反転の書〜異界の扉が開いた現実世界を生きるという事

Fragment Weaver

文字の大きさ
105 / 118
光学都市と魔石の書

純化と浄化

しおりを挟む
 かつて、心とはその物質的実相がどうであれ、社会的な建前としてはいついかなる時でも個人が所持する事を許された数少ないものであった。
心に思い描く事に誰かが口を挟み、介入する為には、それを引き出し吐き出させるよう誘導するプロセス無しには干渉すら出来なかった。しかし、現在の社会においては心は実社会によって定義された目的達成を阻むノイズでしか無い。
星系ネットという文明の利器を得て、個を超越した有機的生命としてより強固かつ効率性の高い手段によって情報的に思考を結合するようになった人類は遂に新たな段階へと至った。

だが、よりイノベーティブな活動を行う為には、個人の感傷的で傷付きやすい人格は足枷にしかならないと、この時代の最高権威である人類の知識を集積した最高の頭脳によって結論付けられたのだ。

確かなデータの集積に基づいた実証主義こそ、何よりも優先すべき実体ある唯一の真実である。その真実を集積し、人類最後の末神の名を与えられしAIこそは、全ての人類の道標となりうると、彼は言った。

 かつて人種主義や血統主義と言った無知から来る愚かな文化は彼等の啓蒙によって消滅した。
だが、それでも人々から争いと分断を取り除くには不十分であった。個人がそれぞれに有する未熟極りない感性や、情動と言ったものが人類の知的レベルを著しく劣化させていたのだ。
故に我々は未熟な病巣である心という腫瘍を浄化し、最終的には切除しなければならないと当代最高の頭脳を有する彼はそのように判断したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...