真夜中は秘密の香り

桜 詩

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黄昏の章

Femme fatale ★

ジョルダンの唇が、耳朶の下の首筋に触れたとき深く長いため息がグレイシアの唇から漏れて、ジョルダンの耳へと響きそれは甘美な疼きを彼にもたらした。
少し荒くなる呼吸は豊かな胸を上下させて、その高さを変えて存在感を示している。

そして、男性にしてはしなやかで優美な長い指がそっとそこに触れればさらにそのため息は大きくそして色めいて、艶々と光る唇を開かせ真珠のような歯が覗く。

白く柔らかな肌とそして程よい弾力の乳房がジョルダンの手によって形を変えて、グレイシアの唇からは僅かにため息に甘い声が混じって吐きだされる。
薄いシュミーズは肩からずり下がり乳房の所でとどまっていて、艶かしくツンと立ち上がった先端を透けさせていた。
グレイシアの腕が、ジョルダンの首に絡みつき唇をそこへと誘ってゆく。

露になったそこへ唇が柔らかく触れると、切ない吐息が響いて、グレイシアの官能を伝える。
唇と舌の愛撫でその吐息はさらに短くそして、断続的に響いてゆく。

繊手がジョルダンの綺麗に整えられた髪に差し入れられて、かき乱されハラリと額にかかり、青い双眸に影を落としていった。

ジョルダンの手は乳房を愛撫してそしてゆっくりと、その肌を滑り膝を割って太股を辿りそして、彼女の秘めた箇所へと到達すると、そこはすでにしっとりと潤っていて触れた指先を濡らし、そして淫らな水音をたてた。

興奮を伝える花芽はしっかりと立ち上がって主張して、指が滑るように撫でればグレイシアからは、啜り泣くような喘ぎが漏れてさらに二人は官能的な世界へと誘われていく。

「……ぁ…」
切ない声にジョルダンは、薄く笑みを浮かべて反応を見る
「いい?」
「……ええ……」

乳房とそして、敏感な花芽を刺激されてグレイシアの声はますます荒くそして、身をよじらせ美しい曲線を描いた。

「あぁ……!」

ぴくりと震わせたその体の、すでに激しく濡れそぼったそこに唇を寄せれば、グレイシアの蜜はさらに溢れて愛液を流させた。
ひくつかせるその中に、指が挿入されれば短く悲鳴のような喘ぎが溢れて、背をそらせて指を締め付ける。
ゆっくりと動かされるその指は、音高く激しい音をさせてしまう。

「……ぁあ!……もぅ……」
切ない哀願をあげたグレイシアに、
「グレイシア………いくよ」
そうジョルダンは彼女の声に答えて、すでに男らしく屹立した証を、ぬるりと淫らに輝かせているそこへあてがうと、蠢いて導かれるままに進み入った。

「ああっ!」
奥まで到達したと同時に、グレイシアの細いふくらはぎは腰に巻き付いてジョルダンをしっかりと引き寄せる。

「……はぁ……お願い……………」
興奮に濡れうるうるとけぶるようなアイスブルーの瞳を向ければ、ジョルダンの最後の紳士らしさはぬぐい去られ、本能のままに彼女の中を侵した。
彼の呼吸も荒くなりそして時おり呻きが漏れる。

「………っん!」
「……っ……は……ぁ」

ジョルダンの息も次第に余裕をなくし、玉のような汗が浮かぶ。
「ぁ…………っ…!」

その声に導かれるように、ジョルダンもまたクライマックスが近い、足を大きく開かせ体の横へと押さえ最奥まで責め立てれば、やがてなめらかな腹部に白濁を放った。

細くしなやかな腕を回し、それを受け止めたグレイシアは微笑んで唇に熱いキスをし続けた。

唇を離して、腕を解いたグレイシアは荒い息をさせながら彼を見つめた。


そうして……。
息が整うまでうっとりとした表情を浮かべていたグレイシアは、腹部にある、その熱の残る液を人差し指と中指で拭い取ると、見せつけるように唇に寄せて舌を出してそれを舐めとる。その笑みはゾクリとするほど妖しくそして美しい。

