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結婚できない女の事情
しおりを挟むリカさんは、
「私、一人っ子でね、両親共に2年前に飛行機事故で亡くなって、この家相続したの。その前までは、海外で暮らしてたのよ。仕事も辞め、帰って来たけど、気力がなくて。遺産で当分は暮らしていける。それでもね・・・」
「一人は寂しいわね」
「そうなの」
「子供の頃はここで暮らしてたの?」
「ううん。その頃は、祖父母が暮らしてた。私が高校卒業の頃に2人とも亡くなって、うちの親が越して来たから、私も2年くらい暮らしてたわね。でも、不便じゃない?だから、大学の途中で引っ越したわ」
「でも、今日は、何で自家用車厳禁だったの?」
「監禁?」
笑いながら、
「まさか」
「だよね?」
「昔からの決まりなのよ。おじいちゃんたちには、執事も専用の車もあった。お父さんは自分の車で行き来してた。他の車は入れちゃダメだって。たとえ、仕事の車でもね。誰にも教えちゃダメ、って。タクシーも、出前も取れないのよ」
「宅配や郵便物は?」
「今は、別に部屋を借りてるの。これから、仕事場にしようと思ってる」
「ほとんど私が番してるのよ」
と、シュウコさんが言った。
「シュウコちゃんとは、海外に居る時から知り合いなのよ」
「その頃から、色々頼まれてた。私も、仕事辞めたばかりだから、2人で事業始めようって」
「仕事って、今まで海外で何してたんですか?」
「出版社で、翻訳の仕事をしてた」
「私は、旅行会社で通訳の仕事してた時に、リカさんと知り合ったの」
「シュウコちゃんは、秘書な感じで、身の回りの事もしてくれるけど、」
「リカさんは車乗らないから、送り迎えも全部やらなきゃいけないしね」
「停まってた車はシュウコさんの?」
「そうよ」
「ただ、2人とも家事が苦手なのよね」
「苦手ながらに、昨日1日かけてここの掃除したのよ、私」
と、シュウコさん。
「ご苦労様です」
「誰か、家事全般やってくれる人いないかしらね」
「最近、コンビニ弁当が多いもんね」
「外食してこうよ、って言ったら、面倒臭いってこの人言うから」
「だって、待つの嫌なんだもん」
「海外のが待ちません?」
「あぁ、海外でも外食しなかった。家で作ってくれる人がいたから」
あぁだこぅだと、深夜まで話し、その日はみんな泊まっていくことにした。
みんな泊まれるだけの部屋があった。
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