ミックスド★バス~混浴フレンドは恋人になれる?

taki

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翌朝



目が覚めいつもと違う天井に、ん?と思う。
そういや昨日から旅館に来てるんだ。


んーーーっと、布団の中で伸びをして、横を向く。すると、少し離れた場所に敷かれた布団に水川がいる。まだ寝ているようだ。

水川との昨日の記憶は…寝てもしっかり残っている。同じ部屋で一晩明かした(別に何もなかったが)ことも、こそばゆい。布団の中で意味もなく悶えてしまう。

早く気分を切り替えたい。

物音を立てないように布団から出て、洗面台へと向かう。

服を着替える時、胸に散らばる赤い痕を見つけ、誰も見ていないのに咄嗟に隠した。



◆◆◆◆



「おはようございます」

支度を済ませたところで、水川が起きてきた。
「あ、水川くん、おはよ」

「早いですね」

「もっと早く起きて朝風呂を頂きたかったんだけどね、もうそろそろ朝ご飯の時間だから諦めるよ」

「昨日の夜、充分温泉入ったから良いんじゃないですか」

昨日の夜。
できるだけ昨日のことは思い出さないようにしていたが、鮮明に思い出し顔が紅くなる。

なんかもう、色々とありえないことをした。いや、今回は私だけが悪いわけじゃない。水川だってノリノリで……だめ、思い出したら余計に紅くなる!

水川も思い出したのか「いや、まぁえぇ、色々とご面倒かけたと思います。すみません……」



気になっていたことを確認する。


「ねぇ、記憶は…あるの?」

「一応、はい」

「そっか。ぜ、ぜんぶ?」

「多分全部…です。」


うう、そうか酔って全く覚えてませんじゃないのか。


お互い気まづさはあり、そこからはありきたりな世間話だけをする。
朝食やチェックアウトを済ませ、昨日行けなかった足湯巡りをし、完全に酒気が取れたところで、水川の運転で帰路についた。



◆◆◆◆



月曜日。


「…くこ、………温子ってば」

「……へ?何?」

「何じゃないよ、湯のみ持ったまま何ぼーっとしてんのよ」


いつも通り、貴音と昼ごはんを食べながら上の空になっていた。

貴音に今考えていることを相談したいけど、でも同じ社内だし…

「絶対何かあったでしょ。それも研究のこととは違うわね」

「別に何も…」
何で研究のことじゃないと分かるんだ?

「だって研究のことなら、もっと楽しそうにしてるじゃない。なんでこうなるの?温泉って不思議っ!そこが良い!とかなんとか言ってさ」

うう、心が読まれてる…こわ
「大丈夫、別に大したことじゃないから」

「そ、分かったわ」

貴音が怖い顔をしているが、そのまま昼休みは終わり、これ幸いにと「じゃあ!」と開発室へ戻る。

そりゃあ貴音に相談したい。嫌いだった水川と混浴に行っていること、実はとてもいい奴だと分かったこと、混浴フレンドとして温泉巡りできて休日が充実していること
そして、今の関係のままは少し嫌なこと。

だけど同じ会社の貴音に言えば、水川に悪い。別に貴音が誰かに言いふらすことは無いが、それでも。



◆◆◆◆



貴音は親友の温子の様子が気がかりなまま、それでも仕事をしなければと、午後からまた伝票のチェックをする。

オッケー、これもオッケー
次が営業部水川ね、これはオッケー、ん?この伝票金額間違ってる。ああもう!ただでさえいつも提出してくるの遅いのに。
メールで連絡しても良いが、すぐに修正してほしいから、営業部へ行って水川にその場で直させよう。




「水川君、お疲れ」

「お疲れ様です。あ……」

「あ、じゃないわよ、これ直して。ほら、ここ」

水川は伝票を手に取り、あぁまたやっちゃったと言いながら修正をした。

「すみませんいつも」

「まぁ今回は提出期限を一応は、ギリギリ、守ってたから許すけど。気をつけてね」

「はい、お手数かけました……あっ、良ければこれ貰ってください。先週末行った温泉のお土産です」

水川はすぐ近くに置いていた箱を持ってきて、大きな箱に数個残っている煎餅を1つ貴音に渡した。

「え?別にそこまで気にしなくて良いのに。でもまぁ、せっかくだから貰うわ」

「どうぞ、いつもご面倒かけてますんで」

「これ、B県の温泉のお土産なんだね」

「はい、特産の煎餅買ってきたんです。営業の人たちにも好評で」


貴音はふと思う。この温泉の名前、最近見た。あれ、どこで見たかな。

……あ、温子だ。温子が使ってるハンドクリームだ。
「それ、良い香りだね」「うん、温泉行ったんだけど自分へのお土産で買ったんだ」ってニコニコしながら言ってた。  
  


ん?温子と水川君、同じ温泉地行ってたの?日が違う?偶然?それとも…

感の鋭い貴音は、声を少し抑えて水川にだけ聞こえるように言う。

「水川君、温子と一緒に行ったの?」

「……何で知ってっ!」

やっぱり。
「なるほどね。温子が様子変なの、水川君が関係してるんだ」

「……え?様子変なんですか?何か聞いてますか?」

「私からも色々質問あるから、今日時間とってよ」

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