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25th エレットの家へ向かう一向
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ヘッツ生産工場から数十キロ離れた場所まで移動したエレットたち。
小さな住民区画となっており、そこには大きな建物がいくつかあった。
「どれがあんたの家? 別に興味があるわけじゃないけど」
「全部だけど、殆どがダミーだよ」
「そっか。ミシーハ博士の事を考えるとそうなるわね」
エレットを先頭に到着した一番近い建物へ入る。中は少し不思議な雰囲気の空間で、部屋が無数にあるが
何一つ物が置かれていない。
「こっちだ。ついてきて」
大きなボタン式の前に手をかざすと、扉が開いていく。
他の扉は全て閉じており、道は一本となるが、天井部、側面部、床ともにセンサーが光っていた。
扉を全て潜り抜けた先は――――やはり何もない空間。
「何もないじゃない。ここなの?」
「音がする」
「……レグアは凄いな。この音に気付くなんて」
「え? 何も聞こえないわよ」
エレットが床に手を当てると、床部分がゆっくりと下へ降りていった。
しばらく降りていくと景色が水の流れる景色へと変わる。
月に敷設された水施設。それらを見る事が出来る場所は極僅かで、月の中枢と言ってもいい施設。
この施設により月への移住が可能となったと言っても過言ではない。
だが月が収容できる人数は極めて少ない。そのため地球再編組みとその他一部以外は別々の星へと移住していった。
「綺麗……」
「地球にも昔、滝って呼ばれるものがあったんだ。それを真似して作ってあるらしいよ。
随分と前に構築されたものだけどね」
「ここなら大きな音を立てても聞こえずに済むのね」
「そう。姉ちゃんが研究するのにちょうどいい場所なんだ。地上を爆破したところで
ここにはたどり着けない。水脈を破壊すれば月もおしまいでどのみち姉ちゃんは手に入らない……かな」
「そっか。ミシーハ博士は恐れてるのね。自分の頭脳が悪用されることを」
「そう。何度も姉ちゃんをどうにかしようとするやつが現れて。
だから姉ちゃんはずっとここにいるんだ」
「でも、それも疲れちゃったの。私も冒険したぁーい!」
地下へと降りていく途中、ふと声が鳴り響いた。そして――――突如現れる一人の女性……といっても
全身組まなく装備品で武装されており、性別は判別できない。
「姉ちゃん!? ここ、全然地下に降りきってないよ?」
「遅いんだもの。外でずっと待ってたのよ? ちーっともこないんだから。心配しちゃうじゃない」
「オルクスの件、聞いてないの?」
「聞いてるわよ? 燃料入れてないし、主のコアもついてないわよ?」
「それだと、盗んでも扱えないってこと?」
「うーん。絶対にそうとは言えないわね。でもいいの。なぜオルクスをあの場所へ置いておいたかわかる?」
「大きすぎるからとかじゃなく? じゃなかったら月の防衛のためとか」
「違うわ。盗ませるためよ」
「へ? 盗ませるため?」
「オルクスがあれば、私よりオルクスを盗もうとするでしょ?」
「それはそうかもしれないけど、姉ちゃんも捕えようとしてたんじゃないのか?」
「それは後回しになるでしょ? 結局あの女が必要だ! あの女を探せ! って」
「なるだろうね。コアがないんじゃ」
「にもかかわらずなんと! ミシーハ博士はオルクスを奪った時の影響で事故死していた!
