ……オークまでか。こいつは俺でも一撃でやられる」

オークが咆哮し、棍棒を振り上げて突進してきた。

私は深呼吸し、収納空間に全力を注いだ。  
現代知識で思い浮かべたのは──  
強力な麻痺毒と、睡眠薬を組み合わせたガス弾。

さらに、巨大な網。  
魔物の狩猟用に設計された、鋼鉄のワイヤーでできたもの。

私はガス弾を投げ、オークの足元で爆発させた。  
白い煙が広がり、オークが咳き込みながら動きが鈍る。

その隙に、網を投げる。  
オークの巨体が絡まり、地面に倒れる。

ガヤルドが素早く飛び出し、剣でオークの首を突いた。  
巨体がドサリと倒れ、ゴブリンの残りが悲鳴を上げて森へ逃げていった。

広場に、静寂が戻った。

村人たちが呆然と立ち尽くし、やがて大歓声が上がった。

「お嬢様が勝った!」「魔物を追い払った!」「俺たち、生き残った!」

子供たちが洞窟から出てきて、私に抱きついてくる。  
セレナとマリエッタが涙を流しながら駆け寄った。

「お嬢様……無茶しすぎです! でも、すごかったです……!」

ガヤルドが剣を収め、私の前に跪いた。

「お嬢様……俺は、もう疑わねえ。お前の力は本物だ。この領地を、この村を、俺は命に懸けて守る。忠誠を誓う」

村人たちが次々と跪き、私に頭を下げた。

「ルーテシア様!」「我らの領主様!」「ありがとうございます!」

私はみんなを立たせ、微笑んだ。

「皆さん、ありがとう。これからは、もっと強くしましょう。魔物対策も、しっかり訓練して」

その夜、広場で勝利の祝賀会を開いた。  
私は収納空間から、大量の肉を取り出し、豪華なバーベキューを振る舞った。  
ステーキ、ソーセージ、焼き野菜、ビール風のジュース。

村人たちが歌い、踊り、笑い合う。  
ガヤルドも珍しく笑顔で、肉を頬張っている。

遠くの森から、隣国の方向を眺めながら、ガヤルドが小声で言った。

「あの魔物の群れ……普通じゃねえ。隣国のレーヴェンシュタイン公爵領の近くで、最近魔物が増えてるって噂だ。あの冷徹な“氷剣公爵”ギャラクシーが、視察に来るかもしれねえぞ」

私は少し胸が高鳴った。

「ギャラクシー公爵……聞いたことがあるわ。戦神と呼ばれる人ね」

ガヤルドが頷いた。

「ああ。黒髪に青い瞳、冷たい顔した美男子だ。だが、剣の腕は本物。魔物を一掃するって話だ」

私は夜空を見上げた。

(隣国の公爵……来るなら、歓迎しましょう。  
私の領地を、見せてあげる)

胸の奥で、力がまた脈打った。

【スキル進化】  
【戦闘補助スキル獲得】  
【民衆支持率最大】

魔物の脅威を乗り越え、村は一つになった。

私の領地は、確実に強くなっている。

そして、新たな出会いが、近づいている予感がした。

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