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変わる世界

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「それは……」
国王がうつむき、言いずらそうに話を始める。
それは、この世の中が、地位によって支配されることだった。
一人一人にそれぞれ地位を儲け、世の中の全てが地位によって変わるというもの、
買い物も、上下関係も.......全てが地位で表される。
月一で、一定の地位が補給される。こんな、制度だった。
「でも、他の国は.......」
あしなが聞くと、国王は、全世界で決まった。と、一言呟いた。
世の中が変わる。
衝撃が脳裏に走り、何も考えられない。
「私は、一体.......」
言葉すら続かない。戸惑うあしなに、神王族が答える。
「アナタハ カミ」
何もかも入ってこない。今まで、いい日ばかりではなかった。でも、楽しい日々だった。
それが一瞬にして、変わると思うと、複雑な気持ちだった。
突然神王族が、触れてきた。
「な、なに!?」
驚いた。
「申し訳ないです。神よあなたは、この世の神なのです。」
「え、言葉が、?」
戸惑いしかない。突然言葉がわかりやすくなったのだ。
「はい。神に触れる事で言葉は、わかりやすくなるのです。神の力なのです。」
言葉遣いは、変だが、カタコトではない。
「か、神って、まだ、イマイチ理解が、地位が出来たら私いったい。」
聞いてみた。
「神は、誰よりも上です。我々よりもこの世の、誰よりも。神に地位はございません。正確には測りきれないほどの地位がございます。」
イマイチ理解出来ない。
どうやら、誰よりも上。これが絶対なのだろう。
「生活は、いままでと、変わらないよね?」
聞いてみた。答えにくそうに神王族はいう。
「変わります.......神は絶対。神は神としての仕事等があります。」
やっぱりな、正直そう思った。嫌だ。そんな気持ちばかりだ。
「神にならないとダメなの?」
「はい。申し訳ないです。」
融通が聞かないらしい。いくら絶対とはいえ、それだけは聞けない融通と、いう訳だ。
「分かった.......ただ、」
ダメもとで頼んでみた。そう、神の仕事はするから。少しの間みんなには隠し、普通に生活がしたいと、
神王族は、悩んだ。
「分かりました。神の仰せのままに。仕事はお願い致します」
まさかの承諾。
「ただ、期間は2ヶ月です。」
短いな、そう思ったが、仕方ない。この融通がきくだけ、ましだ。
2ヶ月後、みんなに、話さなければならないみんなとのお別れ。
あしなにとって、それだけが何よりの苦痛だ...
ああ、嫌だな。
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