純白のガンブレイダー 〜TSアルビノ美少女、産廃職でエンジョイプレイします〜

神無フム

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女の子になりました

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 カーテンの隙間から差し込む光が、液晶型のバイザーを照らす。
 ゆっくり身体を起こし、頭に着けていたヘルメットライプのヘッドセットを取り外す。

「んにゃ……」

 軽く手足の伸びをした後、側にあるスマートフォンで時間の確認をする。
 現在の時刻は午前6時30分だった。欲をかいて1時間以上もプレイしてしまった事を、今更ながら少し後悔してしまう。

 従姉はヤオヨロズ学園高等部に務める教員なので、早くて30分後くらいに家を出るはず。
 朝食の準備は、今から行えば十分間に合うだろう。

 二人ともそんなに食べる方では無いので、献立は洋風でド安定の軽食でいく予定だ。
 先ずは急いで制服に着替えて、一階に下りなければいけない。

 というわけで服を脱ごうとしたボクは、

「あれ……なんか視界がすごくクリアだ……?」

 アルビノで弱視だった目が、まるで仮想世界にいるかの様に部屋の中を鮮明に映すことに気付いた。
 普段なら眼鏡を掛けても、こんなにくっきり見えることはない。
 試しに眼鏡をかけてみると、逆に普段の様に視界が大きくぼやけてしまった。

 ……昨日の今日で、視力が大幅に回復するなんて事があるのだろうか。

 全く分からない。どういう事だと困惑しながらも、視界を歪める眼鏡を外して枕元に置く。
 試しに以前くじ引きの景品で従姉から貰った、ネコの壁掛け時計に視線を向ける。

 そうすると裸眼で初めて、そこに刻まれている数字をハッキリ読み取ることができた。
 あー、6時で止まってる。電池かえないといけないなぁ。

 現実逃避しながらボクは、お気に入りのフード付きネコパジャマを脱いだ。
 そしていつも事前に準備している男子制服を着ようとして。

「え、なにこれ……」

 そこでようやく自分の身体に起きている、けして無視することのできない異常事態に気がついた。
 上に着ている薄いインナーが、僅かに盛り上がって小山が出来ている。

 ──これは、まさか胸?

 いや、冷静に考えてそんなモノがあるはずがない。

 ボクは紛れもなく男性だ、毎日風呂場で自分の身体を確認しているのだから間違いない。
 精神は女性側に近いが、そのチグハグな状態を小さい時から解決できなくて悩まされているのだ。

 戸惑いながらも触れると指は引っ掛かり、微かな膨らみを掴む事ができた。
 まるで虫に刺されたのかと思うほどの、確かな弾力と存在感を手の中で主張している。

 ここで思い出したのは、今まで忘れていたベータテスト終了直後に起きた不可解な現象。
 世界の真実を見るような恐ろしい景色の中、あの時にボクはゲーム内でよく聞いていた世界のアナウンスで。

【──アナタは自分を修正しますか?】

 と、問い掛けられて『Yes』と答えた。
 つまりアレが夢や幻じゃないのだとしたら、この身体は生まれつきの弱視が改善された上に女性になった事を意味する。

 ビバ夢の女子ライフ!
 可愛い服を堂々と着てお出かけしたり、女性限定のスイーツ食べ放題に行ったりできるんだ!

「なーんて、現実でそんなことあるわけないよね。いくら女の子になりたいからって、さすがに夢見すぎだよ……」

 視力は置いといて、胸だけでは決定的にはなり得ないと首を横に振り否定する。
 だが腫れているのであれば、それはそれで大問題だった。

 いつも綺麗に整理している部屋の中を見回す。そんなヤバそうな害虫の気配がない事に内心ホッとする。
 何か大変な病気の可能性を考えながらも、恐る恐る慎重になってパンツ以外の服を床に脱ぎ捨てた。

 自室とはいえパンツしか身につけないのは、流石に少々恥ずかしかった。
 こんな現場を従姉に見られたら、なんで朝からストリップショーをしてるんだと変な顔をされるのは間違いない。

 従姉が初任給で買ってくれた大切な姿鏡に、中々肉の付かない貧相な身体が映る。
 セミロングヘアの髪も肌も真っ白で、青いつぶらな瞳は不安そうな色を宿していた。

 その目は眼鏡を掛けていた頃よりも、鮮明に細部をボクの脳に見せてくれる。
 改めて綺麗な白髪だなと見惚れながらも、息を呑んで胸部をしっかり確認する。

 疑惑のある胸に関してだが、明らかにぷっくりと膨れている事が分かった。
 弾力はしっかりあって痛みはない、腫物の類なら痛いと思うので違うと思う。

 サイズは恐らく、……Aくらいか?
 仮に虫に刺されてこんな腫れ方をしたら、今日は学校よりも先に病院に行くべきだと思う。
 とはいえこれだけでは判断し難い、やはり決定的となるのは有無の二択しかない下の方か。

 下、下の方ね……。
 意識を下半身に向けて、ボクは何とも言えない顔をする。
 実は感覚的には、起きた時からずっと大きな違和感を感じていた。

 ……ぶっちゃけた話、無いような気がする。

 生れた時から付き合っているアレがあるのなら、自分はハッキリ存在を認識できる。
 だが感覚的にアレを感じられない事から、下がどうなっているのかなんて火を見るより明らかだ。
 それなのに目で見て確認をしようとするのは、この異常な状況をより確固たるものにする為。

 なんだろう、下手なホラーゲームをプレイするよりも緊張した。
 慎重になってボクサーパンツに指を掛け、ゆっくり下に落としていった。そして鏡に映ったのは、

「やっぱり無くなってるよね……」

 小さくて分からないとか、もはやそういう次元では無かった。

 この15年間ともにあったが、どう見ても跡形もなく消失している。

 何度も目を擦って確認した。
 だけど付いていない、いつも存在を控えめに主張している小さき分身が。
 もしかしてここはまだ夢の中で、女の子になったヤッターって喜んだら実は夢オチでしたって考える方がまだリアリティがある。

 どういう事だ、これは現実なのか夢なのか。
 有り得ない現象に気が動転して、呼吸が激しく乱れてしまう。
 なんとか落ち着こうと深呼吸をするけど、ここまで乱れていると効果はあまりなかった。

 嬉しいと同時に自分の常識的な部分が、この事は伯父達に伝えないとヤバいと事の重大さを訴える。
 衝撃のあまり腰を抜かした自分は、ぺたんと冷たい床に尻もちをついた。

「ぼ、ぼく……本当に女の子になったよ……」

 ぎこちない笑みを浮かべ、声が震える理由は歓喜か憂虞ゆうぐか。

 鏡に映っているのは、誰がどう見ても白髪の少年ではなく少女だった。

 
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