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18th カラーラベルイエロー
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「キャアーーーーーー!」
突然の悲鳴とともに状況が一変する。
上空が黄色に映し出され弱警戒音が鳴り響く。
月は相変わらずだな。ここにヘッツの主核がある以上無理もない。
上空の色は警戒レベルを表す。無色が正常、黄色は弱警戒、オレンジが警戒、黒が……破滅。
狙ってくる相手はおおよそクラッカーや宇宙夜盗、たまに未知生物なども飛来する。
これもクラッカーや何処かの組織が産み出した戦闘兵器と考えられている。
急ぎ女性ものの衣服屋へ飛び込み、セイソーを探す。
店内はかなり混乱していて、客も慌てて逃げ出そうとしていた。
中には下着だけで出ていく人も見受けられる――――この店にはいない……か。
「おお、お客様落ち着いてください。月は安全ですから。お客様、あの、お代金を!」
「あの人の分は俺が払うよ。これで足りるかな? 後これ、マテリアラーズの身分証」
「……まぁ、マテリアラーズの!? ありがとうございます!」
「いえいえ。それより二人組の女性と、マテリアラーズのヘッツが二台来なかった?」
「その方たちなら一通り見て肌着を買われた後、隣のお店に……マテリアラーズの関係者だったんですね。良客を逃してしまいました……」
「あなたの応対は正しいけど、人手が足りないから無理もないよ。自分は逃げずに客を気遣うその
姿勢。ちゃんと上に報告しておいてあげるから。それじゃ!」
「ありがとうございまーす! 今度可愛いイチゴパンツをご用意しておきますね!」
「いらないから! それ嫌がらせにしかならないだろ!」
おかしなことを口走りながら手を振る店主さん。正しい応対てのは前言撤回しておこうかな……。
店から出ると、セイソーが見えた。こちらへ近づいてくる。
「マスター。なぜ隣の女性服店ヘ。探しましタヨ。相手はクラッカーと未知生物……クリプティッドを
確認してイマス。全く新しい生物デス」
「全く新しい生物を見かけたのにカラーラベルイエロー? おかしいな」
「既にエレヴィン様により未知生物の一部は捕えられた模様デス」
「はやっ! さすがというか何というか。父さんがいる以上月は鉄壁の守りだ」
「間違いありまセン。宇宙上でも確実な怪物と言えるデショウ」
「それでクラッカーの方は?」
「セイソーが思うにここはマスターの出番カト。侵入経路及び攻撃対象施設を展開シマス」
「任せろ。レグアやフラーはどうした?」
「先ほどまでついてきていたのデスガ……フラー様は気にせず別のお店で買い物を続けているようデス」
「フラーは慣れてるし、イエローなら無理もないか。セイソー。センチネルモード起動」
「センチネルモードを展開シマス。対象……特定。ヘッツ月面施設……六件該当。狙いは、オルクスと特定しまシタ」
「当然だよな。あれを奪われるわけには……あれ? おかしいぞセイソー。
既に解決済みになってる。でも反応を見る限りこれは解決されてない。
なんだ? かなり深く侵入されていれば、イエローラベルで終わるはずがないのに!」
「マスター。落ち着いてくだサイ。分析……ジャミングは無しとでてイマス」
「既にオルクスへ搭乗しているものがいる! 障壁遮断展開! 急げ!」
「承知しまシタ。全障壁遮断要請……エラー、エラー、エラー―状況最悪、環境最悪、意思疎通最悪最悪最悪」
「落ち着けセイソー! コンタクト、エレハ」
「エレハ様とのコンタクト、特別優先経路で接続を開始……失敗、再度構築……失敗」
「父さ……エレヴィンとのコンタクト」
「接続を開始……失敗、再度構築……失敗」
「……オルクスの場所まで走るぞセイソー。フラーとコンタクト」
「フラー様とのコンタクトを開始……成功シマシタ」
「何よバカエレット! 今通信いれる? 信じられない!」
「着替えてるところ悪いけど非常事態なんだよ! イエローラベルで警戒が薄れてるが
ヘッツの中枢へ侵入されてる! 父さんやエレハ姉に繋がらないんだ。俺はこれからオルクスの
場所まで行ってくる! 二人は安全なところへ避難しててくれ」
「はぁ? 中枢までってそんなのあるはずないじゃない。現にもう収まったでしょ?」
「収まってない! 話してる時間が惜しい」
「あ、ちょっと待ちなさいよ! きゃ、どこ触ってるのレグアったら!」
「私も行く。直ぐに行くから少し待ってて」
ドゴォーーーーンと大きな音がしたかと思うと、一つのお店の屋根が突き破られ、レグアがフラーを
