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第二章 神と人
第二百九十八話 特訓、対クリムゾン
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「ツイン、いくよ。最も深き闇、クリムゾン。血の底に在りて歪より生じる力の一旦。
万物在りて己が力を欲するものの意思となれ。
闇の幻魔人クリムゾンダーシュ招来」
「ご命令を」
「訓練。特訓。ルイン・ラインバウトと」
「主の主と手合わせを?」
「そう。ツイン、強くなった」
「承知」
十指の剣の男、クリムゾンダーシュ。漆黒の髪に青い瞳。
紳士服のような赤い服をまとい平伏している。
「なぁあんた。俺とも対話できるのか?」
「可能です。主の主よ」
「主の主ってなんだ。俺がブレディーの主なのか?」
「ツイン。婚約者」
「はい? その呼び方はまずいぞ。こいつが誤解する」
「婚約者として改めて認定しました。主の主より、主の殿方へ変更。
殿方殿」
「おいそれじゃ山本山みたいじゃないか。下から読んだらマヤトモマヤだけどな!」
「御冗談を」
「俺が上段言ってるわけじゃないんだよな……」
冗談言ってるのはそっちだろ! えーい、ラチがあかない。後は剣で語るのみだ。
「剣戒! まずはそのままでいくぞ」
「よいのですか、殿方殿。そのままで」
「さてどうかな。あんたの動きを見ていた限り、到底凌げるとは思えない」
「御明察。十剣ではなく五剣で参らせていただきたい」
「そんなに自信ありか……これでも強くなったんだけどね」
「ええ。しかしそのままでは……参ります。殿方殿」
殿方殿って名前になっちゃったよ! まったく。もういいや!
右手にカットラスを抜き左手にコラーダを構える。
クリムゾンはまだ平伏した姿勢をとったままだが、左手の五剣をきしませている。
……来る!
「片爪の切裂 シャル・ブイ・ディセクティング!」
かがみ状態から左足に反動をつけ、一気に間合いを詰めつつ五剣で美しく斬りかかってきた。
籠手で回避する事など出来ないので、上段からの斜め切りにコラーダの斬撃を合わせつつバックステップ
を取る。そこから踏み込み追撃でくる下段からの切り上げ。両手だったらバックステップを刈られていた。
上空に跳躍して回避しつつ、上空からデザートイーグルでけん制する。
もちろんけん制にしかならないが、上空からでも十分攻撃可能というアピールにはなる。
「お見事。しかしその位置は間合い。シャル・アイソレーション!」
「なっ!? くっ……」
分離した五指の剣が飛来して突き刺さる。まじかよ、着脱可能の武器か。油断はしていなかったが
どうみても指だと思ってた。
「くっ、やっぱこのままじゃ分が悪いか。回復するってのも含めて試すぞ! 神魔解放!」
「……殿方殿は人の領域を越えましたか。ならば改めて十指の剣で参る」
「今度はこっちからいくぞ。赤星の矢群・爆!」
「む……アニヒレーションズ!」
無数の赤星の矢を斜め上空から降らせる。一つ一つが破壊されるたび、小規模爆発を起こす。
連発出来なかったビノータスの矢も、この形態なら連発できる!
爆発中に後退しながらコラーダの斬撃を放ち、再度クリムゾンへ後方から向き合う。
「こっからが遠距離攻撃の本番だ! 赤海星の千波狂濤!」
幾重にも重なる荒波が爆発している箇所へ襲い掛かる。クリムゾンはたまらず上空へ飛翔した。
「狙い撃ち。妖赤海星の圧縮赤海水」
「ぐっ……お見事です。殿方殿」
「だからルインだっての!」
圧縮赤海水をもろにくらって、地面にどさりと倒れるクリムゾン。
俺も神魔解放して膝をつく。とりあえず一分なら意識を失わず、膝をつく程度で済んだ。
だいぶ戦えるようになったが、まだまだやれる事が多くて整理がおいついていない感じだ。
特にこの形態は真化より使い勝手がいい。まだ混ぜるな危険って話だが、同時併用できるように
なれば……その時はどうなるんだろう。
「それまで。ツイン。勝った。クリムゾン、調子、悪い?」
「いえ、殿方殿は遠距離が苦手そうだったが、克服されたようだ」
「あんた、やっぱりあえて後方に逃がしたのか」
「特訓とのご命令だったので」
「至近距離ならどうみても分があるしな、あんたの方が」
「それはどうでしょう。この後もまだ強くなられるのでしょう。羨ましい限り」
「あんたも修行とかしないのか?」
「私は主の招来魔人ですから」
「招来魔人? ってのだと修行しちゃいけないのか?」
「そういうわけでは……殿方殿は私に更なる強さを望まれるのですか」
「ん? ああ、そうなんじゃないか。あんた、今の俺より強いし。もっと強くなってくれよ。
また戦う機会も欲しいし。そのうちルーンの町で闘技大会もやりたいし」
「承知」
「ツイン。私の幻魔人、手懐けた」
「よくわからん存在だけど、忠義があって、言葉使いも丁寧でイケメンで最高じゃないか。
俺も幻魔人とか招来してみたい」
「ツインなら、きっと、できる」
「そんなことしたらファナとかサラとかが文句いいそうだけどな。これ以上呼ぶなーって」
