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1章

four

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 「ん····んぁ、」

(もう朝か·······)

スマホを手に取り時刻を確認すると、

「···え?えぇぇえええ!?」

(やばいやばい!もう9時じゃん!)

流石に寝過ごした、休日でも8時までには起きて朝食作りを手伝う予定だったのに!!

滑るように階段を降りた。

ドアを開けリビングに駆け込む。

「!あ、珀兄!」

「お、おはよう寝坊助さん。」

「うぅ····おはよう。ごめん!」

「いいって。はい、ご飯出来たから歯磨いて来な?」

「はい·····」

*****

「あ、そうだ。朔、今日暇か?」

「え、うん。」

「ちょっと着いてきて欲しい所があるんだけど一緒に来てくれない?」

「まぁ、良いけど。」

「ありがと。」

珀兄が行きたい場所····だめだ、アソコしか思いつかない。珀兄は大のお酒好きだ。だから、朝飲みする事もたま~にある。えぇ~まさかそれに?勘弁。

「洗い物は俺するよ。」

「ダメ。」

「なんで!?」

「なんでも。」

グイッ

「わっ!ちょ、離せ。」

珀兄は俺の体を軽々と抱き上げ俺の部屋へ連行した。

「もう行くから着替えなさい。」

オカンかよ···笑

「は~い。」

ん~今日は何を着ようかなー。


悩みに悩んだ末、白Tシャツにデニムパンツ、黒の半袖シャツにした。

(シンプルが1番良きだろ。)

俺の服装は普通だ。派手でもなく地味でもない。誰もが着そうな服装。


ピコン

(LINE?珍しいな。)

ロック画を見ると、そこには尚兄から連絡が来ていた。

尚兄はのちのち紹介する。

返信しようか迷っていると、

「朔?もう行くぞ。」

「おけ」


靴を履き出掛けようとしていたら、

ドタドタッ

「ちょ、珀!俺も朔と行きたいとこあるんだけど!」

寝起きの葵兄が降りてきた。

「ダメ~。早い者勝ちです!」

(良い年した大人があっかんべーって·····)

「じゃあ、俺も一緒に行く。」

「おはよう。葵兄。」

「あぁぁ!おはよう!俺の可愛いマイブラザー!」

「ちょ、近い!」

葵兄は人との距離が近い、と思う。昨日は合コン?に行ってて居なかったけど。
彼女何人もいるらしい。噂だけどね。

「ていうか、楓兄は?」

「楓?まだ寝てるよ。」

「ちょ、楓兄1人にしたら面倒臭いことになるじゃん。」

楓兄は1人が極度に嫌い。前、家に俺と楓兄だけだった時がある。その時に俺がコンビニに甘い物買いに行った。たったの10だけ。

家に帰るとグズグズと泣いている楓兄がいた。その後嫌という程抱きついてきた。それに離してくれ無さすぎてトイレにまで着いてこようとしたからね!

「まぁ、大丈夫だら。」

(こいつ···。楓兄と一緒に居ることが少ないからって······)

「楓兄の甘えは全部俺に来るからやめて!」

「そうなの?じゃあ、俺もこれから朔にだけ甘えよう~っと!」

「いいな、俺も。」

「な ん で!」

(はぁ、もう。)

「そろそろ行k····」

その言葉を遮るように楓兄が降りてきた。

(oh......デジャブ)

「え?出掛けるの?ずるい!俺も!!」



その言葉通り楓兄は相変わらずのセンスでめっちゃかっこいい服を着て現れた。

おい、なんで2人も増えたんだよ·····。

(えぇ~、葵兄達が居るなら行きたくない。)

「あ、あぃたたた。ごめん。俺腹痛で···ちょっと寝てくる。」

そう言って逃げようとした。だけど、

「おい?朔?1人だけ逃げるつもりだろ?許さねぇよ?」

「············」

(俺は!目立ちたくないのぉ!!!!)

結局4人で出掛けることになった。
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