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36th 二次試験突入
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「二次試験、スタートします。ここからはフィールドに点在する人工知能こと、一人称シェラハが
マップ全体で展開される事象を解説致します。人格プログラム構成、高飛車。設定担当者、ミシーハ。
プログラム、起動します」
「姉ちゃん!? 何でプログラムに変な人格入れてるの?」
「どうやってやってるのかもうさっぱりだわ。全マップ対応型人工知能? 割り当て高飛車って何よ」
「面白そう。出来れば見ていたい」
「あんたは参加する方でしょ! いい加減準備しなさいよね!」
「ははは、レグアらしいな」
「私らしいって何」
「うーん、興味を持つ幅が広いとかか?」
「ほら、それよりも試験でしょ!」
映し出された映像には、先ほど紹介された四位と五位がレッドチームにいる。これだけで
掃討なアドバンテージだ。どうみてもレッドが序盤は優位だろう。
「シェラハよ。随分と小さいマップね。この程度のマップならシェラハは三分で踏破できるわ。
せいぜい頑張る事ね」
「キルキルキルキルー」
「何キルキル言ってるのよ。さっさと戦いなさいよね」
「キルキル……」
落ち込むミスト選手。マップのあちこちでも同じような現象が起きており、人工知能から
確実な嫌がらせの言葉が浴びせられている。ミキサス・キャロライナにいたってはその場で喧嘩し始めた。
しかしこの嫌がらせ行為には理由がある。
立ったまま様子を見ているだけの選手や、明らかにばれる身のひそめ方をしている選手への警告。
完全に身をひそめ、獲物を狩る姿勢に入ったものや、既に索敵を始めたものには、開幕の挨拶以外
行っていない。
「マップ上の行動はいいとして、このシェラハがレッドチーム、ブルーチームの現メンバーを
紹介してあげるわ。ありがたく思いなさい。まずレッドチーム。
マルクマール。エリオット・チャリオット。オットー・スパイノーラ。仁・青井。スベル・タヤスク……
リングネームかしら。ポタージュ・コーン……飲みたくなってきたわ。ボーン・カルシウム……あなたたち
本気でこの名前でいいの? ミスト・リガルド……まだ落ち込んでるわね。。ミキサス・キャロライナ……
あんのくそ女はシェラハが後でしめる!」
「やっぱり高飛車な女性って怖いな……」
「あ、あたしは高飛車じゃないわよ! 一緒にしないでよ!」
「高飛車ってなに」
「他人を見下しがちな人……ってことかな。昔は結構いたらしい」
画面上にはさらに熱くなったキャロライナが映っている。
あれじゃシェラハの思うつぼと言えるだろう。
「続いてブルーチームよ。ふーん、こっちはまともな名前ね。
コンゴ・ガルード。支配・村雨。ギ=ドゥ。シャーネル。センートゥ。牙・流星。アルヤンカ。不知火・青井……あら、兄弟が混じっているのかしら。せいぜい潰しあう事ね。オホホホホ!」
高らかな笑いとともに、観戦場に不知火・青井と仁・青井の映像が映し出され……無かった。
両者共に綺麗に隠れているらしく、その場合不意打ち映像が映し出される可能性が高い。
ふと、仁・青井を映し出そうとした映像に、誰かが近づいた。
「木遁、青葉乱舞」
「うう、うわあーーー!」
木の葉がぐるぐると張り付いていき、アルヤンカ選手に装着されていたバッジを引きはがす。
すぐさまそれを回収して、木の上へ飛びあがる一人の選手。
「ちょっと! 何で名前を解説してあげたのに、もうバッジをとられてるわけ? 使えないわね!
