未来からの降霊

ジャメヴ

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  日本では美女を花に例える事が多いが、私には花の知識が無いので、撫子だの芍薬だの言われてもよく分からない。子供の例えとして天使の様だというのをよく聞く。仕事から帰って来て、子供の顔を見ると疲れが吹っ飛ぶのだと言う。まさに今、彼女の笑顔を見て、最近の疲れが全て吹っ飛んだ。こんな若い美人がおじさんを相手にしない事など分かってはいるが、好きになってしまったものはしょうがない。だが、入社面接等の断りづらい状況を利用しての誘いはトラブルの元だ。過去に何度かニュースで聞いた事がある。と、色んな事を考え過ぎて、変な間が出来たのに気が付いた時、彼女が笑顔で話す。
「もし、内定をもらえたら就職祝いにご馳走してください」
「あ、あ、ああ。喜んで」
急な依頼に戸惑って、変な返しをしてしまった。平静を装いながら、会計票を手に取り、レジに向かうと彼女は先に店を出た。支払いを済ませて、私も外に出る。
「ご馳走様でした」
「いえいえ」
「今日はありがとうございました。宜しくお願いします」
「こちらこそ。じゃあ、会社に戻りますので」
「良い知らせ待っています」
彼女は笑顔で私を見送った。私は、彼女を合格にするのは面接での対応が良かったからだ、と美女だからでは無いという事を自分に言い聞かせながら、会社へ向かう。
  彼女との会話をニヤニヤしながら思い出していると、自分のついた嘘のバレやすさに気付いた。下村姉が確かめようとマンションを見に来たら嘘だとバレる。だが、不倫という嫌な別れ方をしたから、ジャガーズマンションには来たくないだろうと思う。まあ最悪の場合、既に引っ越したと言えば問題無いだろう。
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