【マテリアラーズ】 惑星を巡る素材集め屋が、大陸が全て消失した地球を再興するため、宇宙をまたにかけ、地球を復興する

紫電のチュウニー

文字の大きさ
78 / 130

79th コクピット内

しおりを挟む
 紫色の巨大兵器に乗り込むと、そこは広い部屋のようだった。
 これがコクピットなのか? 一体どうやって動かせばいいのかわからない。
 これだけ広いなら、本来は一人で動かすようなものではないのだろうか? 
 ……などと考えていたら、紫色に包まれた球上の外が見える場所から、ミシーハ博士が
手を振ったり跳ねたりしているのが視界に入る。
 あの姉は天才過ぎてついていけそうにない。 
 
「操縦するような装置、見当たらないな。セイソー。どうしたらいいかわかるか?」
「マスター。この中は特になにも無いように思いマス」
「だよなぁ……やっぱりこの指輪が鍵かな。一体姉ちゃんはどうやって動かしてるんだろう」
「ミシーハ博士は天才ですカラ、既にこの兵器の構造をある程度理解しているのかも
しれまセン」

 外で動く姉の機体はどうやら手招きしているようだった。
 兵器から降りたところを見ると、直接話をしたいのだろう。
 
 降りるときも降りたいと意思表示をすることで、降りる事が出来た。
 全員一度集まったものの、反応はそれぞれ異なる。
 真っ先に口火を切ったのはフラー。お手上げといった表情だ。

「驚いて開いた口がふさがらないわ。どうやって動いてる機械なのかしら」
「そこよ。そこ。これ、機械じゃないのよ。生命体だわ!」
『えっ!?』
「もしかするとこれが文字に書いてあったミナカドじゃないの」
「それだ! レグアが読んでくれた文字に確かミナカドは地にひれ伏すってあったな」
「確か広間にあった文字ですよねぇ。あれ、読めちゃうんですかぁ!?」

 そういえば何であの文字をレグアが読めたのか、不思議には思った。
 現地特有の文字なのだろうか。でもレグアはいつからここにいるのかもわからない
んだったよな。
 記憶喪失か何かだったのだろうか。

「なぜ読めるかわからないの」
「どちらにしてもこの兵器はミナカドっていう名前があったのね。
ただ生命体といっても人間とはまるで違うものよ。機械に近い。
自律した意思を持ちながらも自律した行動派一切行わない。
この指輪で与えられた意思通りに動いてくれるみたいなの」
「乗ったり降りたりをするのに意思表明が必要だったもんな。言葉は理解してるの?」
「いいえ、言葉だけだとダメみたいなのよ。どこかに感情を読み取る部分があるのか
或いは行動を見て判断しているのか。それはわからない。でも恐らく……随分と
長い年月使用されていなかったはずなの。ちょっと試したい事があるんだけど
エレットの指輪貸してくれる?」
「うん。構わないよ。他のが気になるんだろ?」
「いいえ違うわ。外観と性能に差異はあると思うけど、私の試したい事はそこじゃないわ。
お願い、乗せて!紫色さん、乗せて!」

 しかしエレットが乗った兵器はぴくりとも動かない。
 なぜだろう? 先ほどはああいう感じで指輪を示しながら願えば動いてくれたのに。

「やっぱり。エレット、やってみて」
「あ、ああ。お願いだ。お前に乗せてくれ!」

 先ほどのミシーハ博士と大差ない行動をとってみる。
 すると兵器は俺へ向けて手を差し伸べ、再び中へと導いてくれた。
 直ぐに降りたいと意思表示する。ちょっとだけ悪い気持ちになった。

「やっぱりそうなんだわ。長く封印されていて、最初に登録した者のいう事しか聞かないのかもしれない。
つまり……」
「私たちの専用に、既になっちゃったってこと? あわわわ……絶対怒られるわ……」
「大丈夫よ。エレットがうまくごまかしてくれるもの」
「そう言われてもなぁ……兵器に見初められたっていってもどのみちパルスナー先輩の
ゲンコツは免れなそうだ……」

 先行きが少し不安だが、俺たちは暫く兵器ミナカドについて話し合っていた。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...