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第4話 景色が見えることの何と素晴らしいことか
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皆は電磁場というものを知っているだろうか。
そもそも電場と磁場を知っているだろうか。これらを合わせて電磁場と呼ぶ、というよりはこの2つは1つのものだと言った方が正確だろう。
これについて詳細を語ると電磁気学の長い歴史の話になる。ややこしいので知りたい人のために重要なワードだけ並べておくことにする。
元々、電荷を持ったもの同士で力が働くことは知られていた。だがそれを知った物理学者たちは電荷同士がどうやって相手の電荷の情報を取得しているかが気になった。
電荷が相手の情報を取得とか意味のわからないことを言っている話だが、ちょっと辛抱してほしい。
相手の電荷の大きさによってクーロン力は変わるわけだが、例えば電荷の大きさを変えるスイッチのようなものがあったとして、電荷の大きさを急に変えると、相方の電荷にかかる力も急に変わるわけだ。そういうものだからそうなのだ、と言われればそれまでだが昔の物理学者はこれを不思議がった。一体、もう片方の電荷の大きさをどうやって知っているのだろう、と。
こういう物体同士が離れているときの相互作用のことを遠隔作用と呼ぶ。逆に接触しているときに働く相互作用を近接作用と呼ぶ。
遠隔作用というのはどうにも不気味だった。そこで物理学者たちが考え出したのが電場だった。電荷が置かれると周囲に電場という何かが生じる。それは置かれた電荷の大きさによって変わる何かだ。その電場の中に別の電荷を置くと、その電荷は自分のいるところの電場から力を受ける。これは電場と電荷が接触していると考えられるので近接作用なわけだ。
これで昔の物理学者たちは納得した。後に遠隔作用と考えると説明がつかない現象が発見されたため、近接作用を採用しなくてはいけない、すなわち電場がなくてはならないという結論に至った。
以上がややこしい話の概要である。これはあくまで電場の話で磁場の話ではない。磁場は磁場でややこしい話があるが本筋ではないので語るのはやめておく。
知っておいてほしい事実は1つだけで、電場が変化すると磁場が生じ、磁場が変化すると電場が生じる、ということだけだ。
電磁波の媒質とは電場と磁場である。電場が強くなったり弱くなったりすると今度は磁場が出てきてまた強くなったり弱くなったりする。これを繰り返して電場と磁場が伝搬していく。これが電磁波だ。
そして媒質があることも判明したので光が波であることも説明できただろう。光とは電磁波なのだ。
光というとなんとなく目に見えるあの光を思い浮かべるが、それは可視光といって電磁波の波長の一部に過ぎない。電磁波の波長がある長さより長くなるか、ある長さより短くなると人間の目には見えなくなる。長いところを赤外線と言ったり短いところを紫外線と言ったりする。
赤外線はさらに長い波長となると電波と呼ばれたりする。波長によってミリ波だの何だのと名前がついている。紫外線はより短くなるとレントゲン撮影につかうX線と呼ばれるようになり、更に短いと放射線の一種であるガンマ線と呼ばれるようになる。
ちなみに電磁波の種類を波長ではなく振動数で分類してもいいが……本当にそうしていいかどうかはかなり疑問がある。
振動数というのは秒間あたり何回媒質が往復するかで、波の進む速さ=振動数×波長、という公式が存在する。
電磁波についてはその分類を振動数でしても波長でしても元の世界ではどちらでも同じことだった。だがこの世界でそうなのかどうかは巨大な、とてつもなく巨大な疑問であり確認すべき事項である。
何故なら、振動数と波長のどちらを使っても構わないのは、上式の左辺である波の速さ、すなわち光速が一定であるという前提があったからだ。
そう、特殊相対論における原理の1つ。光速度不変の原理である。この原理がこの世界でも成り立っているかどうかは全く定かではない。
特殊相対論の説明をほんの少しだけしておく。
特殊相対論とは2つの原理から成り立つ理論だ。原理というのは、理由は知らないがひとまずそれを前提にしよう、というもののことを言う。なので何でそうなっているかは気にしてはいけない。それを採用するといいことがあるので採用しよう、といった感じだ。
1つ目の原理は先程も言った光速度不変の原理。いかなる光源からでも光の速度は変わらないという意味だ。例えば光源が超スピードで動いていて、そこから光を打ち出したら何となくものすごいスピードの光が出そうなものだが、実際はある一定のスピードにしかならない。
2つ目の原理は特殊相対性原理という仰々しい名前がついているが、意味は難しくない。どんな慣性系から見ても物理法則は同じ、という意味だ。慣性系、という言葉は聞き慣れないと思うが、止まってるか一定速度で動いてる人のどっちか、だと思ってくれればいい。
この2つの原理を採用するとかなり変わった結論が得られる。物体は光の速度は決して超えられない、速度が大きければ大きい人ほど止まっている人と比べて流れる時間が遅い、速度が大きければ大きいほど止まっている物体と比べて大きさが短い、などなど。
馬鹿馬鹿しい結論ばかりだが全て実証されているので私たちが住んでいる世界は私たちが思っているよりもどうやらへんちくりんだったようだ。
ともかく、以上で光の説明は終えられただろう。よく考えたらこの世界は風景がよく見える。光に関する物理法則も元の世界と変わらないようだ。これは僥倖なのでいつもどおり叫んでおこう。
