真夏の一秒🏖

真夏の一秒🏖

バイトの中には一人、休みも帰らない人がいた。
最初の火曜日、仕事が終わって、宿舎に戻ると、1階で寛いでた。
ホール担当の田多匠海タダタクミくん、大学２年生だ。
「帰らなかったの？」
「帰ったってすることないし。ここにいた方が、楽しいじゃん」
「一人でつまんなくない？」
「家だって一人だし」
「そっか」
「一人じゃないし」
と、私の方を指す。
「あぁ」
「金衛さんも、一人より心強くないっすか？」
「う～ん、まぁ、そうね」
確かにね。一人よりいいかもしれない。
各自部屋には、シャワールーム、お手洗い、冷蔵庫や洗濯機も装備している。
客室になる予定だったからのことはあって、快適ではある。
シャワーを浴び、着替えてから、買い置きしてあるお菓子や飲み物を持って、1階に下りた。
近くには、コンビニと銭湯はあって、バイトの人たちは銭湯も利用しているようだ。
私は、来たすぐにコンビニでお菓子などを買いだめしたのだ。