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第3部 天の碧落
第2章 黄昏のルナシス 2
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「本当にありがとうございます。頼りになるのは貴方だけですわ」
鈴の鳴るような可憐なセリス王女の声が、目前の紳士に向けられた。
ネリスの諸侯の中でも特に有力者である、ジョン・ローランズ候である。
「おまかせ下さい。最近の陛下のご様子には、臣下一同心を痛めていたところでもあります。……近頃の陛下はどうかしておられる。以前の陛下はあのようなことはありませんでしたのに。何かをお決めになる時は、必ず我等諸侯の意見を聞き、耳を傾けてくださっていた。それなのにどうしたことか、最近の陛下は。……憂えることです」
年かさのいった候は、片手を胸に当て、床に片膝をつくとそっと王女の手をとって口づけた。
「わたくしからも進言してみますので、どうかご安心を」
「本当ですか? ぜひお願いいたします。わたくしとしましても、とても心を痛めておりましたの。町の有様について、噂をお聞きになりまして? よもや、お父様があのような恐ろしいことを本当になさるとは……いまだに信じられません」
候が熱っぽい瞳でセリス王女を見つめた。
「市井の者にまでお心を砕かれるとは、姫君はなんとお優しいのでしょう!」
王女は候から手を引っ込めると、小さくかぶりを振った。
「王女として、国の成り行きに心を痛めるのは当然のことですわ。ローランズ候──わたくしは、恐ろしいのです。この国がこれから先、どうなってしまうのかを思うと」
候は深く頷いた。
「トリニティ王女の一件も、早く事が済むと良いのですが。ワーナー卿は何をしておられるのでしょうか。まだ派兵の準備も整わないようなのです」
「勇者様お一人を責めるわけにはまいりませんわ。前回の件がありましたから、派兵に名乗りをあげる者がいないとか」
「それはまあ……それに、準備も軍資金も必要ですが、ままならぬ状況だともいいますからな。姫君の憂いをお晴らしするためならば、我が領地の兵士に名乗りをあげさせましょう」
「まあ……ありがとうございます! 候は本当に、頼もしい方ですのね」
セリス王女の可憐な頬が嬉しげに染まり、心から頼もしそうに候を見つめた。ローランズ候は思わず息を呑み、セリス王女に見惚れた。
王女にその顔をさせたのは自分なのだ──とでも言わんばかりに、誇らしげに胸を張る。
「お任せください姫君! 軍資金が足りずに派兵が出来ないのであれば、わたくしめが陛下に都合をつけるよう申し出ましょう! 必ずや姫君の憂いを晴らしてご覧に入れます!」
「本当ですか? ──嬉しいですわ」
候を見つめるセリス王女の瞳に、尊敬の念さえ浮かぶ。ローランズ候は感極まって、あやうく泣き出しそうになった。
「これを──」セリス王女が両手を首の後ろに回し、胸に輝く輝石の鎖を外した。「わたくしのお礼の気持ちです。お持ちくださって。お母様の形見の品ですけれど、わたくしの持ち物など、これくらいしかなくて──」
候は慌てた様に王女に輝石を押し返した。
「とんでもありません! 亡き王后陛下の形見の品など、いただけません! 姫君のお気持ちだけで十分でございます!」
「でも、わたくし──」
「なりません!」候は激しく首を振った。「どうか、お納めを」骨ばった無骨な手が精一杯優雅にまわされ、輝石を再びセリス王女の胸元に留めた。
候が立ち上がった。頬を上気させ、不自然にも思える大声で言った。
「では! わたくしはこれにて失礼いたします! 朗報をお待ちください、姫君! 次にわたくしとまみえる時には、姫君の憂いは晴れておりますぞ!」
朗々と歌うように言って、候は部屋から出て行った。
セリス王女は片手をあげてにこやかに候を見送る。候が退室し、姿が見えなくなる。
「──本当に、馬鹿らしいことですわ。なんて簡単なのでしょう」
その可憐で儚げな外見とは異なった、冷め切った声が、冷たい言葉を放った。掻き揚げた指の間から、さらさらと銀の髪が零れ落ちる。
