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1章

eight

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「ふっ、···ん、っん、んぁおぃ、にぃ」

俺は今葵兄に舌を入れたキスをされている。

(な、なんでこうなったぁぁぁぁぁぁ!)

それは遡ること5分。

*****

「で?尚に何された?」

「な、何も······」

なんか、バレたらやばい空気になってる!

(なんとか、嘘を貫こう。)

「はぁ。朔は分かりやす過ぎ。朔は嘘つく時必ず目をそらすんだよ。」

(う、うそ!?じゃあ、俺の嘘もずっと分かってたってこと?)

だったら····

「だったら質問形式にしないでよ!嘘ついてる俺が恥ずかしいじゃん!」

(言ってくれよォ······。マジで恥ずかしいじゃん。)

俺がそう言うと葵兄は壁に俺をドンしてきた。まぁ、所謂壁ドンと言うやつだ。

(わぁー。こんな事人生でされるなんて思ってもなかったわ。)

普通こんなイケメンに壁ドンされたらときめくだろうけど俺には通用しないからな!

*****

そして、今に至る。

「んん!やぁ、っ!ふっ、んん···あ··。」

(な、長いんだよ!息が持たない!)

それにやけに葵兄はキスが上手い。
まぁ、元々色んな面で器用だしな。

「朔。尚になんて言われた?」

(嘘つきたいけど、ついたらすぐバレるしな······。)

「····尚兄から、は、お兄達が、俺の事をレンアイデスキ·····って言ってた!な、なんて嘘だよね!?」

(どうか嘘であってくれ!!)

「ふぅん。·····尚の奴もう言ったのか·····。」

「·····え?」

(そ、その反応って··)

すると、葵兄は小さい子供のように悪戯な笑顔をしてまさに言った。

「うん。尚の言う通り俺達兄弟は朔の事をでの好きだよ?」

(で、······デスよね!?ははっ!)

なんかもう可笑しすぎて笑えるわ!
じゃあ今までそういう目で見てたってこと!?

(·······って事はお兄達は男が好きなの?)

そんな疑問を頭の中で考えていると葵兄は全てを見透かしたように、

「別に男が好きってわけじゃないよ。だよ?」

「へ、へぇ······」

(やべ、なんて反応したら良き?)

お兄達の事を俺はで見たことが無いからどうすればいいのか分からない。

「俺達はね別に朔にこうして欲しいとかはあんま無いんだよ。でもね、朔を自分のモノにしたいって言うのはあるよ。」

「····お、俺を?」

「うん。」

(ちょ、ちょい待て理解が·······てか葵兄。そんなキラキラした顔で俺を見ないでくれ!)

フリーズしていた俺との無言の会話を切ったのは葵兄だった。

「·······でも、今日のことは内緒ね?」

「内緒?」

「うん。いやぁ~知られるとさ色々厄介なんですよ。特に珀とか。」

(あ~、納得。何気にあの人面倒くさいんだよな·······。)

「よし、戻るか。珀と楓は爆睡だと思うけど······。」

「お、おう。」

その後は2人でたわいもない話をしながら車に戻った。

車に戻ると珀兄と楓兄は起きていた。
なんか、置いていかれて不貞腐れてた。

なんとか2人の機嫌を治した俺は4人で仲良く家に帰った。





勿論俺は話に集中出来なくて途中で狸寝入りした!


(おれの貞操何をしてでも守ってやる!)
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