俺の転生先が定まらない

熊手マコト

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2章 2回目の転生

11話 鍛冶屋の武器と旅のおきて

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魔王討伐の為、旅に出る事になったのだが街への被害が大き過ぎて鍛冶屋なども武器が作れるような状態ではない。
と言う事で俺は、街が落ち着くまでモリィの家に泊めてもらえることになった。

モリィの年齢は分からないが、人間だった頃の俺と見た目は同じくらいである。
同年代の女子の家に泊まるなど今までの俺なら絶対ないだろう。
コウモリに転生したからと言って、人間の頃の心は多少残っている。
なので少しいやかなり緊張と抵抗があるが、泊めてもらう側として文句を言うのは流石に失礼。
だからといって断ったとしても、他に行く当てがない。
街の宿は全て燃え尽くされてしまっている。
モリィの家に泊まることしか選択肢がないのだ。
まあ大丈夫だろう。俺は魔物だ。人間ではない。

俺はモリィの家に向かった。
家に着くと……

「コウモリさん!いらっしゃい!」

なんだこれは…
ピカピカのテーブルに綺麗に並べられた茶碗に、しっかりの箸置きの上に置かれた箸。
真ん中には今までに見たことないくらい豪華で美味しそうなメインディッシュ!

どうやら、俺はモリィ一家に大歓迎されているようだ。

「さあさあ」と席に案内された俺はモリィ一家と贅沢なご飯食べた。
俺は、この世界に来てからまともにご飯を食べていなかったので思いっきりご飯を堪能させてもらった。
その後部屋に案内され、特にすることも無くなってボーッとしていると目の前の鏡に目が行った。

な、なんだこの美少女は!?いや男?どっちだ?

鏡にはボーイッシュで髪が短めの美少女が立っていた。
そう。俺は自分の人間の姿を見たことがなかった。
まさかこんな容姿だったとは。
サラを倒してしまった時は、洞窟の中が暗くて顔も全然見えなかった。
サラはもしかしたらこのようなかっこいい感じの女の子だったのかもしれない。

俺は、たまたま部屋に夜食を届けに来てくれたモリィに咄嗟に聞いてみた。

俺って、女に見える?それとも男?

「んー?サラが男になったみたいな感じかな?コウモリさん口調からして男の子だからこんな感じになったと思う。でも髪伸ばしたら女の子にしか見えないかな。」

やっぱりサラの容姿は遺伝されているのか。

モリィからもらった夜食を食べながらついでに俺はスキルの確認もする事にした。

ルビ、スキルの確認できるか?

《はい。一部が謎に包まれた希少な記憶のスキルを解析した事により、スキルアビリティ 解析が解析・弍 へと進化しました。》

解析が進化か。とても便利そうだ。
そもそも解析と調合は、シンクロスキルというらしく、ルビとのシンクロ率がら100%になった時点で魔素の消費はほぼゼロと言ってもいいほど少ないらしい。

《はい。私はスキルではなく、あなたの中に憑依しています。あなたとシンクロ率が100%になった時点で離れる事は不可能と言ってもいいでしょう。
なお、シンクロスキルの魔素消費量は私の調節によって増やす事は可能です。》

やめろ!そんな事するな!笑

その後スキルを確認し終えた俺は、魔女との戦いもあり体が限界を迎えていた為すぐに就寝した。

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数週間後……

街も落ち着きを取り戻し元の姿が戻ってきた。
俺とモリィは、冒険に出る為武器を作ってもらいに鍛冶屋に向かった。

扉を開けると、中の熱気が一気に外に出てきた。
鉄を叩く音が鳴り響く中…

「えい!冒険者か?ちょっと待ってな。」

そうすると、鍛冶屋さんが一つ一つ武器の説明をしてくれた。

「2人とも女の子なら、このシンプルな剣か双剣が重くなくていいと思うぜ!」

俺は女の子ではないが、重いか軽いかで言うと軽い方がいいので否定はせず、そのままシンプルな剣を選んだ。
あとはとても日本刀に似ていて、親近感が湧いたからだ。
モリィは両手を別々に使いたいと言う事で、双剣を選んだ。

「わかった。あとは最後に仕上げを、するからもうちょっと待っててくれ!すぐ出来るから明日には旅に出れるぞ!安心しろ!」

そして鍛冶屋を後にし、俺たちはこの街にいるのも今日が最後という事で街のお店を回る事にした。
ほとんど、モリィの服屋しか回っていなかったが…

その服、明日旅に出るのにいつ着るんだ?

「あ、そっか!まあ!またここに帰ってきた時だよ!」

こいつの頭の中は本当にどうなってる。
まあ、モリィらしいな。

その後も、街を回り雑貨店や屋台などで食べ歩きをしながら一日中街を堪能した。

そして最後になんだかんだで1番思い出のあるあの丘の上に登り最後の街を眺めていると、

「コウモリさん。2人で旅に行く時のおきて!

1.1人で戦わない 2.戦略を立てて戦う 3.隠し事をしない

そして最後に、必ず魔王を倒して2人とも無事にこの街にもどる!」

わかった。必ず魔王を討伐して無事にこの街に戻ろう!

「うん!」



夜が明け、俺はモリィ一家に泊めてくれたお礼を言い、鍛冶屋に行き名前の刻印の入った武器を受け取った。

「俺が魂を込めて打った一本だ!大切に使ってくれ!」

はい!ありがとうございます!

そしてモリィと合流し旅に出る準備ができた。

俺たちを見送る為、街の人たちが街の入り口に集まってきた。

「師匠!私行ってきます!」

「おう!気をつけてな!自慢の弟子よ!セイクもモリィを頼んだぞ!」

わかりました!

そうして、俺たちはみんなに見送られながら魔王ベルズ討伐の旅に出発した。




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