きゃー! 絶対楽しいわ、これ。オルクスちゃん、動かしたくても動かなぁーい。
そんな風になってくれるのを想像するだけで……」
「姉ちゃん……」
「ミシーハ博士って凄い人だけど、凄い個性的よね」
「凄くいいと思う。なぜだろう。この辺りが凄く喜んでいるみたい。
スイーツを食べた時みたいな感覚」
「レグアちゃんにはわかるのね!? やっぱりいいわぁ……さ、もうじき家よ。
今日は泊っていって、いーーっぱい女子同士で話し合いましょ。エレットは聞いちゃだめよ? うふふ」
小さな住民区画となっており、そこには大きな建物がいくつかあった。
「どれがあんたの家? 別に興味があるわけじゃないけど」
「全部だけど、殆どがダミーだよ」
「そっか。ミシーハ博士の事を考えるとそうなるわね」
エレットを先頭に到着した一番近い建物へ入る。中は少し不思議な雰囲気の空間で、部屋が無数にあるが
何一つ物が置かれていない。
「こっちだ。ついてきて」
大きなボタン式の前に手をかざすと、扉が開いていく。
他の扉は全て閉じており、道は一本となるが、天井部、側面部、床ともにセンサーが光っていた。
扉を全て潜り抜けた先は――――やはり何もない空間。
「何もないじゃない。ここなの?」
「音がする」
「……レグアは凄いな。この音に気付くなんて」
「え? 何も聞こえないわよ」
エレットが床に手を当てると、床部分がゆっくりと下へ降りていった。
しばらく降りていくと景色が水の流れる景色へと変わる。
月に敷設された水施設。それらを見る事が出来る場所は極僅かで、月の中枢と言ってもいい施設。
この施設により月への移住が可能となったと言っても過言ではない。
だが月が収容できる人数は極めて少ない。そのため地球再編組みとその他一部以外は別々の星へと移住していった。
「綺麗……」
「地球にも昔、滝って呼ばれるものがあったんだ。それを真似して作ってあるらしいよ。
随分と前に構築されたものだけどね」
「ここなら大きな音を立てても聞こえずに済むのね」
「そう。姉ちゃんが研究するのにちょうどいい場所なんだ。地上を爆破したところで
ここにはたどり着けない。水脈を破壊すれば月もおしまいでどのみち姉ちゃんは手に入らない……かな」
「そっか。ミシーハ博士は恐れてるのね。自分の頭脳が悪用されることを」
「そう。何度も姉ちゃんをどうにかしようとするやつが現れて。
だから姉ちゃんはずっとここにいるんだ」
「でも、それも疲れちゃったの。私も冒険したぁーい!」
地下へと降りていく途中、ふと声が鳴り響いた。そして――――突如現れる一人の女性……といっても
全身組まなく装備品で武装されており、性別は判別できない。
「姉ちゃん!? ここ、全然地下に降りきってないよ?」
「遅いんだもの。外でずっと待ってたのよ? ちーっともこないんだから。心配しちゃうじゃない」
「オルクスの件、聞いてないの?」
「聞いてるわよ? 燃料入れてないし、主のコアもついてないわよ?」
「それだと、盗んでも扱えないってこと?」
「うーん。絶対にそうとは言えないわね。でもいいの。なぜオルクスをあの場所へ置いておいたかわかる?」
「大きすぎるからとかじゃなく? じゃなかったら月の防衛のためとか」
「違うわ。盗ませるためよ」
「へ? 盗ませるため?」
「オルクスがあれば、私よりオルクスを盗もうとするでしょ?」
「それはそうかもしれないけど、姉ちゃんも捕えようとしてたんじゃないのか?」
「それは後回しになるでしょ? 結局あの女が必要だ! あの女を探せ! って」
「なるだろうね。コアがないんじゃ」
「にもかかわらずなんと! ミシーハ博士はオルクスを奪った時の影響で事故死していた!
きゃー! 絶対楽しいわ、これ。オルクスちゃん、動かしたくても動かなぁーい。
そんな風になってくれるのを想像するだけで……」
「姉ちゃん……」
「ミシーハ博士って凄い人だけど、凄い個性的よね」
「凄くいいと思う。なぜだろう。この辺りが凄く喜んでいるみたい。
スイーツを食べた時みたいな感覚」
「レグアちゃんにはわかるのね!? やっぱりいいわぁ……さ、もうじき家よ。
今日は泊っていって、いーーっぱい女子同士で話し合いましょ。エレットは聞いちゃだめよ? うふふ」
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