34 / 51
少女の名
しおりを挟む
「考え?」
康太はその言葉にピクリと反応する。
果てして脅しで言っているのかどうかすら分からなかったが、康太は聞くだけ聞いてみようと思った。
「要は君は自分に力が無いのが原因なんだろう?」
奏は挑発するように康太に言う。
それに対して康太は図星ではあるものの少しイラっとした様子で奏の次の言葉を待つ。
「明日、またここへ来てよ。君を強くしてあげようじゃないか」
そう言い切る奏だが、康太にはその言葉に信用性を持てなかった。
康太は魔術師ではない。
精霊使いと魔術師とでは魔力の行使の力も違うし、仕組みからして完全な別のものだ。
「奏さん。そんなの無理っしょ」
「なんでだい?私にできない事はないよー」
いくら魔術を奏が康太に教授しても康太が得れるもの等、ほぼほぼ皆無だと言っても過言ではない。
すると奏は両手を一回大きく叩いた。
「はい、じゃあこの話は一旦保留。リーシャっちのご飯食べよー」
そう言って、奏は家の中にはいっていった。
康太は奏の後ろ姿を眺めながら、その後をついていく。
奏の家に戻るとハイネもいつの間にか起きており、その後ろには黄色い浴衣を着た精霊が隠れるようにいた。
「おや、目を覚ましたようだねー」
奏が微笑みかけながら頭を撫でようとしたが避けられる。
行き場をなくした手がわなわなと震え奏は涙目になっていた。
「君なんて名前なんスか?」
その子と同じ目線位に屈んで少女の名を聞く。
少女は覚えながら小声でその名を口にした。
「ト、トールです」
康太はその言葉にピクリと反応する。
果てして脅しで言っているのかどうかすら分からなかったが、康太は聞くだけ聞いてみようと思った。
「要は君は自分に力が無いのが原因なんだろう?」
奏は挑発するように康太に言う。
それに対して康太は図星ではあるものの少しイラっとした様子で奏の次の言葉を待つ。
「明日、またここへ来てよ。君を強くしてあげようじゃないか」
そう言い切る奏だが、康太にはその言葉に信用性を持てなかった。
康太は魔術師ではない。
精霊使いと魔術師とでは魔力の行使の力も違うし、仕組みからして完全な別のものだ。
「奏さん。そんなの無理っしょ」
「なんでだい?私にできない事はないよー」
いくら魔術を奏が康太に教授しても康太が得れるもの等、ほぼほぼ皆無だと言っても過言ではない。
すると奏は両手を一回大きく叩いた。
「はい、じゃあこの話は一旦保留。リーシャっちのご飯食べよー」
そう言って、奏は家の中にはいっていった。
康太は奏の後ろ姿を眺めながら、その後をついていく。
奏の家に戻るとハイネもいつの間にか起きており、その後ろには黄色い浴衣を着た精霊が隠れるようにいた。
「おや、目を覚ましたようだねー」
奏が微笑みかけながら頭を撫でようとしたが避けられる。
行き場をなくした手がわなわなと震え奏は涙目になっていた。
「君なんて名前なんスか?」
その子と同じ目線位に屈んで少女の名を聞く。
少女は覚えながら小声でその名を口にした。
「ト、トールです」
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
婚約者は無神経な転生悪役令嬢に夢中のようです
宝月 蓮
恋愛
乙女ゲームのモブに転生したマーヤ。目の前にいる婚約者はそのゲームの攻略対象だった。しかし婚約者は悪役令嬢に救われたようで、マーヤそっちのけで悪役令嬢に夢中。おまけに攻略対象達に囲まれている悪役令嬢も転生者で、何だか無神経発言ばかりで少しモヤモヤしていしまうマーヤ。そんな中、マーヤはゲームには関係ない隣国の公爵令息と仲良くなり……!?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる