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魔王の過去編

最悪の…

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 アウラ「初めて亜美様会った頃とは印象違いますよね~」
 亜美「あはは~あの頃はちょっとこっち来る前に色々とね・・・」
 正直ここに来なかったら恐らく自分は死に向かって身を投げていたかもしれない
 ミウラ「ここで暮らされた方が辛くないですよ?」
 亜美「まぁ・・・そうなのかもね・・・」
 私はここに残ろうかと思っている
 皆優しいし、何より仲間がいる
 あの世界に戻ったところで私の居場所は恐らくない…
 それに戻ったところであいつらにまた虐められるだけなのだ…
 それならここに住んだ方がいい…そう思う自分もいる
 私はこの世界の人間ではないから帰らなければという自分もいる
 どうしたらいいのだろうか…
 そうしているうちに準備は進み
 アウラ「では私達は先に会場に言っております・・・」
 ミウラ「亜美様またねー」
 二人は私より先に会場へ向かう
 私はフレアと共に行こうと約束していたので彼女を迎えに行く
 亜美「フレアー準備できた?」
 返答は無い…
 先に行ったのかな?
 そう思いながら彼女のいる部屋を開ける
 まぁ一応確認しておきますか…
 亜美「入るよフレア~」
 ドアを開け部屋に入ると一面血が飛び散りその中心には血だらけのフレアが倒れていた
 亜美「フレア!」
 返事が無い…
 彼女の元へ行き呼吸を確認するが息をしていない…
 亜美「癒しの心を・・・ヒール」
 死なせない…
 亜美「ヒール・・・ヒール・・・ヒール・・・ヒール・・・」
 治れ…治れ…治れ…治れ…
 わかってはいるもう彼女が死んでいるだが受け入れられない自分がいる
 「お願い・・・目を覚まして!!」
 やがて私の魔力も底をつき持っていた魔力回復薬を飲んだところで
 ルイ「亜美!?」
 亜美「フレアが!!」
 ルイもこちらに駆け寄る
 ルイ「何があった!?」
 亜美「わからない!私が着替え終わってみに来たら・・・」
 兵士「何をしている!!」
 亜美「!?」
 騎士団の人達が現れる
 彼らは私が血まみれでフレアを抱えているのを見て
 騎士団「勇者亜美!貴様をフレア暗殺容疑で拘束する!」
 亜美「・・・は?」
 意味がわからない
 ルイ「待ってくれ!彼女は親友だぞ!殺すはずが無い!」
 騎士「とりあえずしばらくは牢でおとなしくしておいてもらう!」
 亜美「嫌です・・・私はここから動きません!そっとしておいて!!」
 騎士団は少し怯んでいた
 騎士「駄目です!貴方は容疑が掛かっておられるので!」
 亜美「どうしても?」
 騎士「そうです!来ていただきましょう!」
 騎士が近づいてきて私の手を掴もうとする
 亜美「ふん!」
 掴もうとした騎士が吹っ飛んでいく
 騎士「何をする!」
 亜美「うるさい!しばらく放っておいて!」
 ルイ「どうかそっとしておいていただけませんか?」
 「ならん…」
 ルイ「騎士団長!」
 私達の前に普通の男の三倍ほどの大男が現れる
 亜美「バッカス…」
 バッカス「勇者亜美…貴様は国家を転覆するつもりだな?」
 冗談にしては意味がわからない
 亜美「この状況で意味の分からないこと言わないでくれる?」
 バッカス「言い訳は良い…とにかく来てもらおう…」
 亜美「だから私は…」
 「相変わらず人の話を聞かないのは悪い癖だぞ…バッカス…」
 騎士団副団長ラウラが現れる
 バッカス「副団長が私に意見するか?」
 ラウラ「私より弱いくせに出世欲だけは一人前か?」
 バッカス「ではお前に命令を下そう…こいつらを拘束しろ」
 ラウラ「お前が私に命令するな…私は強い奴の言うことしか聞かん」
 バッカス「お前も仲間というわけか…」
 ラウラ「何?」
 バッカス「お前たち!こいつらを拘束しろ!」
 ラウラ「ほう…面白い…」
 ラウラが人睨みすると半分以上気絶した…残りはビビって動けないみたいだ…
 ラウラ「もっと骨のあるやつはいねぇのか?お前の配下は…」
 バッカス「くそ!なら俺が相手を!」
 剣を抜く瞬間彼女はバッカスの首に剣を突きつけていた
 ラウラ「なぁバッカス…これだけは約束しろ…」
 バッカス「な…なんだ!」
 ラウラ「私達以外この部屋の立ち入りを禁ずる」
 バッカス「そんなの聞ける訳…」
 ラウラ「じゃあここで死ぬか?」
 ラウラの目は本気だった
 彼女はやると決めたら躊躇いなく持ってる剣を振り下ろすそういう人だ
 バッカス「うぐ…わかった…その代わりお前にはこいつらの監視を命ずる!それでいいか!」
 ラウラ「いいだろう…もとよりそのつもりだしな」
 ラウラは私の方に近づき
 ラウラ「行くぞ…」
 亜美「嫌だ!例え貴方でも!」
 ラウラ「これ以上は譲歩出来ん!」
 それでも私は引き下がる訳にはいかなかった一刻も早く証拠を…
 亜美「嫌!」
 私はラウラの引く手を弾く
 彼女はため息をつきながら
 ラウラ「許せ…」
 声と共に私は意識が途絶えたのだった
 
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