僕たちの「みち」

タロ丸

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未知

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「ねぇ。君ってなんなの。」
突然、幼馴染である紗夜に言われた。
「何って。君の幼馴染の安藤大輝だけど。」
僕はこう答えたが君の質問の的を得てない事は分かっていた。
「そうじゃなくて。」
「君は何故こうして今も私の隣にいてくれるの。」
物心ついた頃には一緒にいて、高校生になった今でもこうして一緒にいる。
「なんでだろうな。何故って言われるとな。」
この幼馴染は急に答えのない問題を出してくる。
僕はこういう所が好きでもある。そしてこの類の話をする時は僕の事を”君”という。
「私は君のことを知れているのかな。」
「そりゃあ、ずっと一緒にいるから知ってるでしょ。」
すると紗夜は
「そうじゃなくて!」
と今度は急に声を荒げた。
「君が今後どんな進路を選ぶとかわかんないし、これから彼女だって作るかも知れない。そんな時でも私は君の隣を歩けるのかな。」
そう言って走り出した君の後ろ姿はいつもの帰り道とは違う気がした。

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