【完結】ノーザンランドの白き獅子リーラ 〜捨てられた王女は人生逆転復活劇は起こしたくない〜

京極冨蘭

文字の大きさ
51 / 240
第4章 別れと新しい旅立ち

第6話 総隊長一家の年越し

しおりを挟む

 この1か月充実した帝都実地訓練をすごし帰宅しようとすると詰所に誰か入って来た。

「おっ、リーラ!終わったか?うちで年越しするから帰るぞ」
エドモンド副隊長がやって来た。

「年越し??」

「ダリルさんもくるから親父にリーラを連れてこいと言われてさ。
いくぞ~」

 詰所に止めていた馬にひょいと乗せられハルクの家に行く。パカパカと馬に乗りながら着いたのは騎士住宅地の手前にある大きな家だった。リーラは誰の家だろうといつも思っていた。

「ただいま戻りました」
 エドモンドが居間に入る。

中を見る数多くの刀が飾ってある。

凄いや。かっこいい!!

「帰ってきたか。おっ、リーラもいるな」
 ハルクに手招きされ居間に入るとすでに酔っているダリルが手を振っている。

「いらっしゃい」
と貫禄のあるがっしりとした女性に声をかけられた。ハルク総隊長の妻でマリアだ。居間にはエドモンドの妻とハルクの2人の娘とその子供達が居た。

「あら、後輩来たわね。座りなさい」

「ありがとうございます」
頭を下げちょこんと座る。

2人の娘は姉がミア、妹がメリッサだ。キャサリンの後に入った現役女性騎士だ。今は子育て中で騎士の仕事は休み、夫も騎士だ。

ミアが飲み物を置きながら話し出す。

「どうだった?実地訓練?」

「色々経験できて勉強になりました」

「年明けからは皇宮よね。オースティン隊長だからねぇ。あっちの方が大変よ。頑張れ」

メリッサが
「さぁ、たくさん食べなさい。父さん達は飲み比べ始めちゃたから私達で楽しみましょう。どこの配属希望?」

「4番隊に行きたいです」

「わかるー。他国にも行けるしね。楽しかったわよ」

「メリッサさんは4番隊所属だったんですか?」

「憧れのキャサリン隊長がいたからね。けど実戦かなりあるわよ。ほら、腕見て、まだ跡が残ってるの!」

「おぉー」
凄い!メリッサに称賛の眼差しを送る。

「傷跡見て喜ぶなんて。あんた、やっぱ騎士だね~。じゃあ、かんぱーい!」
みなで果物のジュースを持ってメリッサとグラスを合わせる。

「リーラ、来てくれ」
ダリルがリーラを呼ぶ。

「なに?」

「これから各領に派遣され何週間ごと家を空けることになる。その時は、ハルクの所で世話になってくれ」

「派遣じゃなくて各領の偵察だろう」
ハルクがノールを飲みながら話す。
 (ノールとは大麦を発酵させたお酒)

「馬鹿やろう!リーラに言うな!機密事項だろうが!」

「うわっ、しまった。おしゃべり娘に聞かれてしまった~。言うなよ」

誰がおしゃべり娘だ。
この酔っ払い親父達殴っていいだろうか…

「ということだ。リーラ」

「はい、はい」

 あいつら酔っ払うとタチ悪いなぁと
思いながら席に戻るとマリアが果物を切って持ってきてくれた。

「ごめんね、リーラ。お酒が入ると調子乗るのよ。でも、ダリルさんが来てくれて嬉しいのよ。私達の年代の騎士はみな戦上で亡くなったり怪我で騎士を続けられず退役したり現役はほとんどいないわ。また、2人話合うでしょう。あんな楽しそうなハルク久しぶりなのよ。いつでも2人で来てちょうだい」

「ありがとうございます。父さんも仕事上、ずっと1人でいたので寂しかったと思います。ハルク総隊長と気が合うみたいなのでこれからよろしくお願いします」
リーラはぺこりと頭を下げた。

「本当に気が合うようね」

2人であはははと笑いながらお酒をんでいる姿がなんだか微笑ましく思えた。

 その後、子供達とカードゲームで遊びながら年を越したのだ。夜、寝ずに遊んだのは始めてだ。年越しって楽しい。ダリルとハルクを見ると飲みつぶれて居間に寝転がって寝ていた。よくあれだけ飲めるもんだとマリア達とあきれてしまった。






しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ
恋愛
 公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。  ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。 ※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界の花嫁?お断りします。

momo6
恋愛
三十路を過ぎたOL 椿(つばき)は帰宅後、地震に見舞われる。気付いたら異世界にいた。 そこで出逢った王子に求婚を申し込まれましたけど、 知らない人と結婚なんてお断りです。 貞操の危機を感じ、逃げ出した先に居たのは妖精王ですって? 甘ったるい愛を囁いてもダメです。 異世界に来たなら、この世界を楽しむのが先です!! 恋愛よりも衣食住。これが大事です! お金が無くては生活出来ません!働いて稼いで、美味しい物を食べるんです(๑>◡<๑) ・・・えっ?全部ある? 働かなくてもいい? ーーー惑わされません!甘い誘惑には罠が付き物です! ***** 目に止めていただき、ありがとうございます(〃ω〃) 未熟な所もありますが 楽しんで頂けたから幸いです。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!

柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜

束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。 家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。 「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。 皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。 今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。 ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……! 心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる

西野歌夏
恋愛
 ロザーラ・アリーシャ・エヴルーは、美しい顔と妖艶な体を誇る没落令嬢であった。お家の窮状は深刻だ。そこに半年前に陛下から連絡があってー  私の本当の人生は大陸を横断して、辺境の伯爵家に嫁ぐところから始まる。ただ、その前に最初の契約について語らなければならない。没落令嬢のロザーラには、秘密があった。陛下との契約の背景には、秘密の契約が存在した。やがて、ロザーラは花嫁となりながらも、大国ジークベインリードハルトの皇帝選抜に巻き込まれ、陰謀と暗号にまみれた旅路を駆け抜けることになる。

処理中です...