未来からの降霊

ジャメヴ

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  とある金曜日。今日は姉の美麗の就職祝いとしてドライヤーをプレゼントする為、10時の開店直ぐから大手の電器量販店に来ている。内心、どうして同じ会社を受けて落とされた私が合格した美麗のお祝いをしないといけないのよ、という気持ちは少しあるけど、美麗が良い会社へ就職するというのは嬉しい。同じ大学で、ほぼ同じ成績。二卵性とはいえ、双子なので性格も似ているのに私だけ落ちちゃったの。面接で失敗したとかなら理解出来るけど、私だけ書類審査で落ちたという事に納得がいっていない。
「私も美麗も同じぐらいの成績なのに、何で美麗だけ受かるのよ」
「ちょっと運が良かっただけよ。あっ、これ可愛くない?」
美麗が指差したドライヤーは黒っぽいグレーに少しピンクが入った、一見ドライヤーとは思えない変わったデザインをしている。好みは人それぞれだと思うけど、私も良いと思った。流石は双子だなと思いながら話す。
「9,800円だって。どう?  高くない?」
お金を出すのは私なので、美麗は確認してきた。
「良いんじゃない?  でも、隣のも同じ値段だよ」
「え~!  ちょっと見た目がね……」
私が指差したドライヤーは真っピンクでちょっと下品な感じがする。男性はドライヤーなんかにこだわらない人が多いし、真っピンクは女性受けを狙ったものだと思うけど、やり過ぎている印象がした。
「でも、家で使うんだから見た目より性能じゃない?あっ、すみません!」
ちょうど店員さんが通りかかったので、私は呼び止めた。
「何かお探しですか?」
店員さんは忙しさを出さずに笑顔で接客する。
「こちらの2つのドライヤーって違いありますか?」
「メーカーが違いますが、性能的には、ほぼ同じですね。風量、熱量、マイナスイオンと互角の性能です」
「そうなんですね」
「まあ、個人差もありますが、デザインで決められるのが良いと思います」
「性能が一緒なら断然こっちよね」
「そうね。じゃあ、お安く出来ます?」
「では……」
店員さんはポケットから電卓を取り出し打ち込み見せた。1万ちょうどだ。
「税込みで、ピッタリこちらでどうですか?」
「ありがとう。じゃあ、決定で」
「お買い上げありがとうございます」

  買い物を済ませた私と美麗は店を出る。
「じゃあ、改めて就職おめでとう」
特にラッピングはしていないけど、姉妹なのでそこは気にしない。多分、美麗も気にしないと思う。
「ありがとう。大切にするね」
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