「──その手を使うのはお止めになったらいかがです?」
室内の衝立の陰から、バリトンの声が聞こえてきた。
「いつか誰かが、本当に形見の輝石を受け取ったら、どうするおつもりです?」
紫の瞳が氷の煌めきのように輝いて、衝立の陰に身を置く人物──勇者ワーナーに向けられた。勇者の衣服の上衣は軽く乱れて、この部屋の中にしばらく……くつろいでいた様に見えた。
セリス王女は勇者の貴族然とした整った顔立ちをじっと見つめながら言った。
「あら。そのようなヘマはいたしませんわ」
勇者が顔をしかめた。
「王女という立場にある者に、らしからぬ言葉遣いですね。どこで覚えられたのですか」
「どこででもよろしくてよ」
「セリス王女」勇者ワーナーが溜息をついた。「あなたは何をなさりたいのですか。何をなさろうとしておいでなのですか。私には……」
「私には、何ですの?」
セリス王女がワーナーの目の前に立った。片膝を勇者の膝の上に乗せる。白い繊手が伸び、乱れた上衣の上に落ちた。
勇者が顔をあげた。
先ほどのローランズ候とは違い、セリス王女の外見に惑うことのない者の……力の篭った目だった。
「そのような戯れを、どこで覚えられましたか」
セリス王女が頬に朱をさした。怒ったように頬を膨らませ、あっという間に王女の身体が勇者から離れる。
「王女!」
実の娘を嗜めるようなその口調に、セリス王女は大いに気分を害したようにぞんざいに言い放った。
「続きを!」
勇者は再び溜息をついた。
「……私には、あなたこそがこの国を乱しているように見えますが」
王女が振り返った。
「どこがですの? わたくしが何か言いましたか? お父様に、民の虐殺をそそのかすような事を、一言でも? わたくしは止めましたわ! 今だって、いつだって、戦を憂い、要らぬ争いを避けようとしているではありませんの!」
「……そうですね……」
セリス王女がその口から吐き出した言葉は、確かにそうだ。王女として正しい、人として間違っていない台詞を確かに喋っている。
それなのに、なぜなのか。
「わたくしは間違ったことなど何一つ言っていません!」
彼女の口から言葉が出、それが他の者の耳に届いた途端。それらは歪んでしまう。
王女は言った。
不安で夜も眠れないと。
悪魔はいつでも自分を害しにやってこれる。
城の中でも安心できない。
姉は自分を憎んでいるのだろうと。
王は答えた。
では、城の中も、外も。
この首都も国内のすべての、外見で十歳前後に見える娘はすべて殺せと。
王女は確かに言った。
そんな惨い事をと。
自分はそんなことを望んだわけではないと。
確かに言った。
今でさえそうだ。
彼女はローランズ候に言った。
不安です。国の行く末をを憂えているのですと。
確かに彼女はそういったのだが、候の返答はこうだった。
お任せください。
その憂いを晴らすため、自分は派兵に協力しましょうと。
セリス王女は怒ったように言い放った。
「それが、相手にどのように伝わり、相手がどのような行動に移そうと、私の知ったことではありませんわ!」
彼女の言葉は、必ず歪む。
まさに『傾国』。
これこそが──セリス王女が『傾国』と言われた所以なのだ。
「それに」セリス王女は勝ち誇ったように笑った。「大丈夫。ちゃんとわたくしの思惑通りに動いていますわ!」
「思惑?」
「ええ! 思惑と言うほどの事でもありませんわね。──わたくしはだた、自分の思うとおりに生きたいと思うだけですわ。わたくしが、わたくしとしてあろうとするのを、誰にも邪魔はさせません」
勇者ワーナーを見つめるセリス王女の瞳に、力が篭った。
「たとえ──お父様にさえもね」
その瞳はアレクシスが持ち、トリニティが持ち、ベルダ司祭が持つ。
アイゼンメルドで『死を待つ者の家』に居た人々が持ち、町の生き残りたちが持つ。
それは己の人生を己の力だけで生き抜く者に特有のものだ。
そう生きることを、とうの昔に決意し、その渦中に身を投じてしまっている者に特有の。
(続く)
+-----------------------------+
