大人気ダンジョン配信者のサポーターをやっていたけど、あまりにパワハラが酷いから辞めることにする。ん? なんか再生数激オチしているけど大丈夫?

空松蓮司

文字の大きさ
37 / 77

第37話 女子対決

しおりを挟む
 葉村と飯塚が戦っている地点から離れること700メートル。
 一色は成瀬の雷撃を躱しながら廃墟地を走っていた。

「さっきから何なのよ! 逃げるなって!!」
「……」

 一色は廃墟の中に逃げ込む。成瀬も一色に続いて中に入る。
 一色は壁を背に成瀬と向かい合う。

「やっと追い詰めたわよ。これでもう逃げられないわね」
「逃げる? 何を言ってるの」

 一色の白い珠肌は僅かに赤みを帯び、その瞳は奈落の底のように真っ暗だ。

「私はただ、あの人に見て欲しくなかっただけ……これから見せる、私の姿を……」
「あの人? 誰の事よ」
「ずっとあなたには怒っていた。彼を……彼の能力を過小評価し、虐げて、利用してきたあなたを……私は許さない」
「何言ってるか聞こえないのよクソ陰キャ!!」

 成瀬は肘と膝を曲げ、剣を持つ手を引く。

(突きのモーション。正面危険)

 一色は体を横にスライドさせ、成瀬から軸をずらす。
 放たれる突き。剣の先から雷撃が飛ぶが、雷撃は先ほどまで一色が立っていた位置を通過し、廃墟の壁に突き刺さる。

「すばしっこいわね……」

 成瀬は剣を振り、雷撃を飛ばす。

「【光点軌盾】!」

――雷刃。

 薙ぎ払いのモーションと同時に半円の雷撃を飛ばす技。
 一色は光の壁で防ぐが、1撃で壁にヒビが入る。

「ほらまだまだぁ!」

 雷刃の連撃。光の壁は2撃目で破壊される。
 3撃目は屈んで躱し、

「【土流砂】!」

 土と砂の波を出す。だが、

「小細工ね!!」

 成瀬は突きを繰り出す。

「雷槍!」

 雷のビームが土と砂の波に巨大な風穴を空け、左右に散らせる。

(葉村くんは成瀬美亜を雑魚扱いしていたけれど、やっぱり1サポーターじゃ厳しい相手。ふふふ……やっぱり葉村くんは凄いな。この相手に100%勝てるって言えるんだから。私も頑張らなくちゃ)

 一色は右手を成瀬頭上の天井に向ける。

「【飛燕爆葬】」
「はぁ!?」

 天井に炎の鳥をぶつけ、爆撃する。

「【飛燕爆葬】」

 続けてまた炎の鳥を成瀬頭上に放つ。炎の鳥は天井の穴を抜け、さらに上層階も破壊する。

「ちょっとアンタ、何してんのよ!」

 降り注ぐ瓦礫。成瀬は避けきれず、瓦礫の雨を浴びる。

「馬鹿ね。こんなの、シーカーなら全然耐えられる――」

 油断した瞬間、成瀬は膝を崩した。
 成瀬は気づく。自身に当たった瓦礫に、魔法陣が張り付いていることに。

「え……?」

 成瀬にまた瓦礫が当たる。すると瓦礫に魔法陣が発生し、成瀬に加重魔法を施す。

「なに、これ……!?」
(この廃墟はさっきまで私が隠れていた所。上層階の床、壁、そこら中に【印加重】を施してある。【印加重】が施された瓦礫が当たれば当然、体は重くなる)

 成瀬は重くなった自重に耐え切れず、両膝を床につける。

「魔法……!? 魔法の効果はこのマントが防いでくれるはずじゃ……!」
「アンズーの毛皮は魔法に強い耐性はあるけど、ただの物理攻撃には耐性はない。瓦礫を喰らってビリビリになれば、その隙間から魔法効果をねじり込める」

 瓦礫によるマント破壊→魔法発動という順序を踏むため、この瓦礫と【印加重】とコンボならアンズーのマントは突破できる。

「【拘束釘弾】」

 一色は詰めの一手として、12本の黒い楔をマントの隙間に放つ。成瀬は全身に楔を打たれ、移動を封じられる。

「う、動けない……!!」
「【月華雷】」

 一色は雷撃を成瀬のオーパーツを持つ右手に放ち、オーパーツを弾き飛ばす。
 これで、詰み。

「う、ぐ……! こんな拘束力づくで……!」
「それは無理。あなたはオーパーツの補助効果に甘えて筋肉トレーニングも強化術もロクにやってない。あなた程度の身体能力じゃそれを破るのに3分はかかる」

 一色は成瀬に近づき、右手を向ける。

「言っておくけど、私は葉村くんに比べたら遥かに劣る。私に負けたあなたは、葉村くんにも絶対に勝てない」
「なにを知ったようなこと言ってるのよ! アイツのことを1番理解しているのは私! アイツが私に勝てるわけないでしょ!」
「……話にならない。こんなの相手によく半年も一緒にいれたものだね……葉村くんは」

 一色はため息をつき、

「【飛燕爆葬】」

 火炎の鳥を右手の前に作る。

「嘘、でしょ。それを、私にぶつける気……!?」
「少しは反省して」

 廃墟に爆音が鳴り響く。





―――――――

面白かったらお気に入り登録&ハートの付与お願いします!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

処理中です...