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第1章
5.幼馴染
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「はぁ…結局俺の負けかよ…」
「お前には筋力が足りないんだよ。」
「あんなのコツだって。」
1番担当が少なかったはずなのに結局俺は二人に負けた。
二人は口々に言うが、俺にはそんな筋肉はないし、器用に種まきと同時に畑を耕すほどの魔法の制御能力はない。
いや、そもそもこいつらを基準に考える事がおかしい。
この村にそんな事をできる奴らは他にいない。
大人たちだってそんなことはできはしない。
昔、ファンタジーを読んでた時に主人公にモブは嫉妬しないのかと考えた事があった。
すごい能力があって羨ましいとか思わないのだろうかと。
実際に自分が経験してわかった事がある。
本当に才能だけの奴だったら嫉妬するかもしれない。
でも、一緒に育ってきて俺はこいつらの努力を知ってる。
俺だってそれなりの努力はした。
それとは比べ物にならない努力をこいつらはしている。
それがわかっているから嫉妬する気にもならない。
少なくとも俺は。
カイトは毎日ひっそりと早起きして森で魔法の制御を練習してたのを知ってる。
単純な魔力だとミリアに勝てないのを知っていたから。
アーノルドは毎日筋トレを欠かしていない。
最初は弱虫だったアーノルド。
崖から落ちそうになったミリアを助けようとして2人で転げ落ちた日からずっと筋トレを欠かしていない。
ちなみに余談としてこの崖は、子供の頃は崖だったかもしれないが実際は2メートルちょっとくらいしかなくて今ではぶら下がってあと数十cmで足がつく程度の段差だ。
それでもあの頃はすごく高い崖に見えて4人で大泣きした。
それに比べて俺は転生しても何一つ変わっていない。
すべて無難になったところで自分に言い訳して努力をやめてしまう。
そんな自分に嫌気が差すけど、変われない。
変わりたい。
それが転生したいと思った理由だったはずなのに。
「おーい、ジャック。またぼーっとしてるぞー。」
「うわっ、カイト!だからすぐに押すなって!」
「ジャックは本当にぼーっとしてるなー。」
俺がすぐにぼーっとしてしまうのを2人はよく笑う。
でも、それが2人なりの心配の仕方。
そんな優しくて強い幼馴染たちが俺の自慢。
それでいいじゃないか。
転生したからこそ、こんないい奴らと一緒に過ごせてる。
それだけで十分だ。
笑いながら川に向かって先に歩いて行く2人を追いながら、ほんの少しだけ沈んだ気持ちを追い払った。
「お前には筋力が足りないんだよ。」
「あんなのコツだって。」
1番担当が少なかったはずなのに結局俺は二人に負けた。
二人は口々に言うが、俺にはそんな筋肉はないし、器用に種まきと同時に畑を耕すほどの魔法の制御能力はない。
いや、そもそもこいつらを基準に考える事がおかしい。
この村にそんな事をできる奴らは他にいない。
大人たちだってそんなことはできはしない。
昔、ファンタジーを読んでた時に主人公にモブは嫉妬しないのかと考えた事があった。
すごい能力があって羨ましいとか思わないのだろうかと。
実際に自分が経験してわかった事がある。
本当に才能だけの奴だったら嫉妬するかもしれない。
でも、一緒に育ってきて俺はこいつらの努力を知ってる。
俺だってそれなりの努力はした。
それとは比べ物にならない努力をこいつらはしている。
それがわかっているから嫉妬する気にもならない。
少なくとも俺は。
カイトは毎日ひっそりと早起きして森で魔法の制御を練習してたのを知ってる。
単純な魔力だとミリアに勝てないのを知っていたから。
アーノルドは毎日筋トレを欠かしていない。
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ちなみに余談としてこの崖は、子供の頃は崖だったかもしれないが実際は2メートルちょっとくらいしかなくて今ではぶら下がってあと数十cmで足がつく程度の段差だ。
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でも、それが2人なりの心配の仕方。
そんな優しくて強い幼馴染たちが俺の自慢。
それでいいじゃないか。
転生したからこそ、こんないい奴らと一緒に過ごせてる。
それだけで十分だ。
笑いながら川に向かって先に歩いて行く2人を追いながら、ほんの少しだけ沈んだ気持ちを追い払った。
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