抱えて出てきた。
「……あれは弁償だよな」
「そうデスネ。その方がいいとセイソーも思いマス」
突然の悲鳴とともに状況が一変する。
上空が黄色に映し出され弱警戒音が鳴り響く。
月は相変わらずだな。ここにヘッツの主核がある以上無理もない。
上空の色は警戒レベルを表す。無色が正常、黄色は弱警戒、オレンジが警戒、黒が……破滅。
狙ってくる相手はおおよそクラッカーや宇宙夜盗、たまに未知生物なども飛来する。
これもクラッカーや何処かの組織が産み出した戦闘兵器と考えられている。
急ぎ女性ものの衣服屋へ飛び込み、セイソーを探す。
店内はかなり混乱していて、客も慌てて逃げ出そうとしていた。
中には下着だけで出ていく人も見受けられる――――この店にはいない……か。
「おお、お客様落ち着いてください。月は安全ですから。お客様、あの、お代金を!」
「あの人の分は俺が払うよ。これで足りるかな? 後これ、マテリアラーズの身分証」
「……まぁ、マテリアラーズの!? ありがとうございます!」
「いえいえ。それより二人組の女性と、マテリアラーズのヘッツが二台来なかった?」
「その方たちなら一通り見て肌着を買われた後、隣のお店に……マテリアラーズの関係者だったんですね。良客を逃してしまいました……」
「あなたの応対は正しいけど、人手が足りないから無理もないよ。自分は逃げずに客を気遣うその
姿勢。ちゃんと上に報告しておいてあげるから。それじゃ!」
「ありがとうございまーす! 今度可愛いイチゴパンツをご用意しておきますね!」
「いらないから! それ嫌がらせにしかならないだろ!」
おかしなことを口走りながら手を振る店主さん。正しい応対てのは前言撤回しておこうかな……。
店から出ると、セイソーが見えた。こちらへ近づいてくる。
「マスター。なぜ隣の女性服店ヘ。探しましタヨ。相手はクラッカーと未知生物……クリプティッドを
確認してイマス。全く新しい生物デス」
「全く新しい生物を見かけたのにカラーラベルイエロー? おかしいな」
「既にエレヴィン様により未知生物の一部は捕えられた模様デス」
「はやっ! さすがというか何というか。父さんがいる以上月は鉄壁の守りだ」
「間違いありまセン。宇宙上でも確実な怪物と言えるデショウ」
「それでクラッカーの方は?」
「セイソーが思うにここはマスターの出番カト。侵入経路及び攻撃対象施設を展開シマス」
「任せろ。レグアやフラーはどうした?」
「先ほどまでついてきていたのデスガ……フラー様は気にせず別のお店で買い物を続けているようデス」
「フラーは慣れてるし、イエローなら無理もないか。セイソー。センチネルモード起動」
「センチネルモードを展開シマス。対象……特定。ヘッツ月面施設……六件該当。狙いは、オルクスと特定しまシタ」
「当然だよな。あれを奪われるわけには……あれ? おかしいぞセイソー。
既に解決済みになってる。でも反応を見る限りこれは解決されてない。
なんだ? かなり深く侵入されていれば、イエローラベルで終わるはずがないのに!」
「マスター。落ち着いてくだサイ。分析……ジャミングは無しとでてイマス」
「既にオルクスへ搭乗しているものがいる! 障壁遮断展開! 急げ!」
「承知しまシタ。全障壁遮断要請……エラー、エラー、エラー―状況最悪、環境最悪、意思疎通最悪最悪最悪」
「落ち着けセイソー! コンタクト、エレハ」
「エレハ様とのコンタクト、特別優先経路で接続を開始……失敗、再度構築……失敗」
「父さ……エレヴィンとのコンタクト」
「接続を開始……失敗、再度構築……失敗」
「……オルクスの場所まで走るぞセイソー。フラーとコンタクト」
「フラー様とのコンタクトを開始……成功シマシタ」
「何よバカエレット! 今通信いれる? 信じられない!」
「着替えてるところ悪いけど非常事態なんだよ! イエローラベルで警戒が薄れてるが
ヘッツの中枢へ侵入されてる! 父さんやエレハ姉に繋がらないんだ。俺はこれからオルクスの
場所まで行ってくる! 二人は安全なところへ避難しててくれ」
「はぁ? 中枢までってそんなのあるはずないじゃない。現にもう収まったでしょ?」
「収まってない! 話してる時間が惜しい」
「あ、ちょっと待ちなさいよ! きゃ、どこ触ってるのレグアったら!」
「私も行く。直ぐに行くから少し待ってて」
ドゴォーーーーンと大きな音がしたかと思うと、一つのお店の屋根が突き破られ、レグアがフラーを
抱えて出てきた。
「……あれは弁償だよな」
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