| 「語バラ(裏)」
+-----------------------------+
今回はお休みです。
鈴の鳴るような可憐なセリス王女の声が、目前の紳士に向けられた。
ネリスの諸侯の中でも特に有力者である、ジョン・ローランズ候である。
「おまかせ下さい。最近の陛下のご様子には、臣下一同心を痛めていたところでもあります。……近頃の陛下はどうかしておられる。以前の陛下はあのようなことはありませんでしたのに。何かをお決めになる時は、必ず我等諸侯の意見を聞き、耳を傾けてくださっていた。それなのにどうしたことか、最近の陛下は。……憂えることです」
年かさのいった候は、片手を胸に当て、床に片膝をつくとそっと王女の手をとって口づけた。
「わたくしからも進言してみますので、どうかご安心を」
「本当ですか? ぜひお願いいたします。わたくしとしましても、とても心を痛めておりましたの。町の有様について、噂をお聞きになりまして? よもや、お父様があのような恐ろしいことを本当になさるとは……いまだに信じられません」
候が熱っぽい瞳でセリス王女を見つめた。
「市井の者にまでお心を砕かれるとは、姫君はなんとお優しいのでしょう!」
王女は候から手を引っ込めると、小さくかぶりを振った。
「王女として、国の成り行きに心を痛めるのは当然のことですわ。ローランズ候──わたくしは、恐ろしいのです。この国がこれから先、どうなってしまうのかを思うと」
候は深く頷いた。
「トリニティ王女の一件も、早く事が済むと良いのですが。ワーナー卿は何をしておられるのでしょうか。まだ派兵の準備も整わないようなのです」
「勇者様お一人を責めるわけにはまいりませんわ。前回の件がありましたから、派兵に名乗りをあげる者がいないとか」
「それはまあ……それに、準備も軍資金も必要ですが、ままならぬ状況だともいいますからな。姫君の憂いをお晴らしするためならば、我が領地の兵士に名乗りをあげさせましょう」
「まあ……ありがとうございます! 候は本当に、頼もしい方ですのね」
セリス王女の可憐な頬が嬉しげに染まり、心から頼もしそうに候を見つめた。ローランズ候は思わず息を呑み、セリス王女に見惚れた。
王女にその顔をさせたのは自分なのだ──とでも言わんばかりに、誇らしげに胸を張る。
「お任せください姫君! 軍資金が足りずに派兵が出来ないのであれば、わたくしめが陛下に都合をつけるよう申し出ましょう! 必ずや姫君の憂いを晴らしてご覧に入れます!」
「本当ですか? ──嬉しいですわ」
候を見つめるセリス王女の瞳に、尊敬の念さえ浮かぶ。ローランズ候は感極まって、あやうく泣き出しそうになった。
「これを──」セリス王女が両手を首の後ろに回し、胸に輝く輝石の鎖を外した。「わたくしのお礼の気持ちです。お持ちくださって。お母様の形見の品ですけれど、わたくしの持ち物など、これくらいしかなくて──」
候は慌てた様に王女に輝石を押し返した。
「とんでもありません! 亡き王后陛下の形見の品など、いただけません! 姫君のお気持ちだけで十分でございます!」
「でも、わたくし──」
「なりません!」候は激しく首を振った。「どうか、お納めを」骨ばった無骨な手が精一杯優雅にまわされ、輝石を再びセリス王女の胸元に留めた。
候が立ち上がった。頬を上気させ、不自然にも思える大声で言った。
「では! わたくしはこれにて失礼いたします! 朗報をお待ちください、姫君! 次にわたくしとまみえる時には、姫君の憂いは晴れておりますぞ!」
朗々と歌うように言って、候は部屋から出て行った。
セリス王女は片手をあげてにこやかに候を見送る。候が退室し、姿が見えなくなる。
「──本当に、馬鹿らしいことですわ。なんて簡単なのでしょう」
その可憐で儚げな外見とは異なった、冷め切った声が、冷たい言葉を放った。掻き揚げた指の間から、さらさらと銀の髪が零れ落ちる。
「──その手を使うのはお止めになったらいかがです?」
室内の衝立の陰から、バリトンの声が聞こえてきた。
「いつか誰かが、本当に形見の輝石を受け取ったら、どうするおつもりです?」
紫の瞳が氷の煌めきのように輝いて、衝立の陰に身を置く人物──勇者ワーナーに向けられた。勇者の衣服の上衣は軽く乱れて、この部屋の中にしばらく……くつろいでいた様に見えた。
セリス王女は勇者の貴族然とした整った顔立ちをじっと見つめながら言った。
「あら。そのようなヘマはいたしませんわ」
勇者が顔をしかめた。
「王女という立場にある者に、らしからぬ言葉遣いですね。どこで覚えられたのですか」
「どこででもよろしくてよ」
「セリス王女」勇者ワーナーが溜息をついた。「あなたは何をなさりたいのですか。何をなさろうとしておいでなのですか。私には……」
「私には、何ですの?」
セリス王女がワーナーの目の前に立った。片膝を勇者の膝の上に乗せる。白い繊手が伸び、乱れた上衣の上に落ちた。
勇者が顔をあげた。
先ほどのローランズ候とは違い、セリス王女の外見に惑うことのない者の……力の篭った目だった。
「そのような戯れを、どこで覚えられましたか」
セリス王女が頬に朱をさした。怒ったように頬を膨らませ、あっという間に王女の身体が勇者から離れる。
「王女!」
実の娘を嗜めるようなその口調に、セリス王女は大いに気分を害したようにぞんざいに言い放った。
「続きを!」
勇者は再び溜息をついた。
「……私には、あなたこそがこの国を乱しているように見えますが」
王女が振り返った。
「どこがですの? わたくしが何か言いましたか? お父様に、民の虐殺をそそのかすような事を、一言でも? わたくしは止めましたわ! 今だって、いつだって、戦を憂い、要らぬ争いを避けようとしているではありませんの!」
「……そうですね……」
セリス王女がその口から吐き出した言葉は、確かにそうだ。王女として正しい、人として間違っていない台詞を確かに喋っている。
それなのに、なぜなのか。
「わたくしは間違ったことなど何一つ言っていません!」
彼女の口から言葉が出、それが他の者の耳に届いた途端。それらは歪んでしまう。
王女は言った。
不安で夜も眠れないと。
悪魔はいつでも自分を害しにやってこれる。
城の中でも安心できない。
姉は自分を憎んでいるのだろうと。
王は答えた。
では、城の中も、外も。
この首都も国内のすべての、外見で十歳前後に見える娘はすべて殺せと。
王女は確かに言った。
そんな惨い事をと。
自分はそんなことを望んだわけではないと。
確かに言った。
今でさえそうだ。
彼女はローランズ候に言った。
不安です。国の行く末をを憂えているのですと。
確かに彼女はそういったのだが、候の返答はこうだった。
お任せください。
その憂いを晴らすため、自分は派兵に協力しましょうと。
セリス王女は怒ったように言い放った。
「それが、相手にどのように伝わり、相手がどのような行動に移そうと、私の知ったことではありませんわ!」
彼女の言葉は、必ず歪む。
まさに『傾国』。
これこそが──セリス王女が『傾国』と言われた所以なのだ。
「それに」セリス王女は勝ち誇ったように笑った。「大丈夫。ちゃんとわたくしの思惑通りに動いていますわ!」
「思惑?」
「ええ! 思惑と言うほどの事でもありませんわね。──わたくしはだた、自分の思うとおりに生きたいと思うだけですわ。わたくしが、わたくしとしてあろうとするのを、誰にも邪魔はさせません」
勇者ワーナーを見つめるセリス王女の瞳に、力が篭った。
「たとえ──お父様にさえもね」
その瞳はアレクシスが持ち、トリニティが持ち、ベルダ司祭が持つ。
アイゼンメルドで『死を待つ者の家』に居た人々が持ち、町の生き残りたちが持つ。
それは己の人生を己の力だけで生き抜く者に特有のものだ。
そう生きることを、とうの昔に決意し、その渦中に身を投じてしまっている者に特有の。
(続く)
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今回はお休みです。
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