地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき

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俺はほんとにここに居てもいいのか不安になった。


(だって、俺は高校生で授業料とか食費とか諸々お世話になってるし、このままだとお金の負担をかけちゃう····。)


両親が残してくれたお金はそれなりにあるが、晴子さん達はそれを「将来に使って」と言って、受け取ってくれない。


(このままは、良くないよね。)


「あの、晴子さ「あ!皇起こさなきゃ!」」


「零君、皇起こしてきてくれる?」


「はい。」


(また、言えなかった。)


俺は晴子さんに言われた通りに皇の部屋に行った。


「皇~?」


そこには布団にくるまって丸くなった皇の姿があった。


(まだ、寝てるのかな?)


「皇?朝だよ。」


「んん····零にぃ?」


「うん。おはよ。」


皇は俺の姿を見るなり勢いよく飛びついてきた。


「零にぃ!おはよぉ!」


「おはよう。皇。さ!下へ行こっか!」


(律と比べて断然朝に強いな。)


俺は立って部屋から出ようとした。


すると、ギュッと俺の足に何かが抱き着いてきた。


(ん?)


「皇?どうしたの?」


そう聞くと、皇は少し恥ずかしそうに、


「だ、っこ······がいいの······」


と言った。


(はぁぁぁぁぁぁあああ!)


(可愛すぎる!)


「良いよ。はい。」


すると、皇はギュッと俺の首に手を巻いた。


「ふふふ、零にぃあったかいね。」


「そうか?皇もあったかいよ?」


そうして俺は皇を抱っこしたままリビングへ向かった。


リビングでは律と涼太さんが朝ごはんを食べていた。


「あ!零君ありがとう!!」


「いえ。」


「じゃあ、零君も朝ごはんにして!」


「ありがとうございます。」


椅子に座りご飯に手をつける。


(美味しい。)


今日の朝ごはんはパンとキッシュとスープだ。


俺が朝ごはんを満喫していると、


「ねぇ、零。」


律が話しかけてきた。


「何?」


「今日、零なんかあんの?」


(今日、今日か·······)


「いや、特にないけど、髪切りに行こうかなって。」


「そ、っか。」


そう言って律はまたご飯に手を伸ばす。


「どうして?」


「今日さ、俺部活じゃん。······見に来て欲しいなって·····。」


「え?」


「ダメ、か?」


「ダメっていうか·····」


(そもそも部活って、部外者が見に行ってもいいの?)


すると、話を聞いていた晴子さんと涼太さんが盛り上がった。


「良いじゃないか!零君さえ良ければ行ってみたらどうだ?」


「え·····」


「そういえば、零君もバスケやってたわよね?それも強かったよね。」


「そうなの?」


律が話しに食いついてきた。


まぁ、俺は中学の頃男バスのクラブチームで副キャプだった。


強かった事もあり、試合には出ていたけどそこまで活躍はしていなかった。


(ような気がする。)


"洛北"という所でやっていて全国大会でも何度か優勝している。


(今も、だけどね。)


(まぁ、生憎そのチームにも腐男子は居たな。大半がそうだったけど。)


でもみんなバスケが大好きで暇さえあればバスケって感じの普通の中学生だ。


俺は高校に入ると同時にバスケはキッパリやめた。


(今更、なんだけどな····。)


「どうだ?零君。」


「零君どお?」


「零。」


ちょ、3人してそんな顔で見ないでくれ。








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