2 / 6
新田龍馬
しおりを挟む
「御協力ありがとうございました」
献血を終えた私は、駅へ向かいました。初めて来た場所なのでスマホのナビを見ながら歩いていると……。
「美優、何してるんだ?」
左から聞き覚えのある声が聞こえたんです。見ると、予想通り、幼馴染みの同級生、新田龍馬でした。
龍馬はハッキリとした理系。数学と化学と物理は、ほぼ満点だけど、他の科目は全て赤点ギリギリ。サッカー部のエースストライカーです。冬だというのに褐色の肌で、白い歯が映えて見えます。180センチ弱の高身長にしては、足が長いというイメージは無いです。足が太い為だと思います。顔立ちは整っていますが、髪の毛はボサボサで私服はいつもジャージ。ファッションに興味が無いんだと思います。今日は、真新しいスポーツブランドのビニールバッグを左肩に掛けています。何か買い物でもしてたのかな?
「ちょっと献血してたの。龍馬は?」
「ああ、シューズが壊れたから新しいやつを買いに来た」
「そうなんだ」
「大造さん、スポーツ店も経営してくれたらいいのに」
大造さんというのは、私達が住んでいる島の地主、森岡大造さんの事です。60歳ぐらいで7,3に分けた真っ黒な髪、背は低めでポッチャリして、いつもニコニコしています。かわいい狸って感じです。私達の島は、大造さんが経営するアミューズメント施設、「フラワーランド」が島の北側のほとんどを占め、南側は島民の住宅地になっています。島民は約100人。大人のほぼ全員が「フラワーランド」のスタッフなんです。だから、島民は大造さんに頭が上がりません。普通、大金持ちの地主さんって嫌な人が多いイメージですけど、大造さんは凄く良い人で、お金にも汚く無く、島民なら無利子で大金を貸してくれます。ほとんどの島民家族がお金を借りているんじゃ無いかな? みんな幸せに暮らしています。
「龍馬も電車で帰るのよね?」
「ああ、一緒に帰るか」
少し濡れた横断歩道を、滑らないように気を付けながら、龍馬と並んで駅へ向かう途中、宝くじ売り場が見えたので、私は昨日のニュースを思い出し、話し掛けます。
「そう言えば、宝くじ売り場の店員さんが日本全国全て AI に変わったんだってね」
「そうなのか? まあ、ここの売り場は5年ぐらい前から AI 化されてたしな」
「『フラワーランド』も AI 化が進んでるもんね」
「まあ、着ぐるみも AI が増えてるけど、やっぱり人気のスタッフは AI に負けてないからね」
夏場等は、特に熱中症の問題が有り、AI 化が進んでいるんですけど、まだまだ AI では人間の表現力に及ばないです。
「龍馬は最近気になるニュースあった?」
「ああ、中国の病院で、医者と看護師が原因不明で何人も亡くなってるんだ。バイオテロかもしれない」
「そうなんだ、知らなかった……」
私は、流石は理系男子だなと思いながら、龍馬の後に続き、改札を抜けました。
献血を終えた私は、駅へ向かいました。初めて来た場所なのでスマホのナビを見ながら歩いていると……。
「美優、何してるんだ?」
左から聞き覚えのある声が聞こえたんです。見ると、予想通り、幼馴染みの同級生、新田龍馬でした。
龍馬はハッキリとした理系。数学と化学と物理は、ほぼ満点だけど、他の科目は全て赤点ギリギリ。サッカー部のエースストライカーです。冬だというのに褐色の肌で、白い歯が映えて見えます。180センチ弱の高身長にしては、足が長いというイメージは無いです。足が太い為だと思います。顔立ちは整っていますが、髪の毛はボサボサで私服はいつもジャージ。ファッションに興味が無いんだと思います。今日は、真新しいスポーツブランドのビニールバッグを左肩に掛けています。何か買い物でもしてたのかな?
「ちょっと献血してたの。龍馬は?」
「ああ、シューズが壊れたから新しいやつを買いに来た」
「そうなんだ」
「大造さん、スポーツ店も経営してくれたらいいのに」
大造さんというのは、私達が住んでいる島の地主、森岡大造さんの事です。60歳ぐらいで7,3に分けた真っ黒な髪、背は低めでポッチャリして、いつもニコニコしています。かわいい狸って感じです。私達の島は、大造さんが経営するアミューズメント施設、「フラワーランド」が島の北側のほとんどを占め、南側は島民の住宅地になっています。島民は約100人。大人のほぼ全員が「フラワーランド」のスタッフなんです。だから、島民は大造さんに頭が上がりません。普通、大金持ちの地主さんって嫌な人が多いイメージですけど、大造さんは凄く良い人で、お金にも汚く無く、島民なら無利子で大金を貸してくれます。ほとんどの島民家族がお金を借りているんじゃ無いかな? みんな幸せに暮らしています。
「龍馬も電車で帰るのよね?」
「ああ、一緒に帰るか」
少し濡れた横断歩道を、滑らないように気を付けながら、龍馬と並んで駅へ向かう途中、宝くじ売り場が見えたので、私は昨日のニュースを思い出し、話し掛けます。
「そう言えば、宝くじ売り場の店員さんが日本全国全て AI に変わったんだってね」
「そうなのか? まあ、ここの売り場は5年ぐらい前から AI 化されてたしな」
「『フラワーランド』も AI 化が進んでるもんね」
「まあ、着ぐるみも AI が増えてるけど、やっぱり人気のスタッフは AI に負けてないからね」
夏場等は、特に熱中症の問題が有り、AI 化が進んでいるんですけど、まだまだ AI では人間の表現力に及ばないです。
「龍馬は最近気になるニュースあった?」
「ああ、中国の病院で、医者と看護師が原因不明で何人も亡くなってるんだ。バイオテロかもしれない」
「そうなんだ、知らなかった……」
私は、流石は理系男子だなと思いながら、龍馬の後に続き、改札を抜けました。
0
あなたにおすすめの小説
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる