379 / 1,085
第三章 舞踏会と武闘会
第三百二十六話 着替える部屋は間違えないで!
しおりを挟む
「どうした。何を呆けておる」
「あ、ああ。少し想像してたのと違って」
「ここから貴様は歩いて向かえ。そのメロンパイとやら、二つ程もらっていくぞ」
「いいのか? こんな包んでもいないやつで」
「構わぬ。人の子が一生懸命作ったものであればなんでもよいのだ」
空中に二個のメロンパイが浮かび上がり、ブネと一緒に飛んでいった。
まったくふざけてる。さっさと地上に戻ってノーマルな感覚を取り戻したいよ。
ここの重力は少し軽めな気がする。しかし海底であることは間違いないだろう。
ここは見渡す限り海だ。その中に拾い空間……といっても緑などはちゃんとある。
道は石畳だが、普通の石なんかじゃない。歩くと波紋がはしる。
あちこちきょろきょろしながら見ていると……遠目に人が見えた。
「るいーーーん! やっと来たんだね。待ってたよ!」
「イビン? お前もここに連れてこられてたのか」
「僕だけじゃないよ。町のほとんどの人が連れてこられちゃったみたい。みんなすごく驚いているよ」
「確かに神殿で連れて来なさいって言ってたけどそんなにか」
「それでね、あっちで着付けをするらしいから、ルインが来たら連れてくるようにいわれてたんだ。いこ!」
「わかった……おいおい、そんなに引っ張るなって」
「だって、またどこか行っちゃいそうで。今度は僕もついていくから! 絶対に!」
「へぇ。イビン、随分鍛えたんだな。体つきが変わったんじゃないか?」
「うん。僕も頑張ってるんだよ。まだまだ弱いけどさ」
「そんなイビンにいい言葉を教えてやろう。弱くていい。勝てないくらいの相手がいる方が伸びるのさ」
「え? だって強くないとみんなを守れないよ?」
「守る方と一緒に強くなって戦えばいいだろ。自分だけでどうにかなんて、大抵できないもんだ」
話しながらイビンに案内され、中に入った。
「うわあーーーーーー!」
「うおーーーーーーーー!」
『失礼しました!』
「あら、大胆ね。せっかくのお披露目を待てないなんて」
「おいイビン! どうなってる!」
「ごごごごめんよー! みんな似た建物だから間違えちゃったよぉ!」
女子の着替え部屋に堂々と勢いよく乗り込んだ俺たち。
完全に油断していた。
頼むよイビン……永久的にいじられるやつだぞ、あれ。
「こ、こっちだったよ。今度は大丈夫」
「はぁ。なんかもう疲れたよ俺は。あ、メロンパイ焼いてもってきたんだよ。イビンも食うか?」
「なぁに、それ? へー、美味しそうだね。でもそんなに沢山ないみたいだから、女性陣にあげようよ。
そうしないと後で僕、吊るされるよね」
「そうだった……危うく十字架を手渡すところだった。すまん、今度ちゃんと用意するよ……そういえば
イーファとニンファ、ミリルもきてるのかい?」
「うん、来てるよ。僕の知ってる人で来れないのはフェルドナージュ様にフェドラートさん、アルカーン
さんにアネスタさん、それと本物のエッジマール王子かなぁ?」
「影武者の方は来てるのか?」
「うん。一人だけだけどね。おとなしくはしてるよ。報告用なのかなぁ? それとメルザちゃんが許可を
出してくれたから、ジャンカの村にいた人も中に入れてね。ベルドのお母さんも来てるよ」
「死流七支の一人か。ご主人はいないのか?」
「それが、行方不明なんだって。他の息子さんたちはカッツェルに買い出しにいってるけどね」
「そうか……。それでさ、イビン。俺、本当に結婚するのか?」
「え?」
そう、俺はルーンの町でひっそりメルザと結婚してから四層に向かうつもりだったんだ。
結婚は勢いっていうけど、どんな勢いだよ、これは……。
「あ、ああ。少し想像してたのと違って」
「ここから貴様は歩いて向かえ。そのメロンパイとやら、二つ程もらっていくぞ」
「いいのか? こんな包んでもいないやつで」
「構わぬ。人の子が一生懸命作ったものであればなんでもよいのだ」
空中に二個のメロンパイが浮かび上がり、ブネと一緒に飛んでいった。
まったくふざけてる。さっさと地上に戻ってノーマルな感覚を取り戻したいよ。
ここの重力は少し軽めな気がする。しかし海底であることは間違いないだろう。
ここは見渡す限り海だ。その中に拾い空間……といっても緑などはちゃんとある。
道は石畳だが、普通の石なんかじゃない。歩くと波紋がはしる。
あちこちきょろきょろしながら見ていると……遠目に人が見えた。
「るいーーーん! やっと来たんだね。待ってたよ!」
「イビン? お前もここに連れてこられてたのか」
「僕だけじゃないよ。町のほとんどの人が連れてこられちゃったみたい。みんなすごく驚いているよ」
「確かに神殿で連れて来なさいって言ってたけどそんなにか」
「それでね、あっちで着付けをするらしいから、ルインが来たら連れてくるようにいわれてたんだ。いこ!」
「わかった……おいおい、そんなに引っ張るなって」
「だって、またどこか行っちゃいそうで。今度は僕もついていくから! 絶対に!」
「へぇ。イビン、随分鍛えたんだな。体つきが変わったんじゃないか?」
「うん。僕も頑張ってるんだよ。まだまだ弱いけどさ」
「そんなイビンにいい言葉を教えてやろう。弱くていい。勝てないくらいの相手がいる方が伸びるのさ」
「え? だって強くないとみんなを守れないよ?」
「守る方と一緒に強くなって戦えばいいだろ。自分だけでどうにかなんて、大抵できないもんだ」
話しながらイビンに案内され、中に入った。
「うわあーーーーーー!」
「うおーーーーーーーー!」
『失礼しました!』
「あら、大胆ね。せっかくのお披露目を待てないなんて」
「おいイビン! どうなってる!」
「ごごごごめんよー! みんな似た建物だから間違えちゃったよぉ!」
女子の着替え部屋に堂々と勢いよく乗り込んだ俺たち。
完全に油断していた。
頼むよイビン……永久的にいじられるやつだぞ、あれ。
「こ、こっちだったよ。今度は大丈夫」
「はぁ。なんかもう疲れたよ俺は。あ、メロンパイ焼いてもってきたんだよ。イビンも食うか?」
「なぁに、それ? へー、美味しそうだね。でもそんなに沢山ないみたいだから、女性陣にあげようよ。
そうしないと後で僕、吊るされるよね」
「そうだった……危うく十字架を手渡すところだった。すまん、今度ちゃんと用意するよ……そういえば
イーファとニンファ、ミリルもきてるのかい?」
「うん、来てるよ。僕の知ってる人で来れないのはフェルドナージュ様にフェドラートさん、アルカーン
さんにアネスタさん、それと本物のエッジマール王子かなぁ?」
「影武者の方は来てるのか?」
「うん。一人だけだけどね。おとなしくはしてるよ。報告用なのかなぁ? それとメルザちゃんが許可を
出してくれたから、ジャンカの村にいた人も中に入れてね。ベルドのお母さんも来てるよ」
「死流七支の一人か。ご主人はいないのか?」
「それが、行方不明なんだって。他の息子さんたちはカッツェルに買い出しにいってるけどね」
「そうか……。それでさ、イビン。俺、本当に結婚するのか?」
「え?」
そう、俺はルーンの町でひっそりメルザと結婚してから四層に向かうつもりだったんだ。
結婚は勢いっていうけど、どんな勢いだよ、これは……。
0
あなたにおすすめの小説
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる