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3話 パーティー結成
しおりを挟む職員から任務に行く許可をもらった俺はパーティーを組む為相手を探していた。すると、受付カウンターに1人で困っている少女が居た。
その子はどうやら俺と同じ、パーティーを組む人がいないことで戸惑っていたようだ。
「2人以上のパーティー。どうしよう。」
俺はその少女には尋ねてみた。
「もしかして、パーティーを組んでくれる人探してます?」
「は、はい。任務を受けるのが初めてで。」
「大学院狙いですか?」
「はい。実は今年で3年目で今回が最後の大学院に行けるチャンスなんです。でもテストでは行けなさそうだから任務をやろうと思って……」
この少女は俺の2個上である三年生だった。
そこで俺は咄嗟に口にした。
「よければ僕とパーティーを組みませんか?」
「え、でも私、よ、弱いですよ?」
困った様子で少女は言う。
「大丈夫です。2人で強くなっていけば良いんですよ。」
俺がそう言うと、少女は少し明るい顔になり俺に心を開いてくれたようだ。
「本当ですか? わかりました! よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします! 名前はなんて言うんですか?」
「私は、カナです。」
「カナさんって言うんですね。」
「あっ。私の事は呼び捨てとかタメ語で大丈夫ですよ。」
「あ、じゃあカナ。よろしく。俺はダイス。俺も呼び捨てで良いよ。」
「うん! よろしく! ダイス!」
笑顔でそう呼ばれ、俺は少し、いやかなり嬉しかった。なんというかカナの笑顔がとても可愛い。
いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。早く任務をクリアしてポイントを稼がないと時間がなくなってしまう。
「まずは、低いDランクとかCランクの任務からやってみる?」
「それが良いんだけど、10ポイントしかもらえないんだね。ちょっと少ないよね。」
「まぁそうだな。大学院に入るのに必要なポイントは4万ポイント以上だからBランクより上をたくさんやらないと全然たまらないね。」
「そうだよね。でも今回は初めての任務だから低いランクがいいかな。」
「わかった! じゃあこのCランク任務のマテ草の採取にしようか。」
「うん! これならクリアできそうかも!」
俺とカナはCランク任務のマテ草の採取を受ける事にした。
だがまずは2人のコンビネーションの手合わせをしなければならない。パーティーを組んだからと言ってまだ出会ったばかりの俺たちは、お互いがなんの魔法を使えるか知らない状態だった。
「ええぇぇぇぇ⁉︎ ダイス、《全再生》つかえるの⁉︎」
「うん。使えるけど」
「それ、一番強いって言われてる治癒魔法だよ? 知ってる?」
「うん。そんなに驚く事なの?」
「驚くどころの問題じゃないよ! 私、本で見たことあるよ。《全再生》は世界一有能な医者が持っていた最強治癒魔法である。って書いてあったよ?」
世界一有能な医者は俺の事か? いやでもそんなに本になるほど凄い事をした記憶はない。ただ王様の病気を治しただけだからおそらく他の人のことだろう。
「それでカナは、何が得意なんだ?」
「私、治癒魔法が使えないの。」
「そうなんだ。魔法は使えるの?」
「うん。一応魔力を体の好きなところに集められて、その部分に攻撃魔法を発動したり身体強化をしたりできる。」
俺はその時思った。普通に強くね?
だって、俺が今、体の一部に魔力を集中させろと言われても絶対にできない。
その時俺は思った。
この子はとんでもない才能を隠し持っているのではないか。
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