クリムゾンと対峙し、しばらく会話しつつ休息を取る。
まだまだ神魔解放のコツもつかめていない。
いよいよこれからティソーナ取得に向けての試練。
気合が入る。
万物在りて己が力を欲するものの意思となれ。
闇の幻魔人クリムゾンダーシュ招来」
「ご命令を」
「訓練。特訓。ルイン・ラインバウトと」
「主の主と手合わせを?」
「そう。ツイン、強くなった」
「承知」
十指の剣の男、クリムゾンダーシュ。漆黒の髪に青い瞳。
紳士服のような赤い服をまとい平伏している。
「なぁあんた。俺とも対話できるのか?」
「可能です。主の主よ」
「主の主ってなんだ。俺がブレディーの主なのか?」
「ツイン。婚約者」
「はい? その呼び方はまずいぞ。こいつが誤解する」
「婚約者として改めて認定しました。主の主より、主の殿方へ変更。
殿方殿」
「おいそれじゃ山本山みたいじゃないか。下から読んだらマヤトモマヤだけどな!」
「御冗談を」
「俺が上段言ってるわけじゃないんだよな……」
冗談言ってるのはそっちだろ! えーい、ラチがあかない。後は剣で語るのみだ。
「剣戒! まずはそのままでいくぞ」
「よいのですか、殿方殿。そのままで」
「さてどうかな。あんたの動きを見ていた限り、到底凌げるとは思えない」
「御明察。十剣ではなく五剣で参らせていただきたい」
「そんなに自信ありか……これでも強くなったんだけどね」
「ええ。しかしそのままでは……参ります。殿方殿」
殿方殿って名前になっちゃったよ! まったく。もういいや!
右手にカットラスを抜き左手にコラーダを構える。
クリムゾンはまだ平伏した姿勢をとったままだが、左手の五剣をきしませている。
……来る!
「片爪の切裂 シャル・ブイ・ディセクティング!」
かがみ状態から左足に反動をつけ、一気に間合いを詰めつつ五剣で美しく斬りかかってきた。
籠手で回避する事など出来ないので、上段からの斜め切りにコラーダの斬撃を合わせつつバックステップ
を取る。そこから踏み込み追撃でくる下段からの切り上げ。両手だったらバックステップを刈られていた。
上空に跳躍して回避しつつ、上空からデザートイーグルでけん制する。
もちろんけん制にしかならないが、上空からでも十分攻撃可能というアピールにはなる。
「お見事。しかしその位置は間合い。シャル・アイソレーション!」
「なっ!? くっ……」
分離した五指の剣が飛来して突き刺さる。まじかよ、着脱可能の武器か。油断はしていなかったが
どうみても指だと思ってた。
「くっ、やっぱこのままじゃ分が悪いか。回復するってのも含めて試すぞ! 神魔解放!」
「……殿方殿は人の領域を越えましたか。ならば改めて十指の剣で参る」
「今度はこっちからいくぞ。赤星の矢群・爆!」
「む……アニヒレーションズ!」
無数の赤星の矢を斜め上空から降らせる。一つ一つが破壊されるたび、小規模爆発を起こす。
連発出来なかったビノータスの矢も、この形態なら連発できる!
爆発中に後退しながらコラーダの斬撃を放ち、再度クリムゾンへ後方から向き合う。
「こっからが遠距離攻撃の本番だ! 赤海星の千波狂濤!」
幾重にも重なる荒波が爆発している箇所へ襲い掛かる。クリムゾンはたまらず上空へ飛翔した。
「狙い撃ち。妖赤海星の圧縮赤海水」
「ぐっ……お見事です。殿方殿」
「だからルインだっての!」
圧縮赤海水をもろにくらって、地面にどさりと倒れるクリムゾン。
俺も神魔解放して膝をつく。とりあえず一分なら意識を失わず、膝をつく程度で済んだ。
だいぶ戦えるようになったが、まだまだやれる事が多くて整理がおいついていない感じだ。
特にこの形態は真化より使い勝手がいい。まだ混ぜるな危険って話だが、同時併用できるように
なれば……その時はどうなるんだろう。
「それまで。ツイン。勝った。クリムゾン、調子、悪い?」
「いえ、殿方殿は遠距離が苦手そうだったが、克服されたようだ」
「あんた、やっぱりあえて後方に逃がしたのか」
「特訓とのご命令だったので」
「至近距離ならどうみても分があるしな、あんたの方が」
「それはどうでしょう。この後もまだ強くなられるのでしょう。羨ましい限り」
「あんたも修行とかしないのか?」
「私は主の招来魔人ですから」
「招来魔人? ってのだと修行しちゃいけないのか?」
「そういうわけでは……殿方殿は私に更なる強さを望まれるのですか」
「ん? ああ、そうなんじゃないか。あんた、今の俺より強いし。もっと強くなってくれよ。
また戦う機会も欲しいし。そのうちルーンの町で闘技大会もやりたいし」
「承知」
「ツイン。私の幻魔人、手懐けた」
「よくわからん存在だけど、忠義があって、言葉使いも丁寧でイケメンで最高じゃないか。
俺も幻魔人とか招来してみたい」
「ツインなら、きっと、できる」
「そんなことしたらファナとかサラとかが文句いいそうだけどな。これ以上呼ぶなーって」
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