純白のガンブレイダー 〜TSアルビノ美少女、産廃職でエンジョイプレイします〜

神無フム

文字の大きさ
63 / 68
第二章

イベントのアドバイス

しおりを挟む
 本日は紗耶姉さん、守里さん、秋乃あきの知恵ちえさんの四人で集まった。
 題して第三層攻略お祝い会。

 ベータ版ではボクですらお目に掛かっていない〈カラミティ・テュポーン〉を紗耶姉さん率いる〈ホワイト・リリーズ〉は倒してみせたのだ。
 今いる場所は、中央区にある有名店のケーキバイキング。

 値段は、お一人様2500円くらい。
 本当はチームの三人も呼びたかったけど、龍華と優奈は家族とのお付き合い日。

 ミカゲ先輩に関しては、無理スタンプを連打されてしまった。
 親友二人もだが、ミカゲ先輩に関してもしょうがない。

 少しずつリアルでも挨拶くらいはできるようになったけど、外食をするハードルは高いのだから。
 一度目隠しでボクが食べさせるのを提案してみたが、それは流石に絵面がヤバいと、親友二人から止められてしまった。

 最終兵器はやはりダンボールか。
 そんな事を考えながらも、ボクは意識をこの場に戻した。

「紗耶姉さん、守里さん、知恵さん、第四層進出おめでとうございます」

 各々取ったケーキを前に、お祝いの言葉を贈る。

「本当にすごいです、世界トレンドに上がってテレビとSNSでも話題になってましたね」

「ありがとう、面と向かって言われると照れるな」

「星空さんから言われると、感動もひとしおですね」

「感動するのはそこまでにして、制限時間があるから早く食べよう」

 ハンカチを手に感動する二人に、紗耶姉さんが苦笑して促す。
 このケーキ屋は、雑誌やテレビでも報道される程に有名だ。
 ボク達のテーブルの上には、どれから手を付けるか迷うほどのスイーツが並んでいる。

「星空さんは、どんなケーキが好きですか?」

「基本なんでも好きですけど、最近はイチゴのタルトにハマってます」

「なるほど、タルト良いですよね。今度会議で自宅に集まるときには作ってお伺いしますね」

「ありがとうございます、知恵さん」

「おい、それならアタシも新作の衣装が手に入ったから星空にプレゼントするぞ!」

「あ、ありがとうございます」

 知恵さんの考えに守里さんも便乗してくる。
 家に遊びに来るのにプレゼントなんていらないんだけど、なんで二人はこういう所で競うのか。

 ボクは目の前のいちごタルトを、フォークで小さく切り分け口に運んだ。
 うーん、甘酸っぱいのとカスタードクリームの優しい甘さ、サクサク生地が合わさって最高だね。

 幸せな気持ちでタルトを口に運ぶ。
 するとテーブルとケーキが並んでいるスペースを五往復している守里さんが、ふと思い出したかのようにこう言った。

「明日のイベントをクリアしたら、星空達は一気にボスまで話が進みそうだな」

「そうですね、少なくとも一週間以内には挑むことになると思います」

 紙に包まれたアップルパイを、守里さんは豪快に手づかみで食べる。
 彼女はパイが好きなのか、皿の上にはパイナップルパイ、ブルーベリーパイ、梨パイと種類豊富だった。

 パイは出来たてが一番だが、この店のは冷めても食感が変わらないらしい。
 サクッサクッと小気味良い音が耳に届く。

「その為にも明日のチーム戦は、絶対に一位にならないといけません」

「チーム戦か、第二階層に星空達と互角のチームっていたっけ?」

 守里さんは隣でフォークを使い、上品にティラミスを口に運んでいる知恵さんに尋ねた。

「強いて挙げるのなら〈阿修羅会〉とか〈世界はアットホーム〉でしょうか」

「なんか厨二病的な名前と、社会の闇を感じる名前だな」

「〈阿修羅会〉は単純な個々の実力はそれなりって感じですが、ボスを倒すほどの戦略力はありませんね。なによりもリーダーに難がありです。
〈世界はアットホーム〉に関しては、練度は高くても個々の実力が未だ足りてない感じです」

「かゆいところに手が届かない感じがして、ムズムズしてくる話だな」

 あと一つピースがハマったら化けるかもしれない。
 しかしその一つが、致命的に足りていない。
 知恵さんの話から、そんな印象をボクも感じた。

「ま、そいつ等が相手なら苦戦はしないだろうな。
 なんせその気になれば、星空には使い魔がいるし一人で砲弾の雨を降らせるチート戦力。
 加えて〈ホワイトリリーズ〉のメンバーとも互角に戦えるメンツが三人、相手が可哀想になる戦力差だ」

「何といっても一番の欠点は両チームとも、星空さんみたいに絶対的なエースがいないことですね」

「エースは大事だな、今の第三層に進出してるトップ集団も一人は必ず強い奴がいるし」

 守里さんの言葉にボクも同意する。

「わざわざ他国から引っ越してきた人達ですよね。
 一番攻略が進んでるからって理由で、ヤオヨロズ市に多額の資金を支払って来たのを聞いたときは耳を疑いましたよ」

 やる予定なんて1ミリもないから知らなかったけど、獲得した資金を使いプレイヤーデータを他のサーバーに異動する事ができるらしい。
 ただその金額は三桁万円と中々に高額。

 そこまでして攻略が進んでいる地域に来るのは、ゲーマーだからなのか、それとも他に考えがあるのか。
 SNSではスパイ論まで噂されていたけど、真剣に攻略してる姿を生放送で見ている内に発言者は減少していった。

「そんな海外のヤバい人達もいませんし、難易度はイージーモードです」

「強いていうなら、超強いことで有名だから最初にみんなで囲んで倒そうって状況には陥りそうだよな」

「一番の不安はそれだけですね」

「敵がどれだけいても問題はない。目につく敵を全て切り倒せば良いんだから」

 話に割り込んできた紗耶姉さんは、実にこれ以上ないほどにシンプルな回答をした。

「バトルロイヤル形式のイベントだ、アレコレ考えたところで意味はないだろう。
 潜伏も相手が結託してると意味がないし、時間を与えると不利になる。
 それなら最初から目につく敵を、一つ一つ堅実に潰した方が確実だ」

「「「なるほど」」」

 これ以上ない解答に思わず三人で頷く。
 紗耶姉さんはチョコムースをすくい、口に入れながら雄弁に語る。

「もう一つの道は他のチームと結託することだが、これはよほど信頼できる相手でないと無理だ。最悪裏切られて不利になる」

「うん、ボク達は一位になる必要がある。それなら全部敵に回した方が楽だね」

「ああ、全部蹴散らしてこい」

「任せてよ、弾丸のストックは使い切れないくらいあるから」

 ボク達姉妹が、そんな会話をしてると。

「やっぱリーダーの親族だな……」

「恐ろしい、明日参加するチームに同情します……」

 傍から眺めている二人は、ケーキを口にしながらしみじみと呟いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

処理中です...