サヨウナラからはじまる恋

桜 詩

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甦る心

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ウィンスレット邸に戻ったジョージアナのただならない様子にエレナが強引に部屋に入ってきた。

「ジョージアナ?」
「…ふぇっ…!」
ジョージアナはまるで子供のようにエレナにしがみついて思いきり泣いた。
エレナはそれを何も言わずに胸を貸して、背をなで続けていた。

なぜ泣いているのか、ジョージアナにもわからずにいたので理由を聞かれないのは本当に助かったのだ。
泣きつかれて、ようやく身を離すとエレナはドレスを脱がして、着替えを手伝ってくれた。
そしてまた何も言わずにベッドにジョージアナをいれると額にキスをして
「お休みなさいジョージアナ。必ず朝は来るわ、明けない夜はないと言うでしょう?」
エレナはそっと立ち去ろうとしている。


「…エレナ…エレナはどうしてお父様と結婚したの…?どうやって愛したの…?」
思わずそう聞いていた。
「…ジョージアナ…貴女は恋をしているのね?」
「…恋…?」
「そう…だから訳もわからずにこんな風にたくさん泣いてしまうのよ。苦しいのね?今…」
「誰に…?」
「まぁ、ジョージアナったら」
くすくすとエレナは笑った。
「貴女ったら見た目よりうんと少女のようなのね?」
エレナはジョージアナの頬に手を当てて
「誰に側に居て欲しいのか、誰がいなかったら淋しくなるのか、考えてみて?答えはすぐそこにあるはずよ?」
ジョージアナは混乱し続けていた。

わたくしが恋をしてる?いつ?それはいつはじまったの?

「どうしてお父様と結婚したか…どんな障害があっても一緒にいたかった…それくらい愛してしまったからよ…。なぜ愛したのか、それは私にもわからない。気がつけばそうなっていたの」
エレナはそっと答えてくれた。
「頑張って、ジョージアナには何の障害もない。ただ素直になればその苦しい想いは叶えられて幸せがやって来るはずよ」
エレナの言葉がジョージアナに優しく響く。
「あとはチャンスがあれば勇気を出して一歩を踏み出すの」

大人になってからの恋はあまりにも不器用過ぎて、ジョージアナはらしくなく動揺していた。

「本当に馬鹿みたい…今まで何をみて、生きてきたの…」

何年も側にいた、フレデリック。
彼がこんなにもジョージアナを苦しめる存在になるなんて…。本当に馬鹿みたいだ…。
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