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ゾンビパニック
しおりを挟む今日も憂鬱な月曜。置きたくないと思いながらベッドの中から出てみれば、なぜか世界がパニック状態になっていた。
朝の番組はそのことしか報道していないし、局によっては報道どころかどの番組も放送していなかったりする。
まじでどうなったのか。理解はできないが、ただ一つわかることはあった。
この世界は、いや人間社会は終焉に向かっている。いずれ人はすべていなくなり、地球上の生物もいなくなるかもしれない。
ありえないだろ。何とも現実味のない話だ。ここは空想や創作の世界じゃないんだぞ? こんな展開になるなんてありえないだろう。マジであり得ない。
そう思っても現実は変わらない。
電車もバスも止まっている。いや交通機関すべてが不能状態に陥っている。それどころか、社会前途いが完全に停止してしまっているようだ。
いやいや。
あり得ないって。
そんなことをつぶやきながら、窓の外を伺う。
混乱して同じことをつぶやいてしまっているが、そんなことを気にする余裕はない。
何もない日常。そんな妄想を抱きながらみた外の光景は、テレビの中に映し出されている光景そのものだった。
ゾンビパニック。
映画なんかでよくあるチープなホラー展開ではあるが、実際にその状況に陥るとそんなことを思うこともできないことを思い知る。
ぶっちゃけ、社会人ではあったが、基本的に引きこもり体質だったし、近所に親しい人がいたわけでもない。しかし、知り合いはいた。見知った人はいた。
そんな人が外でうろうろしている。
どこを見ているのかもわからないうつろな目で、何をするわけでもなく、ただただ、歩き回っている。
よく見れば体の一部が変に変色しているのが見えた。
アレがゾンビウィルスに罹った人の特徴。さっき報道番組で言っていたものと一致する。すでにその番組はグレーアウトしているが、本当に世界は終焉に向かっているようだ。
しかし、なぜ自分はそのウィルスに罹っていないのか。
即ある話では自分だけ抗体を追っていてゾンビにならないとか、そう言った展開はあるが、そういうことなのか?
たまたまかかっていないだけなら外に出るのは怖い。
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