反転の書〜異界の扉が開いた現実世界を生きるという事

Fragment Weaver

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宇宙からの新参者

生存者

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周囲都市一帯の住民を巻き込む大規模な変異現象の災禍を逃れた僅かな人々も、変異現象の犠牲となり地球上のどの生物とも掛け離れた異形の四足獣となったかつての近隣住民達からの逃避行を余儀無く迫られた。
「クソッ!クソッ!何がどうなってやがる!」筋肉質の厳つい体躯をしたノーヘルでバイクに跨ったビジネスマン風の男性がフルスロットルでエンジンを吹かしながら悪態を吐く。
日頃仕事で忙しい彼は家族と連休を楽しむ為随分以前から入念に旅行計画を立ててこの日妻や娘達と連れ立って、ボーナスを叩いて購入した自慢の愛車であるキャンプカーでバーベキューを愉しむ筈であった。
だが、突如襲った生物の群体の襲撃の混乱で逃げ惑う人々に揉まれる中で一家は離散し、妻や娘達を探す事も出来ぬまま道端に転がっていた誰かのバイクを拾って着の身着のまま周囲の人間を追跡し捕食し続ける未知の生物から決死の逃避行をしている。

四足獣達は、殻のような硬質の外皮と昆虫のような複眼や鋭い牙を複数備えた頭部を持ち、テレビでよく見るチーターのようにしなやかかつ俊敏な動きで人を襲って捕食していた。彼等は捕らえた人々を丸呑みにはせずに、その牙で生きた人間を魚のように裁断し、マグロや牛の解体ショー宜しく肉や内臓を細かく爪で剥ぎ取っては団子状になるまで捏ねまわし、丁度人間の片手に収まる程度のサイズにしてから咀嚼し出すという習性を持っていた。
その様子は見たものが卒倒する程悍ましく、しかし別の機会に生物学者がその様子を垣間見る事があれば、或いは学術的な興味を引き出すかも知れないぐらいどこか人間臭かった。道端で犠牲者の骸を見る機会は幾度もあったが、肉片一つ余さず綺麗に平らげられた骸は、そのどれもが例外なく頭蓋をこじ開けられ、。その様を思い出すだけで男は身の毛がよだつ思いだった。
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