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①
切ない愛のカタチ
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入社して、2か月が過ぎた頃だった。
午後休憩の後、検査①の主任・根元さんが製造部に来て、
「誰かこっち手伝ってくれない?」
と。
部長の梨田さんが、
「塚原、頼む」
と、私に言った。
真中さんも、
「ここいいから行ってあげて」
と言ったので、根元さんについて行った。
「悪いな」
「いえ」
検査①は根元さんと、もう一人いるはずだが、
「白井さんが、午後から急に休んじゃってさぁ。納期あるし困ってたんだ」
席に着くと、
「これ、検査前のね」
基盤が箱に入ってた。
「これを、この機械に通して、OKなら、こうやってランプが点く。NGの場合は警報が鳴る。わかった?」
「はい」
「で、検査済みは、こっちね。同じように並べってて。NGのはこのテープを貼って、こっちの隅に置く、と」
「はい」
「じゃ、やってみて」
言われるようにやってみた。
「うん、いいね。俺もこの隣で同じようにやってるから、わからないことがあったら、すぐに言って」
「はい」
「すぐに、だよ」
「はい、わかりました」
「じゃ、頼むね」
こうやって、作業をし、3時の休憩を挟んで、4時になった。
「これで終わりだな。助かったよ。ありがと」
「いえ」
「戻っていいよ」
と言われたので、製造部に戻った。
真中さんが、
「白井さん、お子さん小さくてね。急に休むことがあるのよ。検査部は検査部で協力し合う形が多いけど、今日は②の方も休んでる人いたみたいで」
「そう言えば、人少なかったですね」
「子供いるとね、どうしてもね」
真中さんは、今、28歳。結婚してて、5才のお子さんがいる。旦那さんが自営業で、子育てにも協力的だとか。『これも稀だからね』と言っていた。
結婚して、仕事するって大変だろうな。
うちのお母さんは専業主婦だけど。
家に帰って思い出してた。
根元さんってかっこいいなぁ、と。
優しくて、仕事も出来て。
また一緒に仕事したいなぁ。
次の日、休憩室で
「昨日はありがとな」
と、声をかけられた。
それからは、休憩中に見えると目で追ってしまってた。
常に誰かと話してる。
私は、仕事中にしか話しせてない。
3時の休憩もフロアを出た。
でも、笑い声が聞こえると、きっと、ユーモアもあって、一緒に居たら楽しいだろうなぁって、想像してた。
それきり、話すことはなかった。
午後休憩の後、検査①の主任・根元さんが製造部に来て、
「誰かこっち手伝ってくれない?」
と。
部長の梨田さんが、
「塚原、頼む」
と、私に言った。
真中さんも、
「ここいいから行ってあげて」
と言ったので、根元さんについて行った。
「悪いな」
「いえ」
検査①は根元さんと、もう一人いるはずだが、
「白井さんが、午後から急に休んじゃってさぁ。納期あるし困ってたんだ」
席に着くと、
「これ、検査前のね」
基盤が箱に入ってた。
「これを、この機械に通して、OKなら、こうやってランプが点く。NGの場合は警報が鳴る。わかった?」
「はい」
「で、検査済みは、こっちね。同じように並べってて。NGのはこのテープを貼って、こっちの隅に置く、と」
「はい」
「じゃ、やってみて」
言われるようにやってみた。
「うん、いいね。俺もこの隣で同じようにやってるから、わからないことがあったら、すぐに言って」
「はい」
「すぐに、だよ」
「はい、わかりました」
「じゃ、頼むね」
こうやって、作業をし、3時の休憩を挟んで、4時になった。
「これで終わりだな。助かったよ。ありがと」
「いえ」
「戻っていいよ」
と言われたので、製造部に戻った。
真中さんが、
「白井さん、お子さん小さくてね。急に休むことがあるのよ。検査部は検査部で協力し合う形が多いけど、今日は②の方も休んでる人いたみたいで」
「そう言えば、人少なかったですね」
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でも、笑い声が聞こえると、きっと、ユーモアもあって、一緒に居たら楽しいだろうなぁって、想像してた。
それきり、話すことはなかった。
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