おいでやす、きつね(九尾の狐?!)のお宿へ

京極冨蘭

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第三章

第ニ話 とある妖怪の復活

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 日中、快晴ではあった京都上空に蒸し暑さが原因が入道雲が生じる、青い空は入道雲に占領され、やがて空は薄暗い雲に覆われた。雷がピカリと光り、ゴロゴロと上空に雷の音が鳴り響く。


 東山にいた妖怪はニヤリと笑う。

「荒れるぞッ、ヒッヒッヒ」

「ヒィーッ~、お助けをー!!」

妖怪に捕まえられ踏みつけられていた小さき妖怪座敷童子は涙を流す。

「封印が解かれた後、おまえを捕まえられるとは幸運だ」

「お助けを~」

「おまえを食べれば妖力を回復できるからなー」

「お、お待ちを?!妖力がある子供も連れてきます!その方が早く妖力が回復できますぅ…」

座敷童子は必死に懇願してとある妖怪に泣きついた。長きに渡り封印されていた妖怪はガハハっと笑う。

「そうだな、連れてコイッ!!逃げれんようにおまえの片目をもらっておこう」

「ギャァーッ!!」

とある妖怪は座敷童子の右目をグシャリと取り出す。目玉から体液がぽとり、ぽとりと滴り落ちる。

「さぁ、行けッ!!」

「ひぇーんッ」

片目を抑えながら座敷童子は逃げるように山を去っていく。その姿を愉快そうにあはははと笑いながら妖怪は見送ったのだ。





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