「……もっと……」
小さく囁く声と共に、鍛えた胸板に繊手がそっと触れて小さな尖りをなぶる。
さっきまでの行為で上気した頬は、色づいて染まり、口づけを繰り返した唇は赤く光っていた。

そっと押されジョルダンはベッドに横たわると、グレイシアはその上に身を重ねて喉仏に唇を寄せて、愛撫して行く。

「グレイシア……」

ジョルダンの声が掠れて名を呼ぶ。
「ジョルダン……」

男らしく引き締まったその体を、全て確かめるように唇が這わされて、そしてさっきまで彼女の中を責め立てていたそこへと向かった。

ジョルダンが見つめているのを確かめるように微笑むと、グレイシアは舌を出して、その先端をちろりと舐めた。

わずかに呻いた声を聞くと、その唇でゆっくりと挟んだ。
唇と舌でゆっくりと愛撫されればそこは力を取り戻してゆく。

「あなたのもので満たして……いい?」

ゆっくりと再び、キスをしたグレイシアは彼のその屹立をまだとろりと蜜を垂らすそこへと導いてゆっくりと腰を下ろした。
「君はとても、綺麗で……そして妖艶だ」
吐息のような囁きに、グレイシアはひそめた眉も麗しい顔をジョルダンに向けた。

「……それは……いい事なの?」
呼吸の合間の切れ切れの囁きはなまめいて、情欲を感じさせる。

「………最高に……いいよグレイシア」
淫らな腰の動きに合わせて、ジョルダンの太股まで愛液が滴りそれとともに、肌のぶつかり合う音は淫らに水音をたてて部屋中に響く。筋肉で固くなっている腹部に手を当ててグレイシアは恥態を見せつけ、

「…………いって、も……?」
「……いって……その顔が見たい……」

そう答えると、ジョルダンも下から彼女を突き上げて、うねうねと締め付けるそれに堪えた。

長く官能的な声を響かせてグレイシアは首を後ろにのけ反らせて、その美しさをジョルダンに見せて、内腿をふるふると震わせた。
少し脱力したグレイシアをうつ伏せにして、腰を抱えて後ろから再び責め立てると、その唇からは速く短い喘ぎが響き、

「………もっと……奥まで……」
グレイシアの叫びに、ジョルダンも応えた。

「………いっしょに……」

「っ……あぁ、いくよ」
掠れた声で応えたジョルダンは、グレイシアに呼応するように彼女と共に高みへと上り詰めた。

しばらく、呼吸の収まらない二人は荒く息をして、ベッドに並んで横たわった。
どちらともなく、指を絡めてそして軽く口づけを交わした。
遠くからは、舞踏会の会場の音曲とそれからざわめきが風にのって聞こえてくる。

夢中で過ごした時は、そろそろ終わりを告げようとしている。乱れた髪はほどけ、しどけなく汗ばんだ額と、首筋に張り付いて色っぽくジョルダンをゾクリとさせた。
彼もまた、貴族らしく整えられていた髪は額にかぶり、グレイシアに乱されたままである。

「……ドレスを着るのを手伝ってくれる?」
「もちろん……」

コルセットの紐を締めながら、ジョルダンは呟いた。

「……私は経験が浅い訳じゃないが……。こんなに翻弄されたのは、はじめてだ」
「……そうなの?……それはいいことなの?」
「良いことなのか悪いことなのか……溺れそうだ……君に」

紐を締めた仕上げにその首のつけ根に唇を落とす。

「あの時、帰った方が良かった?」
「……さぁ……やはり君は惑わせる女性ひとみたいだ」
クスっとジョルダンは笑った。

ドレスを着て髪の毛を整えて、部屋を出る身なりを確かめ合う。

そろそろ舞踏会はお開きのようで、その帰宅に向かうその流れに添うように紛れた。
帰りももちろん、ジョルダンの馬車であった。



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