アーマード

高宮リク

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1章

第1話 【哀歓が全になる日】

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-----------------【レイ】----------------
この世界は主に5つの大陸と多数の島国が存在している。

科学の力で文明を築いてきた大陸『リブド大陸』
魔法の力で文明を築いてきた大陸『シュナード大陸』
主に獣人などが暮らす大陸『ウルド大陸』
科学、魔法、獣人など全てが共存をしている大陸『サルバ大陸』
そして、未だ科学や魔法などの力を使っても2割と解明されていない大陸『アルバトス大陸』

「なぁ何で、魔法を使うやつらは、科学を嫌って、科学者は魔法を嫌ってるんだっけ?」
そう呟いたのは一緒に暮らしているゼロという少年。
「んー確か、魔法使いが科学は神への冒涜だ!とか言ってた気がする。で科学側が宗教心に憑りつかれたイカレもやし野郎とか言ってた気がする。ただの言い合いから始まって今に至るわけだな」
この世界では、科学と魔法が共存しているが、科学者は魔法使いを嫌い、魔法使いは科学者を嫌っている。
「でも、レイと俺は別に喧嘩はするけど、そんな存在自体が嫌いみたいなことは無くね?」
「まぁ俺らは、魔法に恨みがあったり、科学に害を与えられたわけでもないし、というか魔法も科学も便利なんだから師匠みたいにもっと活用すれば良いのにな」
俺達二人は7歳の頃、両親や故郷を失い、ダレンという人物に拾われた。
ダレンは俺たちを育てると同時に格闘術、護身術、魔術、魔法、科学などのあらゆる知識、あらゆる技術を教えてくれた。以来俺達二人はダレンを師匠と呼んでいる。
「なぁレイ、二年前師匠は何で突然いなくなったんだろうな」
「そんなのこっちが聞きたいよ。ったく、まだ知りたいことがあったんだけどな」
俺達が15歳の頃師匠は、置手紙と箱を残して俺達二人の元から消えた。
手紙には、いなくなった理由などは一切書かれておらず、『二人が18歳になるまでこの箱をテーブルの上に置いておけ、そしてその箱の前で飯を食え。では!サラダバー』と書かれていた。
「それにしても今日、俺とレイの誕生日だよな。これで二人とも18歳だろ?なにも起きないんだが?」
「確かに...18歳になったら何かこう、ドゥワァーーー!って開くと思ったんだけどな」
ゼロと俺は同じ日に生まれた。その腐れ縁なのか、ダレンに拾われるよりも昔から一緒によく遊んだりしていた。
「あ!分かったぞ!誕生日ケーキを食べてないからだ!よし!食うぞ!」
「いや絶対違うだろ!ちなみに1ホールじゃなくて、ちゃんと2ホール買うんだぞ?俺はチョコケーキが好きだ!」
「おっけー!じゃぁ行ってらっしゃい!」
俺はゼロに財布を渡したが、ゼロは『?』の表情をしていた。
「え?」
「え?」
10秒ほど謎の沈黙が生まれた。
「え?だって、今日俺の誕生日だからお前が買いに行ってくれるんじゃないの?」
「え?いや、俺も今日が誕生日なんだが?」
「「え?」」
俺もゼロも互いに「コイツ何を言ってるんだ?」という顔で見合っていた。
「よし!じゃぁ、じゃんけんで決めようぜ!」
俺はゼロに、じゃんけんでどっちがケーキを買いに行くか提案をした。
「お!それいいな!そうしよう」
「決まりだな!行くぞ....最初はグー、じゃんけん...!」
「「てめぇの顔面にグーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
俺とゼロの拳は、綺麗に互いの顔面にクリティカルヒットし、お互いに吹き飛ばされた。
そこからよく覚えていない。

-------------------------------------
目が覚めたのは夜だった。
「いてて...あれ?何でこんな所で寝てるんだ?おい、ゼロ!起きろ!」
「ん..?あれ?俺は何を...?確か...あ!ケーキ!!」
ゼロの一言ですべてを思い出した。
「おい!もう夜だぞ!町のケーキ屋なんて開いてねぇよ!開いててもここから町まで2時間かかるわ!どうしてくれんだ!?」
「おい!それはこっちのセリフだ!じゃんけんするのに、殴りかかってくるやつが居るか!?」
「その言葉そっくり返してやるよ!てか魔力を込めた拳でなぐるんじゃねぇよ!ちょっと記憶とんだじゃねぇか!」
俺は普通に殴ったのに対して、ゼロは拳に魔力を込めて殴っていた。そのため軽く記憶が飛んでいた。
「いや、お前は魔力込めてないのに同じ威力を出せる拳でなぐってくるんじゃねぇよ!このゴリラ!!」
「「.................」」
俺達は互いに「お前が悪い」みたいな目線で睨み合っていた。
「おいゼロ君や、待ちたまえ。話があるんだが」
「何だねクソゴリラ君」
「おい!」
「冗談だよ、続けてどうぞ」
ゼロにクソゴリラと言われてまた喧嘩が始まりそうだったがここは我慢して話をすることにした。
「とりあえず、ケーキは諦めて他にこの箱を開ける方法が無いか探さね?」
「うーん、そうだなさっさと中身を見たいしな」
とりあえず俺達は喧嘩をやめて師匠からの箱を開ける方法を探すことにした。
「でも今まで、爆弾で開けようとしたり、超高振動カッターで開けようとしたり、魔力弾を当てたりしてもビクともしなかったじゃないか」
そう、ゼロが言うようにこの箱は異常なまでに頑丈にできている。
焼いても、切っても、溶かそうとしても傷一つすら付かなかった。
「18歳になる日、つまり俺たちの誕生日に開く予定なんだろ?じゃぁ、誕生日に何かヒントがあるのか?」
「誕生日....?誕生日の歌でも歌うか? ハッピバ~スデ~イ~トゥ~ユ~」
「そんなんで開けば苦労は...」
『ロックを解除します』
ゼロが誕生日の歌を歌った瞬間、その音声が聞こえ箱が開いた。
「「............!?」」



「「Oh....my....god」」
しばらくの沈黙の後俺達はその言葉を口にした。
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