婚約破棄されたら、隠しチートが覚醒しました。元婚約者? 今さら後悔しても遅いですよ♪」

ふわふわ

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第19話:王国の異変

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第19話:王国の異変

王都アルテイシアの王宮は、かつての華やかさを失っていた。  
広間では貴族たちのざわめきが絶えず、レオニード国王の表情は厳しい。  
エティオス王太子は玉座の傍らに立ち、苛立った様子で報告書を睨んでいる。

「また魔物の襲撃か……今度は東部の村が全滅だと?」

重臣の一人が頭を下げて答えた。

「はい、殿下。ワイバーンとオークの群れが、突然国境から侵入。守備隊も全滅です。原因は不明ですが、魔力の乱れが激しいようで……」

エティオスは拳を握りしめた。  
婚約破棄以来、王国は不運続きだった。  
最初は小さな魔物騒動。  
それが次第に大規模になり、経済も打撃を受けている。  
畑は不作、貿易路は危険で商人たちが離れ、税収が激減。  
民衆の不満が高まり、王宮前でデモすら起き始めていた。

「ソアラの癒しの力があれば……」

エティオスが呟くと、周囲が静まった。  
ソアラ・リンドール、平民出身の聖女候補。  
彼女の「純粋な」癒し魔法が、実は計算されたものだったと気づいたのは最近だ。  
魔物の乱れは、ソアラの力が不安定だからだと、重臣たちが囁き始めた。  
彼女の魔法は表向きは優しく見えるが、魔力を無理に抑え込んでいるせいで、周辺のバランスを崩しているらしい。

ヴァーソが、ソアラの隣で不安げに言った。

「殿下、ソアラ様の力があれば、きっと解決しますわ。でも……最近、民衆がルーテシア姉様の噂を……」

エティオスが顔をしかめた。

「ルーテシア……」

そう、すべてはルーテシアの不在から始まった。  
彼女のチート──いや、知識と力──が王国を支えていたことに、今さら気づいた。  
彼女がいた頃は、薬の供給が安定し、魔物の対策も万全だった。  
婚約破棄で追放したせいで、王国は衰退の一途を辿っている。

レオニード国王が重い声で言った。

「エティオス。あの娘を呼び戻せ。ルーテシアの力が必要だ」

エティオスは歯噛みした。  
「父上……しかし、彼女はもう……」

内心で、後悔が渦巻く。  
ソアラを選んだのは間違いだった。  
彼女の「純粋さ」は、ただの計算高さ。  
王宮の権力争いで、ヴァーソと組んで貴族たちを操っている。  
ルーテシアの冷静さと力強さが、今になって恋しくなる。

一方、辺境の私の領地では、穏やかな朝が訪れていた。  
カフェで朝食を振る舞い、村人たちの笑顔を見ながら、私は王都の異変を耳にした。  
商人の旅人から、魔物騒動と経済危機の噂。

「王都が大変らしいですよ、お嬢様。聖女様の力が効かないって」

私は微笑んだ。

「そう……でも、私たちはここで幸せよ」

ギャラクシーが隣で、私の手を握る。

「王国がどうなろうと、君はここにいる。僕が守る」

彼の青い瞳が熱く、私を捉える。  
ヤンデレの守護が、心地いい。

王都では、エティオスが独り、窓から外を見つめていた。  
ルーテシアの笑顔が脳裏に浮かぶ。

「ルーテシア……お前がいないと、王国は……」

後悔が、胸を締めつける。

王国側の崩壊が、始まっていた。

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