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勇者から魔王へ

新魔王軍始動

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 亜美「それでどうするの?」

 言いたいことをラウラに言うだけ言って落ち着いたのかこちらの方を見る

 蒼「それは…僕はこれ以上異世界で犠牲になる人を防ぎたい…」
 亜美「それは難しいと思うわ」
 蒼「それはなんで?」
 亜美「勇者は魔法陣から召喚するのだけど…召還している場所は毎回同じではないという点よ」
 蒼「え…違うのか?」
 亜美「貴方はどこで召喚された?」
 蒼「僕は洞窟で召喚されたルア洞窟だ」
 亜美「私は森の中…デミア大森林」

 ばらばらってわけか…なら召還については妨害は難しいな

 亜美「それにこの世界には人間だけの召還ではないみたいなの」
 蒼「人間だけではない?神か何かなのか?」

 この世界の神の遊びで僕たちをもてあそんでいる可能性が出てきたな
 もしそうならこの世界に干渉してくる可能性がある
 下手な動きはしない方が良いな…
 この世界を見られていては動き過ぎると危険視され、動きづらくなる
 まずはこの世界にどのくらい干渉できるかだな…
 もし、召還者と意志疎通程度の干渉や召還者の視界しか見られないのであれば動きやすくはある
 全体見られてはまず干渉できないようにしなくてはならない
 情報が少なすぎる

 亜美「聞いてるの!」
 蒼「あ、あぁ…すまない…」
 亜美「全く!もう一回説明するのは面倒だから簡潔に言うとこの世界で召還者を無くすなんて不可能なのよ」
 蒼「だったら保護が最優先になるか…さっきの人間だけの召還ではないと言っていたな」
 亜美「えぇ…人による場合もあるし神の場合もある…神の場合の転生者を見てきたわ」
 蒼「神の転生者はどんな奴らだった?」
 亜美「普通に良い人たちだったわ…私もその神と結託してるけど呪いは消えてないのよ…」
 
 魔王因子とかなのだろうか…
 破壊衝動が押し寄せて来る呪いだとか…

 蒼「僕はあれで契約したことになるのか?」
 亜美「うんうん…私はその神結託したけどあなたには何も干渉が無かった…多分殺されること若しくは魔王を倒して呪いを引き継いだ時に上書きされる仕組みなんだと思うわ…この剣は縛り付ける者を解き放つ剣…」
 蒼「すごいな…こんなのどこで…」
 亜美「逃げ先のとある転生者のものとだけ言っとくわ…」
 
 この剣についてはなるべく秘匿したいのだろう
 
 蒼「とりあえず僕は一度戻るよ…皆はここに残ってくれ…」
 
 皆状況を察してか頷いて僕はその場を去り…王国へ向かう
 裏切るのなら容赦はしない…例え神であろうと…
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