それにしても仁・青井選手。なかなかやるじゃない。私程じゃないけど。今のは機械を使った機械忍法ね。
解説してあげたんだからありがたく思いなさい」
しかし喋るシェラハの言葉を聞いても、何も反応せず、再び姿をくらます仁・青井選手。
現在の戦況……レッドチーム残り九名・ブルーチーム残り七名。
脱落者……レッドチーム、アルヤンカ。
マップ全体で展開される事象を解説致します。人格プログラム構成、高飛車。設定担当者、ミシーハ。
プログラム、起動します」
「姉ちゃん!? 何でプログラムに変な人格入れてるの?」
「どうやってやってるのかもうさっぱりだわ。全マップ対応型人工知能? 割り当て高飛車って何よ」
「面白そう。出来れば見ていたい」
「あんたは参加する方でしょ! いい加減準備しなさいよね!」
「ははは、レグアらしいな」
「私らしいって何」
「うーん、興味を持つ幅が広いとかか?」
「ほら、それよりも試験でしょ!」
映し出された映像には、先ほど紹介された四位と五位がレッドチームにいる。これだけで
掃討なアドバンテージだ。どうみてもレッドが序盤は優位だろう。
「シェラハよ。随分と小さいマップね。この程度のマップならシェラハは三分で踏破できるわ。
せいぜい頑張る事ね」
「キルキルキルキルー」
「何キルキル言ってるのよ。さっさと戦いなさいよね」
「キルキル……」
落ち込むミスト選手。マップのあちこちでも同じような現象が起きており、人工知能から
確実な嫌がらせの言葉が浴びせられている。ミキサス・キャロライナにいたってはその場で喧嘩し始めた。
しかしこの嫌がらせ行為には理由がある。
立ったまま様子を見ているだけの選手や、明らかにばれる身のひそめ方をしている選手への警告。
完全に身をひそめ、獲物を狩る姿勢に入ったものや、既に索敵を始めたものには、開幕の挨拶以外
行っていない。
「マップ上の行動はいいとして、このシェラハがレッドチーム、ブルーチームの現メンバーを
紹介してあげるわ。ありがたく思いなさい。まずレッドチーム。
マルクマール。エリオット・チャリオット。オットー・スパイノーラ。仁・青井。スベル・タヤスク……
リングネームかしら。ポタージュ・コーン……飲みたくなってきたわ。ボーン・カルシウム……あなたたち
本気でこの名前でいいの? ミスト・リガルド……まだ落ち込んでるわね。。ミキサス・キャロライナ……
あんのくそ女はシェラハが後でしめる!」
「やっぱり高飛車な女性って怖いな……」
「あ、あたしは高飛車じゃないわよ! 一緒にしないでよ!」
「高飛車ってなに」
「他人を見下しがちな人……ってことかな。昔は結構いたらしい」
画面上にはさらに熱くなったキャロライナが映っている。
あれじゃシェラハの思うつぼと言えるだろう。
「続いてブルーチームよ。ふーん、こっちはまともな名前ね。
コンゴ・ガルード。支配・村雨。ギ=ドゥ。シャーネル。センートゥ。牙・流星。アルヤンカ。不知火・青井……あら、兄弟が混じっているのかしら。せいぜい潰しあう事ね。オホホホホ!」
高らかな笑いとともに、観戦場に不知火・青井と仁・青井の映像が映し出され……無かった。
両者共に綺麗に隠れているらしく、その場合不意打ち映像が映し出される可能性が高い。
ふと、仁・青井を映し出そうとした映像に、誰かが近づいた。
「木遁、青葉乱舞」
「うう、うわあーーー!」
木の葉がぐるぐると張り付いていき、アルヤンカ選手に装着されていたバッジを引きはがす。
すぐさまそれを回収して、木の上へ飛びあがる一人の選手。
「ちょっと! 何で名前を解説してあげたのに、もうバッジをとられてるわけ? 使えないわね!
それにしても仁・青井選手。なかなかやるじゃない。私程じゃないけど。今のは機械を使った機械忍法ね。
解説してあげたんだからありがたく思いなさい」
しかし喋るシェラハの言葉を聞いても、何も反応せず、再び姿をくらます仁・青井選手。
現在の戦況……レッドチーム残り九名・ブルーチーム残り七名。
脱落者……レッドチーム、アルヤンカ。
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