上 下
9 / 31
第一章

9話 作戦会議

しおりを挟む

 転入試験まで残り1ヶ月……

「まずはカナの身体強化と攻撃魔法がどのくらいの威力か見せてくれ」

「そ、そんなに威力はないけど。はあっ!」

 すると、カナの作った特大な炎の波動が校内の校庭にぽっかりと穴を開けてしまった。
 近くにいた職員が大声で言う。

「こらぁぁぁ! 攻撃魔法の練習をするんだったら学校の外でやれ!」

「す、すいません!」

 怒られてしまった。


 ここら辺ならおそらく誰の迷惑にもならないだろう。まさかカナの魔法があれほど強力だったとは。

 カナの魔法は炎属性のものが多かった。おそらくさっきのものだけでも一軒家を一気に10軒焼き尽くせるほどの威力があるだろう。

「カナ、とても強くて心強い攻撃だが試験の時はもう少し、いやかなり抑えてね!」

「は、はい」 

 褒められていると思っているのか照れたような顔で返事をする。褒めていないと言うわけではないが、あんな物を人に向けて打ってしまえばいおそらく塵も残らないだろう。

 さて、カナは良いとして問題は俺だ。
 手ぶらな状態の今の俺をどう戦闘に役立てる?とりあえずカナの身体強化を受けるとして、俺には格闘技術もない。何か戦いに使えるものは……

 そうだ! 俺は今刀が折られた剣士と同じ状態。なら、刀を与えれば良いじゃないか。俺は、刀を使って戦う!
 だが、刀はどう手に入れる。売ってたりするものなのか?

 俺は任務受付カウンターの人に聞いてみた。

「すいません。刀とかって売ってたりします?」

「はい。売ってますよ。ポイントで購入可能です。」

 刀などの武器などは任務で得たポイントと引き換えに購入出来るらしい。俺の所持ポイントは最後のBランク任務を合わせて、11510ポイント持っている。

「刀って何ポイントですかね?」

「550ポイントで販売してますよ」

「じゃあ一本ください」

「はい。刻印などはしますか?」

「じゃあお願いします」

 俺は刻印入りの刀を手に入れ、刀に慣れる為特訓する事にした。刀は、どれだけ切れ味が良くても重くて振る事が出来なかったら意味がない。

「カナ! 俺の全身を身体強化してくれ!」

「いきなり全身? 危ないし私もまだ慣れてないからまずは足だけの方がいいよ」

「たしかにそうだな。よし! 足だけを頼む!」

「うん! 行くよ! はぁっ!」

 俺の中にあるカナの魔力が、体が変形し強化されていく。

 
 その瞬間俺は、急にバランスが取れなくなり横転し頭を打ってしまった。


しおりを挟む

処理中です...