「見えるぞぉおおおおおおおおおお!! 私にも風景が見えるぞぉおおおおおおおお!!」
そういえば重力の話の最中だったことを思い出した。
そもそも電場と磁場を知っているだろうか。これらを合わせて電磁場と呼ぶ、というよりはこの2つは1つのものだと言った方が正確だろう。
これについて詳細を語ると電磁気学の長い歴史の話になる。ややこしいので知りたい人のために重要なワードだけ並べておくことにする。
元々、電荷を持ったもの同士で力が働くことは知られていた。だがそれを知った物理学者たちは電荷同士がどうやって相手の電荷の情報を取得しているかが気になった。
電荷が相手の情報を取得とか意味のわからないことを言っている話だが、ちょっと辛抱してほしい。
相手の電荷の大きさによってクーロン力は変わるわけだが、例えば電荷の大きさを変えるスイッチのようなものがあったとして、電荷の大きさを急に変えると、相方の電荷にかかる力も急に変わるわけだ。そういうものだからそうなのだ、と言われればそれまでだが昔の物理学者はこれを不思議がった。一体、もう片方の電荷の大きさをどうやって知っているのだろう、と。
こういう物体同士が離れているときの相互作用のことを遠隔作用と呼ぶ。逆に接触しているときに働く相互作用を近接作用と呼ぶ。
遠隔作用というのはどうにも不気味だった。そこで物理学者たちが考え出したのが電場だった。電荷が置かれると周囲に電場という何かが生じる。それは置かれた電荷の大きさによって変わる何かだ。その電場の中に別の電荷を置くと、その電荷は自分のいるところの電場から力を受ける。これは電場と電荷が接触していると考えられるので近接作用なわけだ。
これで昔の物理学者たちは納得した。後に遠隔作用と考えると説明がつかない現象が発見されたため、近接作用を採用しなくてはいけない、すなわち電場がなくてはならないという結論に至った。
以上がややこしい話の概要である。これはあくまで電場の話で磁場の話ではない。磁場は磁場でややこしい話があるが本筋ではないので語るのはやめておく。
知っておいてほしい事実は1つだけで、電場が変化すると磁場が生じ、磁場が変化すると電場が生じる、ということだけだ。
電磁波の媒質とは電場と磁場である。電場が強くなったり弱くなったりすると今度は磁場が出てきてまた強くなったり弱くなったりする。これを繰り返して電場と磁場が伝搬していく。これが電磁波だ。
そして媒質があることも判明したので光が波であることも説明できただろう。光とは電磁波なのだ。
光というとなんとなく目に見えるあの光を思い浮かべるが、それは可視光といって電磁波の波長の一部に過ぎない。電磁波の波長がある長さより長くなるか、ある長さより短くなると人間の目には見えなくなる。長いところを赤外線と言ったり短いところを紫外線と言ったりする。
赤外線はさらに長い波長となると電波と呼ばれたりする。波長によってミリ波だの何だのと名前がついている。紫外線はより短くなるとレントゲン撮影につかうX線と呼ばれるようになり、更に短いと放射線の一種であるガンマ線と呼ばれるようになる。
ちなみに電磁波の種類を波長ではなく振動数で分類してもいいが……本当にそうしていいかどうかはかなり疑問がある。
振動数というのは秒間あたり何回媒質が往復するかで、波の進む速さ=振動数×波長、という公式が存在する。
電磁波についてはその分類を振動数でしても波長でしても元の世界ではどちらでも同じことだった。だがこの世界でそうなのかどうかは巨大な、とてつもなく巨大な疑問であり確認すべき事項である。
何故なら、振動数と波長のどちらを使っても構わないのは、上式の左辺である波の速さ、すなわち光速が一定であるという前提があったからだ。
そう、特殊相対論における原理の1つ。光速度不変の原理である。この原理がこの世界でも成り立っているかどうかは全く定かではない。
特殊相対論の説明をほんの少しだけしておく。
特殊相対論とは2つの原理から成り立つ理論だ。原理というのは、理由は知らないがひとまずそれを前提にしよう、というもののことを言う。なので何でそうなっているかは気にしてはいけない。それを採用するといいことがあるので採用しよう、といった感じだ。
1つ目の原理は先程も言った光速度不変の原理。いかなる光源からでも光の速度は変わらないという意味だ。例えば光源が超スピードで動いていて、そこから光を打ち出したら何となくものすごいスピードの光が出そうなものだが、実際はある一定のスピードにしかならない。
2つ目の原理は特殊相対性原理という仰々しい名前がついているが、意味は難しくない。どんな慣性系から見ても物理法則は同じ、という意味だ。慣性系、という言葉は聞き慣れないと思うが、止まってるか一定速度で動いてる人のどっちか、だと思ってくれればいい。
この2つの原理を採用するとかなり変わった結論が得られる。物体は光の速度は決して超えられない、速度が大きければ大きい人ほど止まっている人と比べて流れる時間が遅い、速度が大きければ大きいほど止まっている物体と比べて大きさが短い、などなど。
馬鹿馬鹿しい結論ばかりだが全て実証されているので私たちが住んでいる世界は私たちが思っているよりもどうやらへんちくりんだったようだ。
ともかく、以上で光の説明は終えられただろう。よく考えたらこの世界は風景がよく見える。光に関する物理法則も元の世界と変わらないようだ。これは僥倖なのでいつもどおり叫んでおこう。
「見えるぞぉおおおおおおおおおお!! 私にも風景が見えるぞぉおおおおおおおお!!」
そういえば重力の話の最中だったことを思い出した。
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